Friday, December 30, 2016

写真集「天使の写真」を出版しました。

モデナの怪人、ガブリエレ・パシーニ紹介の撮影から始まったレオン編集部とのコラボ。 ひたすら昇り竜なガブや、他のイタオヤ達とひとつの時代を並走してきた事を思い返すだけでも、なんとも感慨深いものがあります。そして今回、僕の個人的なテーマだった天使像の写真シリーズを、「天使の写真 Portraits of Angels」なる写真集としてまとめるに至 りました。カバータイトルには金箔を施し、印刷も写真集専門チームが関わったと言う、こだわりのパワー本。このデジタル時代においても、写真を紙に印刷して「本」として残す事の意義を、最大限に活かした形と言って良いのだと思います。
 

しかし、「ちょい不良なイタオヤ」を専門とするレオン編集部と、「天使」の関連性とは、何なんすかね? 最も遠そうなふたつの要素が混じり合って、ひとつの書籍になったわけですが、、、お互い関係なさそうで、実は関連性があるんでしょうね。イタオヤを至近距離で観察するに、逆説的ですが、自意識過剰で人の目を気にしすぎていたら、スタイルに行き着くことさえできないのでは?と思うのです。時に迷惑でもあり時にチャーミングでもある無根拠な自信が内面から溢れ出ている彼らの秘密は、イタリアがカトリック大国であることと関連性があるように思うわけです。すなわち、遠慮なく「これが俺だ!」と自分の魂 を押し出してくることができるのは、、、最終的に自分の評価の一部を、人目ではない「何か」に委ねているからではないか?と言うこと。深い話でしょ? 要するに、天使などの見えない「何か」に、ジャッジを仰いでいる部分があるからこその、自信のある自己主張。そのベースの次に、流行(モーダ)やTPO(場所やイベント別のドレスコード)がノッテ くるのです。彼らも人を見ますが、他人への興味よりも自分への興味が強く、人を値踏みしてジャッジする感じが圧倒的に少ないんすよね。彼らのライフスタイル全てに通じる地中海の哲学と感じます。あくまで、僕の説にすぎないのですが、この自問自答は、まだまだ続けるつもりです。。。

で、11月には、ちらりと一時帰国して、いくつかイベントしてきました。

まずは、大阪の「阪急うめだ本店」のイタリアフェア。ここで仰天したのは、扇型の大階段がそのまま劇場にもなる古代ローマの都市遺跡の様なゴージャスな祝祭広場。なんとも哲学的な建築デザインですよね。イタリア発祥の楽器オカリナの演奏家やオペラ歌手の演奏会、ワイン講座、講演会など多目的に使われていました。ベネツィアガラスのアクセサリーや食後酒リモンチェッロなどの、アーティストや作り手50人近くのイタリア人が、 このイベントのためにわざわざイタリアから来日。会場を行き来してモノの背景や作り方を見せつつ、文化の交流を果たしていました。「物産展はよくあるけど、村祭りみたいなイタリアフェアーはここだけだぞ」と、参加していたイタリア人が申しておりました。なるほどね、単なる物産展なら、僕の写真集の居場所もないでしょうからね。とにかく、その広場の一角での写真集先行販売、写真展、サイン会、講演会をさせて頂きました。。。。イタリアから行くと違和感のない近めな人の距離感。関西人のコミュニケーションって、柔らかくこなれていて、良い感じの都会ですね。お客さまとの直接的な関わりを存分に楽しみました。



そして、「伊勢丹新宿本店メンズ館」チャーリー・バイスの部屋での、天使ミニ写真展とポートレート撮影会。普段は閉じられている特別な部屋を使わせて頂いたのですが、なんとも濃密な時間が流れていました。ミラノのファッションデパートのアドバイザーをインタビュー取材していた時に、脱線会話で「ISETAN」について随分と逆インタビューされた経験があったのですが、今回納得。あんだけトンがったセレクションで、あんだけの集客力、、、さすが「世界のISETAN」、突っ走っていますね。メンズファッションでは世界最先端を行っちゃってると思います。東京にしかない空間でしょう。最上階8階は、通好みの小物のフロアーで「イセタンメンズ レジデンズ」と名付けられ、世界からの選りすぐりの趣味性の高いアイテムが選びきられていて、一見の価値あり。写真集「天使の写真」は、そこで引き続き取り扱って頂いています! とにもかくにも、チャーリー・バイスの友人として、顔を並べられて光栄です。知的でロマンあふれるアプローチで、素敵なインタビューをしてくれました。
前編
http://chalievice.com/letter/1086
後編
http://chalievice.com/letter/1087




http://kaeruleon.jp/store/CategoryList.aspx?ccd=F1000195&wkcd=F1000011

ジローさんも、良い事言ってくれてますね。『これおかしいよ!だって、一番の天使、アナタが載ってないよ!』 ・・・流石ですね。。。そういえば、イタリア語で「愛しいもの」は、全て「天使」と呼ぶんですよね。例えワガママな女性や子供も「天使」と呼ぶのです!っていうか、天使って、そういうものでもあるのかも???
 

すべてを紹介できないのが残念なのですが、友人知人、または書籍を通じた新しい友人のSNSシェアなどにも感動。代表して、タニさんの投稿『エンジェルの美しさと神秘にこだわった、とても素敵な写真集です』ありがとうございます。「美しさと神秘」改めて言葉を与えて頂くと、写真集に命を吹き込んでくれた様に感じます。


 「Nスタ」などで活躍のTBS古谷有美アナも、エネルギッシュなエンジェル・スマイルで激励してくれました!!!ところで、「#みんみん画伯」で検索してみてください。インスタグラム経由のポートレートや花、カリグラフィー(西洋習字)を多用したプロ並みに 素敵なイラストが出てきますが、全て彼女の作。キラキラが溢れ出ていますね。そういえば、天使って、本当は天使像とか形のあるものではむしろなくて、ふわふわキラキラっとした「魂」みたいなものでもあると思うんです。花でもデザインでも絵画でも写真でも言葉でも踊りでも歌でも詩でもなんでも良いから、方法にこだわらずにキラキラを表現し ていきたいですね!Let’s express yourself!!! エンジェル・スマイルで、世界が満たされます様に!!!



そして、12月のクリスマス時期には、銀座5丁目の東急プラザ銀座のストラスブルゴにて、出版記念の展覧会をさせて頂きました。自分はミラノにいて、準備も任せきりでしたが、書斎に天使の写真を配置したような素敵な展示になっていたようです。人通りも多い外堀通りというところに面している路面店だそうです。足を止めて、店内で見てくださった方はもちろんのこと、通りすがりに「天使の写真」のウインドウディスプレイを撮影していた方々もいたそうです。 そんな報告を聞くと、多少なりとも天使を日本に届けられたという感触が得られたように思えます。
http://strasburgo.co.jp/floor/mens/news/2016/12/-portraits-of-angels.php


 写真書籍はアマゾンなどのネット書店のほか、全国の書店にて取り扱いになっています。
 https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E4%BD%BF%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F-%E4%BB%81%E6%9C%A8-%E5%B2%B3%E5%BD%A6/dp/4391149818

 次回は、「なぜ天使をテーマに写真を撮ってきたのか」と「月と天使の不思議な関係」に 関してアップしたいと思います!!!




Web Leon 連載「仁木岳彦のイタリア日記」から転載加筆させて頂きました。