tag:blogger.com,1999:blog-75097902120406383542023-06-15T16:57:05.161+02:00ミラノ徒然フォトエッセーミラノ在住フォトグラファー、フランチェスコ仁木岳彦が気が向く時に発信しております。Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.comBlogger29125tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-7292947361927241792020-05-08T14:28:00.004+02:002020-05-09T23:01:44.718+02:00憧れのフォトグラファー、星野道夫さんについて<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://1.bp.blogspot.com/-TK2ugS7EAjg/XrVKHHCyUqI/AAAAAAAABFw/khIPzQlAeroTbXFjcyDlFdM7rGEcnzBTQCLcBGAsYHQ/s1600/IMG_2215%2B1_Snapseed.jpg" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1600" data-original-width="1600" height="400" src="https://1.bp.blogspot.com/-TK2ugS7EAjg/XrVKHHCyUqI/AAAAAAAABFw/khIPzQlAeroTbXFjcyDlFdM7rGEcnzBTQCLcBGAsYHQ/s400/IMG_2215%2B1_Snapseed.jpg" width="400" /></a></div>
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星野さんは、アラスカに住んで動物写真を撮っていた日本人フォトグラファー。密かな自慢なのですが、一度お会いした事があるのです。その時にサインして頂いた写真集には1992年と書いてありましたので、自分は学生時代。星野さんは動物写真家としてはすでに国際レベルで有名でしたが、ベストセラー・エッセー集「旅する木」や、ドキュメンタリー映画「地球交響曲(ガイア・シンフォニー)第3番」などよりも前でしたので、写真界以外では、そんなには知られた人ではなかったはず。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://1.bp.blogspot.com/-gx3MYzLw3tc/XrVKGj4XiCI/AAAAAAAABFo/vjHcpEeAcEY_hw8C7bMH7kTKi6yciUBuwCLcBGAsYHQ/s1600/IMG_2207%2B1_Snapseed.jpg" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1600" data-original-width="1600" height="400" src="https://1.bp.blogspot.com/-gx3MYzLw3tc/XrVKGj4XiCI/AAAAAAAABFo/vjHcpEeAcEY_hw8C7bMH7kTKi6yciUBuwCLcBGAsYHQ/s400/IMG_2207%2B1_Snapseed.jpg" width="400" /></a></div>
<br />
僕は地元が北海道なので、春休みの帰省中、札幌で買い物をしていた時だと記憶しています。あるデパートの最上階で、彼の展覧会が開催中である事をポスターで知りました。動物写真に憧れはなかったものの、星野さんが撮影する写真には、それぞれの動物の性格だとか家族の物語、悲しみや喜びなど、彼ら動物の魂が写っていて、他の動物写真との格の違いを感じていました。まだ、自分は写真を志すことを決める前でしたが、興味津々でデパートのエスカレーターを上っていった感覚を思い出します。<br />
<br />
ひと気のない静まり返ったその写真展会場には、なんと星野さん自身がいて、ゆっくりと話す事が出来ました。それ以前に見たドキュメンタリー番組で「熊がいそうな地域でも、銃を持って自然に入ると良い撮影ができない」と彼が語っていたのを知っていたので、すぐにその質問をぶつけてみました。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://1.bp.blogspot.com/-SHTARUuJ_Rk/XrVKHgBR2ZI/AAAAAAAABF0/dYTg8VFPK2QPqwfzGjANE8LeAoB8MKYuQCLcBGAsYHQ/s1600/IMG_2253%2B1_Snapseed.jpg" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1600" data-original-width="1600" height="400" src="https://1.bp.blogspot.com/-SHTARUuJ_Rk/XrVKHgBR2ZI/AAAAAAAABF0/dYTg8VFPK2QPqwfzGjANE8LeAoB8MKYuQCLcBGAsYHQ/s400/IMG_2253%2B1_Snapseed.jpg" width="400" /></a></div>
<br />
たくさんのアラスカの写真を背に、とても嬉しそうに質問に答えてくれたのですが、その時の星野さんの浮世離れした瞳に吸い込まれそうになった事は一生忘れないでしょう。到底この世のものとは思えないほどに、瞳が神々しく澄みきっていて「こんな人、見たことない。人間には見えない」そう言う感じなのです。あんな経験は、未だにあの時一度きり。星野さんの目が、映写機の様に光を放っていて、見た事のない世界を僕にジリジリと照射していたような感じさえありました。今でも、その時の「尊いもの」に触れた様な感触を思い出すだけで、なぜか感情が揺さぶられるのです。<br />
「やはり銃を持つと、動物を見下した目線になってしまうからではないでしょうか?」と、自分なりの仮説を質問してみたのですが、「確かにそうかもしれませんね、自分を安全な場所に置くことで、生の自然を感じることが難しくなってしまう、そういうことはあるのかもしれません」といった感じの経験談をしてくださったと記憶しています。「北海道は良いですね、乾いているっていうのかな。やっぱり北なんですね、千歳空港に降り立った瞬間にすぐに感じるんですが、アラスカの空気に似ているんですよ」などと、他愛のない会話なども交わしたのですが、そんな会話の内容よりも、星野さんの存在感が、とにかく強烈で、心地の良い不思議な圧倒感がありました。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://1.bp.blogspot.com/-Vzen5afipIk/XrVKIMclD-I/AAAAAAAABF4/NxFrwPE3dzkdP4qT7RufM5omzsP63gLAgCLcBGAsYHQ/s1600/IMG_2257_Snapseed.jpg" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1600" data-original-width="1600" height="400" src="https://1.bp.blogspot.com/-Vzen5afipIk/XrVKIMclD-I/AAAAAAAABF4/NxFrwPE3dzkdP4qT7RufM5omzsP63gLAgCLcBGAsYHQ/s400/IMG_2257_Snapseed.jpg" width="400" /></a></div>
<br />
その4年後には熊に襲われて、星野さんは人間世界よりも先の世界に旅立たれたのですが、龍村仁監督のドキュメンタリー映画「地球交響曲(ガイア・シンフォニー)第3番」では、亡くなった星野さんはクマの魂を持つ男として描かれていました。自分の守護神がクマであることを知っていたと言う様な内容だったと記憶します。大自然の熊が、クマの魂をもつ星野さんを襲うという、壮大なテーマを真正面から描いていました。地球(ガイア)の息遣いを感じる、これまたオススメの映画です。<br />
<br />
「星野さんの目は、クマの目だったのかもしれない」。その映画を見てから、そう思う様になりました。人間の目とは到底思えない感じでしたしね。もし、そうだとするならば、熊と言う動物は、実は底抜けに優しく純粋で素敵な動物であるに違いありません。「熊は危険で獰猛な動物」と言うイメージは、人間目線のエゴが作りあげたものなのかもしれないのです。とは言え一方では、テディーベアなどの熊のぬいぐるみ、クマのプーさん(Winnie-the-Pooh)のアニメ、北海道土産の木彫りの熊などは、愛嬌のあるキャラクターとして、ひたすら愛されているわけですから、よく考えると、僕らにも二重のイメージがあるんですね。<br />
<br />
星野さんは、向こうの世界でも、人間と動物の境界線を越えて、旅していると想像します。その境界線を越えたいと旅を続け、もしくはすでに超えていたから超人だったでしょう。人間と動物の境界線上の異次元に、神みたいなものを垣間見ていたのだと思います。<br />
<br />
このページ「イタリア日記」(*注)と関係ない事を書いているようですが、振り返ってみると、今自分が、イタリアに住んでいるのも、星野さんと出会った事と関係あるのかもと最近、思うのです。外国に住んでいる事に対し自問する時に、星野さんを意識しないわけにはいきません。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://1.bp.blogspot.com/-pYTRbDVaQXU/XrVKHP9AybI/AAAAAAAABFs/aUiwBUpyCJY2NvD8fCH8NyLKjQrQmWTPgCLcBGAsYHQ/s1600/IMG_2227_Snapseed.jpg" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1600" data-original-width="1600" height="400" src="https://1.bp.blogspot.com/-pYTRbDVaQXU/XrVKHP9AybI/AAAAAAAABFs/aUiwBUpyCJY2NvD8fCH8NyLKjQrQmWTPgCLcBGAsYHQ/s400/IMG_2227_Snapseed.jpg" width="400" /></a></div>
<br />
友人に勧められて、彼のエッセー集「旅する木」を読んだのは、イタリアに住み始めてからでした。どうか、皆さんも、その冒頭を読んでみてください!アラスカに移り住んだ理由や過程が書いてあるのですが、これがひたむきで純粋で熱くて最高なんですよ!憧れの星野さんと自分を比べるのは、本来ならば遠慮するべきとは思いますが、照れずに思い切って言うと、僕もどこか似たような感じでイタリアに惹かれ、何かに押されるような、強迫観念とも言えるような説明不可能な強烈な思いを持って、ここに移り住んだんですよね。それぞれみんな、何らかの使命や役目を持って生きてんだろうなあ。ついつい、熱く語ってしまいます。<br />
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<br />
(*注)<br />
Web LEON(主婦と生活社) <br />
連載「仁木岳彦のイタリア日記」2016年10月掲載ページから、加筆転載させて頂きました。Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-47177593656527437512018-08-12T09:33:00.000+02:002020-05-08T22:31:33.548+02:00時間の決め方<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://3.bp.blogspot.com/-v9taGae9swA/W2-5bleYByI/AAAAAAAABCY/n_NDmYRIF6YimDYNy4x_-phmlmtFQV2MgCLcBGAs/s1600/_DSF6520%2Bready.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1280" data-original-width="1600" height="512" src="https://3.bp.blogspot.com/-v9taGae9swA/W2-5bleYByI/AAAAAAAABCY/n_NDmYRIF6YimDYNy4x_-phmlmtFQV2MgCLcBGAs/s640/_DSF6520%2Bready.jpg" width="640" /></a></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-family: "Hiragino Sans"; font-stretch: normal; line-height: normal; text-align: center;">
<span style="font-size: x-small;">20時頃、オシャレして食前酒(アペリティーボ)や夕食に向かうミラネーゼ達。</span></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-stretch: normal; line-height: normal;">
<span style="-webkit-font-kerning: none;"></span></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-family: "Hiragino Sans"; font-stretch: normal; line-height: normal; text-align: center;">
<span style="font-size: x-small;">初夏の日の入りは21時過ぎで、22時近くまでうっすら明るい。</span></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-stretch: normal; line-height: normal;">
<span style="-webkit-font-kerning: none;"><span style="font-family: inherit;"><br /></span></span></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-stretch: normal; line-height: normal;">
<br /></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-stretch: normal; line-height: normal;">
<span style="-webkit-font-kerning: none;"><span style="font-family: inherit;">子供の頃、好きな季節と言えば冬だった。出身地の北海道十勝は冬晴れの日が多く、雪のおかげで遊びのバリエーションも増える。今、イタリアで好きな季節と言えば問答無用で夏。夜の陽が長く、夕食時でもまだ明るい。21時過ぎにやっと夕方が訪れる。夏の夜は特別なリラックスムードがあり、その開放感</span></span><span style="-webkit-text-stroke-width: initial; font-family: inherit;">が最高なのだ。夏の夜はテレビを見ている暇などないと感じるくらいだ。</span><br />
<span style="-webkit-text-stroke-width: initial; font-family: inherit;"><br /></span></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-stretch: normal; line-height: normal;">
<span style="font-kerning: none;"><span style="font-family: inherit;">陽が長いのは、イタリアの緯度が北にあるからだろうと思っていた。地軸のズレのせいで、北欧は、夏冬の日照時間の差が激しく、夏には白夜が訪れる。しかし、調べてみると日本とイタリアの緯度はほぼ同じ。イタリアの陽の長さは緯度のせいではなくて、むしろ時間の決め方のおかげなのだ。</span></span><br />
<span style="font-kerning: none;"><span style="font-family: inherit;"><br /></span></span></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-stretch: normal; line-height: normal;">
<span style="font-kerning: none;"><span style="font-family: inherit;">ところで、時計はなぜ右回りなのか?答えは簡単、地上に棒を立てて太陽の影で測る日時計から来ている。日本の標準時は、「国土の中心」あたりの兵庫県明石の日時計をもとに時間を決めている。一方で、イタリアは「国土の東端」の経度の日時計で時間を決めている。なるほど、それで夜が長い訳だ。ちなみに西隣のフランスやスペインは、イタリアと同じ時間帯なのだが、もはや彼らの国土の中に標準時経度がない。だから、フランスやスペインの夏の夜はもっと長い。そして、ヨーロッパ中で、夏は時計を1時間早めるサマータイムが採用される。結果的に夏の夜の陽を長くする仕組みが二段階でなされている訳だ。</span></span><br />
<span style="font-kerning: none;"><span style="font-family: inherit;"><br /></span></span></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-stretch: normal; line-height: normal;">
<span style="font-kerning: none;"><span style="font-family: inherit;">十勝の6月末の日の出の時間をご存知だろうか?午前3時台で、もったいない事に夏の朝は遮光カーテンが欲しくなるほどに早い。東京でも日の出は4時半で、東日本では</span></span><span style="font-kerning: none;"><span style="font-family: inherit;">朝起きた頃には太陽がかなり高い位置にあり、太陽と人々の生活のリズムが完全にずれているとしか思えない。もっと</span></span><span style="font-family: inherit;">自然の恵みを生活に取り入れたい。サマータイムを採用する方法もあるが、それよりもまずは標準時は最低でも国土の東端で決めるべきと僕は強く思っている。単純に、明るい時間のビアホールで仲間と乾杯するシーンを思い浮かべてもらいたい。その開放感は広く共有されるべきではないか。</span><br />
<span style="font-family: inherit;"><br /></span>
<span style="font-family: inherit;">日本の東端にある北海道東部は、太陽を取り入れる点で大きな損をしている。時間の決め方次第では、十勝のライフスタイルはもちろんの事、日本全体がもっと素敵な場所になる可能性を秘めていると思えて仕方ないのだ。</span></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-family: "Hiragino Sans"; font-stretch: normal; line-height: normal; text-align: center;">
<br /></div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-family: "Hiragino Sans"; font-size: 11px; font-stretch: normal; line-height: normal;">
十勝毎日新聞 2018年7月4日掲載 コラム「仁木岳彦のミラノエッセー」より加筆転載</div>
<div style="-webkit-text-stroke-color: rgb(0, 0, 0); -webkit-text-stroke-width: initial; font-family: "Hiragino Sans"; font-size: 11px; font-stretch: normal; line-height: normal;">
<br /></div>
Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-75506641500457442872018-01-10T01:21:00.000+01:002018-01-19T23:07:29.584+01:00絵本の魔力<br />
<div class="page" title="Page 1">
<div class="section" style="background-color: rgb(100.000000%, 100.000000%, 100.000000%);">
<div class="layoutArea">
<div class="column">
<b><span style="font-size: x-large;"><span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h";"><br /></span></span></b>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://2.bp.blogspot.com/-3UIIzVULkg8/WlVVPqIGHzI/AAAAAAAABAk/qVYz_1U9wogZS6YmaaIR-rBm191y4SutACLcBGAs/s1600/_DSF0482-retouched.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1067" data-original-width="1600" height="425" src="https://2.bp.blogspot.com/-3UIIzVULkg8/WlVVPqIGHzI/AAAAAAAABAk/qVYz_1U9wogZS6YmaaIR-rBm191y4SutACLcBGAs/s640/_DSF0482-retouched.jpg" width="640" /></a></div>
<br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h";">新米パパになって不安がる僕に、友人からメッセージが来た。「いいパパにならなくていいから、絵本を読んであげられるパパになってね」。ミラノ在住の僕たち夫婦の会話はイタリア語、たまに英語。
妻は母国語のロシア語で赤ちゃんに話しかけ、僕は日本語での一人芝居に限界を感じていた。国際性に憧れた僕だが、家庭内の多言語環境に困惑し、日本語を教えることにも自信をなくしていたのだ 。な
るほど、日本語の絵本なら言葉も教えられるだろうし、最高のアド
バイス。 </span></span><br />
<br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h";">北イタリア日本人会では毎週、読み聞かせの会もしているそうだ。
そして、彼らの日本語絵本のコレクションの大半は 、児童書の世界では世界随一の規模を誇る「ボローニャ国際児童図書見本市」からの寄贈とのこと。この見本市のなかでも、とく
に新人を発掘する原画展<span style="font-size: x-small;">(注記参照)</span>は3 0年以上にわたり日本の板橋区立美術館と深い関係があり、日本国内でも巡回展が行われるそう。と聞けば、新米パパはぜひ覗いてみたくなる。写真家というのをいいこと
に、関係者限定と言われている見本市に入れてもらえることになり、4月、ボロー
ニャに向かった。 </span></span><br />
<br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h";">会場内は、まさに絵本の玉手箱。興味深く感じたのは、絵本の主役は無国籍な顔をした子どもが多いところだ。どこの出身かわからないボーダーレスな顔の絵に愛着を感じる。とはいえ、注意深く見ると違いもある。子どもを意識して明快で
わかりやすい日本の絵本。素朴で生活感あふれるアフリカの絵本。
教え解くようなアラビアの絵本。電気仕掛けで声が出る中国の絵本。
色調が暗いのに温もりを感じる東欧の絵本。大人っぽくオシャレな西欧の絵本。国際的な比較にワクワクして、
それぞれに惹かれた。むしろ言語に関係なく、素敵な絵本は文句なしにいい! </span></span><br />
<br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h";">結局、その日は動物がテーマのイタリア語の絵本を購入して帰ってきた 。手はじめとして、即興で日本語に訳したり、話を勝手に
アレンジしたりして読み聞かせてみた。息子の反応もまあまあで、
順調なすべり出しだ。「日本語も大切だけど、それより文化の多様
性を尊ぶ気持ちとか、心の余裕を育んでほしいなあ」。ボローニャ
の絵本たちの魔力のおかげか、日本語教育のプレッシャーに負けそうだった新米パパは、一転して子育てに達観しつつある。 </span></span><br />
<br />
<br />
<span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h"; font-size: 16.000000pt;">
</span><br />
<div class="page" title="Page 1">
<div class="section" style="background-color: rgb(100.000000%, 100.000000%, 100.000000%);">
<div class="layoutArea">
<div class="column">
<a href="https://3.bp.blogspot.com/-WkRTEcTfLAI/WlVVK59WIdI/AAAAAAAABAg/D83vNcwjH784E1SXeZJQtFyfINrXhPx0ACLcBGAs/s1600/2.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="320" data-original-width="240" height="200" src="https://3.bp.blogspot.com/-WkRTEcTfLAI/WlVVK59WIdI/AAAAAAAABAg/D83vNcwjH784E1SXeZJQtFyfINrXhPx0ACLcBGAs/s200/2.jpg" width="150" /></a><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span style="font-size: small;"><span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h";">ANAグループ機内誌「翼の王国」9月号より、加筆転載させていただきました。
</span></span></div>
</div>
</div>
</div>
<br />
<span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h"; font-size: 16.000000pt;"> </span><span style="font-size: small;"><span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h";"> </span></span><br />
<span style="font-size: small;"><span style="font-family: "dfkyokasho-w3-mp-rksj-h";"><br /></span></span></div>
<div class="column">
<span style="font-size: small;"><br /></span>
<span style="font-size: small;"><br /></span>
<span style="font-size: small;">注記:イタリア・ボローニャ国際絵本原画展は、板橋区立美術館の他、西宮市大谷記念美術館、石川県七尾美術館、高浜市やきものの里かわら美術館などを毎年巡回しています。元来、絵本の原稿でしかなかった原画に注目して、それを芸術の域に高めたのは、彼ら日本の美術館のキュレター達だそう。児童書の国際的な商談がメインであるボローニャの見本市ですが、原画展も重要な位置を占め、絵本作家の登竜門的なコンクールとなっています。審査員は毎年総入れ替え、受賞者は若い作家から、プロのデザイナー、美術学校の先生まで、世界中から絵本制作を目指してイラストレーションの腕をふるっていて、とても見ごたえがありました。</span></div>
<div class="column">
<br /></div>
</div>
</div>
</div>
Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-66420957303855913162017-05-13T22:31:00.002+02:002020-05-08T22:28:47.362+02:00写真集「天使の写真」撮影したキッカケ、月との関連性多くのメッセージを頂いています。「魅入って、何度も見てしまいます」「癒されました」「何かと天使が語りかけてきますよ」「神々しくて、涙が、、、」「実は運気が上がりました!!!」などなど。ありがとうございます!読者さんからの反応を頂くと言うのは、こんな喜びなのですね!貴重な体験です。眠る前などに、パラパラっとめくる感じで、写真集を見てくれている方が多いみたいですね。観る瞑想。これからは、もっとシンクロニシティ(偶然の一致、必然の偶然)などが増えて、不思議な出会いが多発すると思いますよ!<br />
<br />
「そもそも天使像をテーマにした、最初のキッカケってなんだったの?」と聞かれることも多いのです。そりゃ、動機を知りたいっすよね。写真集の後書きにシッカリ書いてあるのですが、僕が語るのと、さらりと読むのでは、熱気が違うでしょうから、喜び勇んで答えるのですが。。。まず、写真集「天使の写真」の終わりの方に一枚だけ、天使とは関係なさそうな写真があります。煙が充満する大聖堂祭壇の写真。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://2.bp.blogspot.com/-Aokr7hMJ3kE/WRdsJD25yqI/AAAAAAAAA-A/Y9ny5Na3FsI5djAjoAOJO4YdCI0ISMw_wCEw/s1600/11%2B%25E3%2581%2582%25E3%2581%25A8%25E3%2581%258B%25E3%2582%2599%25E3%2581%258D%2Bwithout%2Bborder%2Bcopy.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://2.bp.blogspot.com/-Aokr7hMJ3kE/WRdsJD25yqI/AAAAAAAAA-A/Y9ny5Na3FsI5djAjoAOJO4YdCI0ISMw_wCEw/s640/11%2B%25E3%2581%2582%25E3%2581%25A8%25E3%2581%258B%25E3%2582%2599%25E3%2581%258D%2Bwithout%2Bborder%2Bcopy.jpg" width="436" /></a></div>
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2011年3月11日の東日本大震災には、イタリア人達も大いに気持ちを寄せてくれました。震災の翌週、ミラノのドゥオモ大聖堂にて「大震災犠牲者の追悼、そして残された者への励ましと復興を祈るミサ」を立ててくださいました。ミサはミラネーゼで満員御礼。祭壇には「平安」と筆された書が置かれ、合唱団は「ふるさと」を日本語で歌ってくれました。そして、なんとミサのクライマックスでは、驚いたことに、日本人の参列者のために、仏教のお寺などで行うお焼香をさせてくださったのです。教会にも、乳香(フランキンセンス)などの樹脂ベースのお香があります。普段は、重要なミサなどの前のお清めとして神父さんが、金銀細工が施された小さな球形のメタル製香炉などに入れて、振り回す感じで炊かれます。しかし、イタリアで一般信徒がお香に触れる事は、ほとんどないらしいのです。日本に長く住んだ経験があるイタリア人神父さんが、日本人の祈りの習慣に関して口添えしてくださったそうで、その日に限って日本人が祈りを表現しやすいように、カトリック教会内で仏教式お焼香が実現したのだと聞きました。粋な心意気に感激ですね。イタリア人は、ある意味で良い加減な分、他の文化にも寛容な側面があるのかもしれませんね。日本人が列を作って、次々と慣れた仕草で、祈りを形にしていきました。樹脂ベースのお香は、もともと煙が多いのと、珍しいお焼香の儀式のせいで、普段の教会ではありえないほどに祭壇が煙に包まれ、みんな見とれていました。そんな西洋と東洋の祈りが交わっていた瞬間「煙の中に舞い上がっていく天使たちを見た」と言う人の不思議な話を、ミサの後聞きました。「そうかあのミサは、天使の出陣式だったのだ」と、僕は勝手に理解して、天使像撮影の巡礼を決めたのです。だから、五年かかりましたが、一応僕なりの祈りの気持ちを形にしたのが、この写真集。最近、パラダイムシフトの途中なのか、なにかと世の中が揺さぶられている感じがありますが、世界中で天使たちが働いている様に感じています。<br />
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<a href="https://2.bp.blogspot.com/-5Z6F02f-UCY/WRdsJYFEyxI/AAAAAAAAA-E/Mjp7hjG4AB0f7-auLisDiZCKisZzPeGvwCEw/s1600/_DSC2289_Snapseed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="420" src="https://2.bp.blogspot.com/-5Z6F02f-UCY/WRdsJYFEyxI/AAAAAAAAA-E/Mjp7hjG4AB0f7-auLisDiZCKisZzPeGvwCEw/s640/_DSC2289_Snapseed.jpg" width="640" /></a></div>
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しかし、撮影巡礼を決めたとはいえ、心が折れそうになる事もあるのです。「そもそも、元々ある芸術を写し撮ってるだけじゃん?」とか、「俺は楽しんでるけど、こんな写真見て喜ぶ人いるの?」とか「この出版業界、冬の時代、どこの誰がこんな企画に興味持ってくれるのかなあ」なんて、、、、弱気になると言うか、飽きそうになったりするわけです。しかし、そんな感情が襲っても、逆に動機を維持し続けるキッカケとなる出来事が起こったりもするもんなんですね。不思議なもんで、自分のお気に入りの写真が一枚撮れただけでも、相当な「押し出し」って効くんすよね。その一枚がこちら。 <br />
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<a href="https://3.bp.blogspot.com/-aqEDfN6hHB4/WRdsI6xXEdI/AAAAAAAAA98/Liz6cbqWGGAcC3B_dwdQKnCiL5E9KMwewCEw/s1600/03-02%2BMilano%2Bpalazzo%2Breale%2Bsupermoon2012%2Bd%2B1702%2Bcopy.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://3.bp.blogspot.com/-aqEDfN6hHB4/WRdsI6xXEdI/AAAAAAAAA98/Liz6cbqWGGAcC3B_dwdQKnCiL5E9KMwewCEw/s640/03-02%2BMilano%2Bpalazzo%2Breale%2Bsupermoon2012%2Bd%2B1702%2Bcopy.jpg" width="428" /></a></div>
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月と地球の距離が短くなり、満月が普段よりも大きく見えるスーパームーンだったある日の夕方、月と旧市街の街並みを絡めたオシャレな写真が撮れないかなあと、深く考える事なしにミラノの中心部に向かいました。市街地で最も空が広く開けている街の中心ドゥオモ広場に着いた時、なかなか良い感じの満月が低い位置に出ていました。同じ満月でもスーパームーンは、やはり特別に存在感があるものです。望遠レンズが装着されたカメラを三脚に載せて、ファインダーを覗いたところ、「まじか?」と目を疑いました。ちょうど王宮の教会の塔の辺りに、月が出ていたのですが、なんとその突端に天使がいたんです!!!すでに天使像をテーマに決めた後でしたので、歓喜しながらの撮影となりました。「じっくりと待機して、時間かけて待っていたんですよね?」などと質問されることも多いのですが、実際は完全に逆。カメラを向けたら、そこに天使がいただけなのです。で、月って望遠レンズで覗くと猛烈な速さで動いてるんすよ。だから、「逆光だし露出難しいなあ」って段階露光しながら、慌てふためいてバシャバシャ撮影した写真なのです。<br />
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<a href="https://1.bp.blogspot.com/-5VdoqmQiqBE/WRdslEkuGoI/AAAAAAAAA-I/1hHgQYb2pT8fRAXtwtd6xa1MakXMyRVPwCEw/s1600/FullSizeRender.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://1.bp.blogspot.com/-5VdoqmQiqBE/WRdslEkuGoI/AAAAAAAAA-I/1hHgQYb2pT8fRAXtwtd6xa1MakXMyRVPwCEw/s400/FullSizeRender.jpg" width="400" /></a></div>
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こちらの写真が、だいたい同じ地点から撮った写真なのですが、大聖堂の尖塔の突端に黄金に輝く聖母マリア様がいるのは知っていても、大聖堂右手奥の王宮方面の尖塔に天使がいるとは、それまで全く知りませんでした。ミラネーゼの友人たちも、まず知らない人がほとんど。しかも、実はこの天使像は風見鶏で、見るたびに違う方向を向いている事も、後で気がつきました。撮影時は方角的にも上手い具合に月と重なっていたわけです。「と言うことは、あの時、良い風が吹いていたわけか!」そう思うと、「こういうのって、俺しか撮れない写真だよな」とか、「天使から撮影依頼が来ているみたいだよなあ!」などと、うぬぼれつつ自分を奮い立たせる動機の一枚になっていきました。「このスーパームーンの天使写真を表紙写真に!」と僕も著者として推薦させてもらい、出版直前の最後の最後に採用と相成りました。しかも、写真の縁を黄金色(ゴールド)で箔押し。妖しく艶かしい光を放っていて、最高の演出っすよね。<br />
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<a href="https://1.bp.blogspot.com/-KkTPQ3S338c/WRdslJzExGI/AAAAAAAAA-M/HEFg_NsYiGQO22yR9QLN6j2PtirhvzejACLcB/s1600/FullSizeRender%2B2.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://1.bp.blogspot.com/-KkTPQ3S338c/WRdslJzExGI/AAAAAAAAA-M/HEFg_NsYiGQO22yR9QLN6j2PtirhvzejACLcB/s400/FullSizeRender%2B2.jpg" width="400" /></a></div>
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11月初旬に、写真展と先行販売をさせて頂いていた阪急うめだのイタリアフェアーにて、そんな表紙写真のストーリーなどを話していた所、、、お客様のある方がある事に気がつき教えてくれました。「(奥付に書いてある第1刷発行日の)2016年11月14日も、満月でスーパームーンなはずですよ」と言うではありませんか。調べてみると、68年ぶりに最大に接近するスーパームーンだったそうです。編集部も販売部も知らなかったそうで、これも必然の偶然だったのかもしれませんね。<br />
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<a href="https://3.bp.blogspot.com/-_939MGPxD90/WRdswrQp5gI/AAAAAAAAA-Q/Ag8u9YefmsYX0WOd95cakjZoaZrdE5yjQCLcB/s1600/retouching%2Bcover%2B03c%2Bcopy.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://3.bp.blogspot.com/-_939MGPxD90/WRdswrQp5gI/AAAAAAAAA-Q/Ag8u9YefmsYX0WOd95cakjZoaZrdE5yjQCLcB/s400/retouching%2Bcover%2B03c%2Bcopy.jpg" width="298" /></a></div>
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表紙デザインも発行日もスーパームーン絡み。「月と天使」は、どう言う関係性があるのでしょうか?出版の締めの段階で浮上して来た「月のエネルギー」。月は女性性のシンボルなどと、よく言われている様ですが、気になります!頂いた感想やメッセージなどを読むに、読者さんの方が僕よりも天使などに詳しい場合も多いので、何か感じたら分かったら、是非とも教えてください!FBのファンページもやっています。書籍には書かれてないエピソードや載ってない写真も、のんびりとアップしています。<br />
https://www.facebook.com/angelsbyniki/<br />
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これからは、「月のエネルギー」、もしくは「女性性って一体なんだろう、男性性との違いは?」などと言う自問自答が、僕の道しるべになりそうです。ところで、ファッションって言うのも文化的な文脈で眺めると、究極のところ、女性性と男性性の定義のせめぎ合いをやってるんすよね。なんたって、肉体に羽織るモノっすからね。<br />
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ところで、ちょい不良(ワル)ながらも、照れずにさらっと女性性を理解し女性を大切にできる側面もあるイタオヤ風男性って、相当モテるんじゃないっすか?って言うか、Leon誌面も、既にそう言う方向性に行ってる感じするんすけど。。。男性誌でありながら、必ず女性モデルが写真に登場しますしね。モノ(商品)だけではなくて、コト(ストーリー)にフォーカスしている雑誌だからこそですね。せっかくなんでこじつけますが、Leon編集部が、写真集「天使の写真」を手がけた理由も、その辺にあるんでしょうね!<br />
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写真集「天使の写真」は、全国の書店、アマゾンにて発売中です。<br />
<a href="https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E4%BD%BF%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F-%E4%BB%81%E6%9C%A8-%E5%B2%B3%E5%BD%A6/dp/4391149818?language=en_US">https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E4%BD%BF%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F-%E4%BB%81%E6%9C%A8-%E5%B2%B3%E5%BD%A6/dp/4391149818?language=en_US</a> <br />
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Web Leon 連載「仁木岳彦のイタリア日記」から転載加筆させて頂きました。<br />
<br />Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-77853434219692735122016-12-30T17:34:00.001+01:002020-05-08T22:29:23.532+02:00写真集「天使の写真」を出版しました。モデナの怪人、ガブリエレ・パシーニ紹介の撮影から始まったレオン編集部とのコラボ。
ひたすら昇り竜なガブや、他のイタオヤ達とひとつの時代を並走してきた事を思い返すだけでも、なんとも感慨深いものがあります。そして今回、僕の個人的なテーマだった天使像の写真シリーズを、「天使の写真
Portraits of Angels」なる写真集としてまとめるに至
りました。カバータイトルには金箔を施し、印刷も写真集専門チームが関わったと言う、こだわりのパワー本。このデジタル時代においても、写真を紙に印刷して「本」として残す事の意義を、最大限に活かした形と言って良いのだと思います。<br />
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<a href="https://2.bp.blogspot.com/-q_K6xY7fr08/WGaGHJeHk9I/AAAAAAAAA8g/3aQp5USKF9EUrEZunMRAzeIxuTYWnAvggCLcB/s1600/hc_141016_0246.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="448" src="https://2.bp.blogspot.com/-q_K6xY7fr08/WGaGHJeHk9I/AAAAAAAAA8g/3aQp5USKF9EUrEZunMRAzeIxuTYWnAvggCLcB/s640/hc_141016_0246.jpg" width="640" /></a></div>
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しかし、「ちょい不良なイタオヤ」を専門とするレオン編集部と、「天使」の関連性とは、何なんすかね?
最も遠そうなふたつの要素が混じり合って、ひとつの書籍になったわけですが、、、お互い関係なさそうで、実は関連性があるんでしょうね。イタオヤを至近距離で観察するに、逆説的ですが、自意識過剰で人の目を気にしすぎていたら、スタイルに行き着くことさえできないのでは?と思うのです。時に迷惑でもあり時にチャーミングでもある無根拠な自信が内面から溢れ出ている彼らの秘密は、イタリアがカトリック大国であることと関連性があるように思うわけです。すなわち、遠慮なく「これが俺だ!」と自分の魂
を押し出してくることができるのは、、、最終的に自分の評価の一部を、人目ではない「何か」に委ねているからではないか?と言うこと。深い話でしょ?
要するに、天使などの見えない「何か」に、ジャッジを仰いでいる部分があるからこその、自信のある自己主張。そのベースの次に、流行(モーダ)やTPO(場所やイベント別のドレスコード)がノッテ
くるのです。彼らも人を見ますが、他人への興味よりも自分への興味が強く、人を値踏みしてジャッジする感じが圧倒的に少ないんすよね。彼らのライフスタイル全てに通じる地中海の哲学と感じます。あくまで、僕の説にすぎないのですが、この自問自答は、まだまだ続けるつもりです。。。<br />
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で、11月には、ちらりと一時帰国して、いくつかイベントしてきました。<br />
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<a href="https://2.bp.blogspot.com/-RKuTGWX_zQ0/WGaGLomNTdI/AAAAAAAAA84/dXi5TiEI8NEZJFhlCbihEmi2SP2wdUACgCLcB/s1600/umeda02.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://2.bp.blogspot.com/-RKuTGWX_zQ0/WGaGLomNTdI/AAAAAAAAA84/dXi5TiEI8NEZJFhlCbihEmi2SP2wdUACgCLcB/s640/umeda02.jpg" width="640" /></a></div>
まずは、大阪の「阪急うめだ本店」のイタリアフェア。ここで仰天したのは、扇型の大階段がそのまま劇場にもなる古代ローマの都市遺跡の様なゴージャスな祝祭広場。なんとも哲学的な建築デザインですよね。イタリア発祥の楽器オカリナの演奏家やオペラ歌手の演奏会、ワイン講座、講演会など多目的に使われていました。ベネツィアガラスのアクセサリーや食後酒リモンチェッロなどの、アーティストや作り手50人近くのイタリア人が、
このイベントのためにわざわざイタリアから来日。会場を行き来してモノの背景や作り方を見せつつ、文化の交流を果たしていました。「物産展はよくあるけど、村祭りみたいなイタリアフェアーはここだけだぞ」と、参加していたイタリア人が申しておりました。なるほどね、単なる物産展なら、僕の写真集の居場所もないでしょうからね。とにかく、その広場の一角での写真集先行販売、写真展、サイン会、講演会をさせて頂きました。。。。イタリアから行くと違和感のない近めな人の距離感。関西人のコミュニケーションって、柔らかくこなれていて、良い感じの都会ですね。お客さまとの直接的な関わりを存分に楽しみました。<br />
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<a href="https://4.bp.blogspot.com/-lMC0o8TqGzQ/WGaGHoA7-II/AAAAAAAAA8o/NIB-grLVf-UrzNM5JrZgMDZ26mNPNNfngCLcB/s1600/Chalie.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://4.bp.blogspot.com/-lMC0o8TqGzQ/WGaGHoA7-II/AAAAAAAAA8o/NIB-grLVf-UrzNM5JrZgMDZ26mNPNNfngCLcB/s640/Chalie.jpg" width="640" /></a></div>
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そして、「伊勢丹新宿本店メンズ館」チャーリー・バイスの部屋での、天使ミニ写真展とポートレート撮影会。普段は閉じられている特別な部屋を使わせて頂いたのですが、なんとも濃密な時間が流れていました。ミラノのファッションデパートのアドバイザーをインタビュー取材していた時に、脱線会話で「ISETAN」について随分と逆インタビューされた経験があったのですが、今回納得。あんだけトンがったセレクションで、あんだけの集客力、、、さすが「世界のISETAN」、突っ走っていますね。メンズファッションでは世界最先端を行っちゃってると思います。東京にしかない空間でしょう。最上階8階は、通好みの小物のフロアーで「イセタンメンズ
レジデンズ」と名付けられ、世界からの選りすぐりの趣味性の高いアイテムが選びきられていて、一見の価値あり。写真集「天使の写真」は、そこで引き続き取り扱って頂いています! とにもかくにも、チャーリー・バイスの友人として、顔を並べられて光栄です。知的でロマンあふれるアプローチで、素敵なインタビューをしてくれました。<br />
前編<br />
<a href="http://chalievice.com/letter/1086">http://chalievice.com/letter/1086</a><br />
後編<br />
<a href="http://chalievice.com/letter/1087">http://chalievice.com/letter/1087</a><br />
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<a href="https://3.bp.blogspot.com/-V2ucfVQZtac/WGaGLBEwD5I/AAAAAAAAA8w/xr8nMQkvXnsAr00RssORuvCmx6zJxkaQQCLcB/s1600/Images.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://3.bp.blogspot.com/-V2ucfVQZtac/WGaGLBEwD5I/AAAAAAAAA8w/xr8nMQkvXnsAr00RssORuvCmx6zJxkaQQCLcB/s400/Images.jpg" width="325" /></a></div>
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<a href="http://kaeruleon.jp/store/CategoryList.aspx?ccd=F1000195&wkcd=F1000011">http://kaeruleon.jp/store/CategoryList.aspx?ccd=F1000195&wkcd=F1000011</a><br />
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ジローさんも、良い事言ってくれてますね。『これおかしいよ!だって、一番の天使、アナタが載ってないよ!』 ・・・流石ですね。。。そういえば、イタリア語で「愛しいもの」は、全て「天使」と呼ぶんですよね。例えワガママな女性や子供も「天使」と呼ぶのです!っていうか、天使って、そういうものでもあるのかも??? <br />
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<a href="https://1.bp.blogspot.com/-rPZHsieAN6E/WGaGLKwZGYI/AAAAAAAAA8s/4kCv9bJcFTIkWFpzVMpCxB41XCAEWQv9QCLcB/s1600/Keita%2BTani%2BScreen%2BShot_Snapseed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://1.bp.blogspot.com/-rPZHsieAN6E/WGaGLKwZGYI/AAAAAAAAA8s/4kCv9bJcFTIkWFpzVMpCxB41XCAEWQv9QCLcB/s400/Keita%2BTani%2BScreen%2BShot_Snapseed.jpg" width="317" /></a></div>
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すべてを紹介できないのが残念なのですが、友人知人、または書籍を通じた新しい友人のSNSシェアなどにも感動。代表して、タニさんの投稿『エンジェルの美しさと神秘にこだわった、とても素敵な写真集です』ありがとうございます。「美しさと神秘」改めて言葉を与えて頂くと、写真集に命を吹き込んでくれた様に感じます。 <br />
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<a href="https://3.bp.blogspot.com/-fHtwq5GeGjg/WGaGLnh5kLI/AAAAAAAAA80/FUjnfP3axh8rbHH6QxOYsgz-HKDjSF5nQCLcB/s1600/minmin.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://3.bp.blogspot.com/-fHtwq5GeGjg/WGaGLnh5kLI/AAAAAAAAA80/FUjnfP3axh8rbHH6QxOYsgz-HKDjSF5nQCLcB/s400/minmin.jpg" width="400" /></a></div>
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「Nスタ」などで活躍のTBS古谷有美アナも、エネルギッシュなエンジェル・スマイルで激励してくれました!!!ところで、「#みんみん画伯」で検索してみてください。インスタグラム経由のポートレートや花、カリグラフィー(西洋習字)を多用したプロ並みに
素敵なイラストが出てきますが、全て彼女の作。キラキラが溢れ出ていますね。そういえば、天使って、本当は天使像とか形のあるものではむしろなくて、ふわふわキラキラっとした「魂」みたいなものでもあると思うんです。花でもデザインでも絵画でも写真でも言葉でも踊りでも歌でも詩でもなんでも良いから、方法にこだわらずにキラキラを表現し
ていきたいですね!Let’s express yourself!!! エンジェル・スマイルで、世界が満たされます様に!!!<br />
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<a href="https://2.bp.blogspot.com/-Z0Fq4dib0cI/WGaGHX9SiBI/AAAAAAAAA8k/_MmfkW_HfJkqfFir-UxEEEixT1s6_9TeQCLcB/s1600/15439741_10155573967689554_9131805088629803161_n%2Bcopy.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="513" src="https://2.bp.blogspot.com/-Z0Fq4dib0cI/WGaGHX9SiBI/AAAAAAAAA8k/_MmfkW_HfJkqfFir-UxEEEixT1s6_9TeQCLcB/s640/15439741_10155573967689554_9131805088629803161_n%2Bcopy.jpg" width="640" /></a></div>
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<photo by="" eri="" tatara=""></photo></div>
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そして、12月のクリスマス時期には、銀座5丁目の東急プラザ銀座のストラスブルゴにて、出版記念の展覧会をさせて頂きました。自分はミラノにいて、準備も任せきりでしたが、書斎に天使の写真を配置したような素敵な展示になっていたようです。人通りも多い外堀通りというところに面している路面店だそうです。足を止めて、店内で見てくださった方はもちろんのこと、通りすがりに「天使の写真」のウインドウディスプレイを撮影していた方々もいたそうです。 そんな報告を聞くと、多少なりとも天使を日本に届けられたという感触が得られたように思えます。<br />
<a href="http://strasburgo.co.jp/floor/mens/news/2016/12/-portraits-of-angels.php">http://strasburgo.co.jp/floor/mens/news/2016/12/-portraits-of-angels.php</a> <br />
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写真書籍はアマゾンなどのネット書店のほか、全国の書店にて取り扱いになっています。 <br />
<a href="https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E4%BD%BF%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F-%E4%BB%81%E6%9C%A8-%E5%B2%B3%E5%BD%A6/dp/4391149818">https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E4%BD%BF%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F-%E4%BB%81%E6%9C%A8-%E5%B2%B3%E5%BD%A6/dp/4391149818</a><br />
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次回は、「なぜ天使をテーマに写真を撮ってきたのか」と「月と天使の不思議な関係」に 関してアップしたいと思います!!!<br />
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Web Leon 連載「仁木岳彦のイタリア日記」から転載加筆させて頂きました。<br />
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<br />Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-37545273622169688442016-08-15T23:11:00.000+02:002020-06-19T22:26:23.076+02:00サンティアゴ巡礼路 「歩くだけという、 究極にシンプルな旅」 <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://3.bp.blogspot.com/-0-B1KCcdB4k/V7SqgZdK3hI/AAAAAAAAA7Y/giuH4KDXamYqq67P5peoCsjD-Q8_dDAfwCLcB/s1600/040805.1107retouching.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="444" src="https://3.bp.blogspot.com/-0-B1KCcdB4k/V7SqgZdK3hI/AAAAAAAAA7Y/giuH4KDXamYqq67P5peoCsjD-Q8_dDAfwCLcB/s640/040805.1107retouching.jpg" width="640" /></a></div>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">聖地サンティアゴへの巡礼。最古の記録は951年にも遡り、世界で初めて出版された旅行ガイドブックは「サンティアゴ巡礼案内」だったとされる。大ブームが起こった最盛期の12世紀には年間50万人が巡礼に挑戦したという記録があるそうだ。</span><br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-weight: 500;">1993年には、この巡礼路がユネスコ世界遺産に登録され、一度は廃れた巡礼路を再整備するキッカケとなった。東洋にはヨガなど体を使った教えがある。それと似た様なモノは西洋にはないかと探していた時に、</span> 女優シャーリー・マクレーンの著書「カミーノ」を読み、その存在を知った。その後すぐにパウロ・コエーリョの「星の巡礼」を読破。周りに経験者がいなく、巡礼の話を誰かに聞くこともできず、情報といえば、たった二冊の本しかなかったものの、<span style="font-weight: 500;">旅情をかきたてられるには十分すぎる理由が揃った。</span></span></span><br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-weight: 500;"><br /></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-weight: 500;"><span style="font-weight: 500;">そして2004年の夏、意を決し、すべての他の予定をキャンセルして断行。</span><span style="font-weight: 500;">7月末の満</span><span style="font-weight: 500;">月の日の早朝、スペインとの国境に近い、フランスのバスク地方の街サン・ジャン・ピエ・ドゥ・ポーを出発した。バックパックを背負い、カメラを携え、巡礼の証であるホタテ貝を身に着け聖地を目指し歩いた。</span></span></span><br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-weight: 500;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-weight: 500;"><br /></span></span>
<span style="font-weight: 500;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-weight: 500;">ピレネー山脈を越え、約1カ月掛け北スペイン約800kmを徒歩で横断。巡礼中は高揚して、急に至福感に襲われたり、泣きたくなる衝動を感じたりした。山では夏だというのに息が白くなるほど寒く、平野ではスペインの太陽に焼かれ脱水症状で倒れそうにもなった。この旅で初めて、カメラがこんなに重いものだという事を思い知った。道中には巡礼で命を落とした人々の墓碑が数多くあり、そのひとつに日本人のものがあったのが忘れられない。私は旅の最中、日本仏教の聖地である高野山の寺院で頂いた線香を毎日焚き、自分なりの祈りを表現し続けた。</span></span></span><br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-weight: 500;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-weight: 500;"><br /></span></span><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;">大聖堂に到着できれば、さして難しいルールもなく、「</span><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;">歩くだけという、究極にシンプルな旅」。</span><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;">宇宙や地球に比べればあまりにも小さい自分が、万物とつながっている一体感。街で暮らす日常からは想像しえない感触を得ることができた。</span></span><br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif;">スペイン北西にある聖地サンティアゴ・コンポステーラに到着した時は、その到達感の喜びもひとしおだったものの、巡礼の答えは、その道中ですでに見つけていた。巡礼を通し、聖なる存在は教会だけではなく、自然の中や、そこら中の身近にいることを実感し、到着前にすでに満たされた気分になっていたのだ。</span></span><br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><br /></span></span>
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;">巡礼中、ずっと自分につきっきりでいてくれる見えない存在を感じた。私はその存在を守護天使と呼び、ぶっ飛んだ対話を楽しんだ。もちろん、歩き疲れのせいで、気が触れていただけなのかもしれない。ただ、その充実感はひれ伏したいほどに確かなものだったのだ。</span></span><br />
<br />
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">
</span>
<br />
<div class="page" title="Page 1">
<div class="section">
<div class="layoutArea">
<div class="column">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-size: x-small;"><span style="font-weight: 300;"><br /></span></span></span>
</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://3.bp.blogspot.com/-UgeRjb1Ppe4/V7InqyRfp0I/AAAAAAAAA6w/gjxPELYikMoXUKIcmcHt6PYJ3unfpTT6wCLcB/s1600/040731.1054.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="223" src="https://3.bp.blogspot.com/-UgeRjb1Ppe4/V7InqyRfp0I/AAAAAAAAA6w/gjxPELYikMoXUKIcmcHt6PYJ3unfpTT6wCLcB/s320/040731.1054.jpg" width="320" /></span></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">Day 1 最初の難関ピレネー山脈。フランスとスペインの国境に十字架が。</span></div>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-size: x-small;"><span style="font-weight: 500;"><br /></span></span></span>
</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://2.bp.blogspot.com/-1O327GnQzM4/V7InpCDEJsI/AAAAAAAAA6o/45bsP2w0RPktnDRlEBW3DCtbUdnwjGDXwCEw/s1600/040810.2042.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="278" src="https://2.bp.blogspot.com/-1O327GnQzM4/V7InpCDEJsI/AAAAAAAAA6o/45bsP2w0RPktnDRlEBW3DCtbUdnwjGDXwCEw/s400/040810.2042.jpg" width="400" /></span></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">Day 2 教会内に設けられた巡礼者専用のベットルーム。満員の日は寝袋で床に寝る。</span></div>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-size: x-small;"><span style="font-weight: 500;"><br /></span></span></span>
</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://4.bp.blogspot.com/-avx3zvgA7ls/V7InqsrxgTI/AAAAAAAAA6s/cCJfRA-E3WoUn1hG9BzPkZzXMnaTBGZCgCEw/s1600/040808.1911.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="223" src="https://4.bp.blogspot.com/-avx3zvgA7ls/V7InqsrxgTI/AAAAAAAAA6s/cCJfRA-E3WoUn1hG9BzPkZzXMnaTBGZCgCEw/s320/040808.1911.jpg" width="320" /></span></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">Day 9 様々なマリア像に出会う。信仰深い巡礼者は静かに祈りを捧げていた。</span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></div>
<div class="page" title="Page 1">
<div class="section">
<div class="layoutArea">
<div class="column">
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-OII0ZBJB9Ho/V7InPdjj6II/AAAAAAAAA6Y/_xaaAhL1eccAuO0q4VTwFJnoAD4hIJK8gCK4B/s1600/040813.1054.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="446" src="https://1.bp.blogspot.com/-OII0ZBJB9Ho/V7InPdjj6II/AAAAAAAAA6Y/_xaaAhL1eccAuO0q4VTwFJnoAD4hIJK8gCK4B/s640/040813.1054.jpg" width="640" /></span></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">Day 14 巡礼の中盤は、緩い高低差がある平野。黄金色の麦畑が続く。</span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://1.bp.blogspot.com/-44lZG87vpVM/V7Inu5dh5OI/AAAAAAAAA64/rWyGhCstf2MlVTdhbi6Lk7FrvgXjlT5VACEw/s1600/040813.1139.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="223" src="https://1.bp.blogspot.com/-44lZG87vpVM/V7Inu5dh5OI/AAAAAAAAA64/rWyGhCstf2MlVTdhbi6Lk7FrvgXjlT5VACEw/s320/040813.1139.jpg" width="320" /></span></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">Day 15 同じようなリズムで歩く巡礼者とは仲間になる。</span><br />
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">彼らの笑顔は旅の励ましとなった。</span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">宗教的な理由での巡礼者はむしろ少数で、多くは夏のアドベンチャーとして楽しむ。</span></div>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://1.bp.blogspot.com/-hTptGapWWAM/V7InxYUDszI/AAAAAAAAA68/0EM5zqMC2igBCReWYfjRPUf283v9NuxkQCEw/s1600/040815.1209.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="223" src="https://1.bp.blogspot.com/-hTptGapWWAM/V7InxYUDszI/AAAAAAAAA68/0EM5zqMC2igBCReWYfjRPUf283v9NuxkQCEw/s320/040815.1209.jpg" width="320" /></span></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">Day 16 巡礼中は黄色い矢印に沿って歩く。この先には目的地の大聖堂がある。</span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://3.bp.blogspot.com/-7_rz_TzPPrc/V7InxlNXy-I/AAAAAAAAA7A/ttfkK7uHYUA2BKONK3CVWNLtMGHQ58yFQCEw/s1600/040819.1201.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="278" src="https://3.bp.blogspot.com/-7_rz_TzPPrc/V7InxlNXy-I/AAAAAAAAA7A/ttfkK7uHYUA2BKONK3CVWNLtMGHQ58yFQCEw/s400/040819.1201.jpg" width="400" /></span></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">Day 21 友人たちと語らいながらの巡礼も楽しいだろう。</span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">ただ、不思議と一人で歩く静けさで、孤独を感じる事はない。</span></div>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-size: x-small;"><span style="font-weight: 500;"><br /></span></span></span>
</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://3.bp.blogspot.com/-wPK9rU-WyEM/V7Ing7O7B3I/AAAAAAAAA6c/VSU2odeNDAkv6fW55qg_m4IQtiCrrTIKwCEw/s1600/040827.0812.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="444" src="https://3.bp.blogspot.com/-wPK9rU-WyEM/V7Ing7O7B3I/AAAAAAAAA6c/VSU2odeNDAkv6fW55qg_m4IQtiCrrTIKwCEw/s640/040827.0812.jpg" width="640" /></span></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-size: xx-small;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large; font-weight: 500;">Day 28 聖地近くの森の中で、神々しい光彩の巡礼者に注いでいた。</span></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://3.bp.blogspot.com/-gaxb1O_Nw5M/V7IniL6JQPI/AAAAAAAAA6g/wYohN-HYD98nnUUClib-i9JqhR71QFxewCEw/s1600/040829.2347.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="223" src="https://3.bp.blogspot.com/-gaxb1O_Nw5M/V7IniL6JQPI/AAAAAAAAA6g/wYohN-HYD98nnUUClib-i9JqhR71QFxewCEw/s320/040829.2347.jpg" width="320" /></span></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">Day 30 旅の終着点、サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂。</span><br />
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">カトリック三大巡礼地の一つとされる。</span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></div>
</div>
<div class="column">
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://4.bp.blogspot.com/-_nr9QH87oAk/V7IniN6YDvI/AAAAAAAAA6k/JRUJdQOfbjgI2ENTD7XXpTxB71SNTFzIwCEw/s1600/040901.1357.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><img border="0" height="223" src="https://4.bp.blogspot.com/-_nr9QH87oAk/V7IniN6YDvI/AAAAAAAAA6k/JRUJdQOfbjgI2ENTD7XXpTxB71SNTFzIwCEw/s320/040901.1357.jpg" width="320" /></span></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">The Last Day 大聖堂内の巡礼達。それぞれの思いが交差している。</span><br />
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">むせび泣く人の姿も見かけた。</span><br />
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></div>
<a href="https://1.bp.blogspot.com/-QeO2slrlNC8/V7HhH6ArufI/AAAAAAAAA6E/GMS-Zml2_xARBqQuroU7TYtZ0JjrrLPcQCEw/s1600/img159.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="140" src="https://1.bp.blogspot.com/-QeO2slrlNC8/V7HhH6ArufI/AAAAAAAAA6E/GMS-Zml2_xARBqQuroU7TYtZ0JjrrLPcQCEw/s200/img159.jpg" width="200" /></a><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: x-small;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-size: xx-small;"><span style="font-size: large; font-weight: 300;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;">雑誌「ローリングストーン日本版」</span></span></span></span></span><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;">2009年3月号に掲載したフォトエッセーを、加筆転載させて頂きました。</span></div>
</div>
</div>
</div>
<br />
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: small;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: medium;"><br /></span></span></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: medium;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></span></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: medium;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></span></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: medium;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></span></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: medium;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></span></span>
<span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: medium;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;"><span style="font-family: "verdana" , sans-serif; font-size: large;"><br /></span></span></span></div>
</div>
<div class="layoutArea">
<div class="column">
<div class="page" title="Page 1">
<div class="section">
<div class="layoutArea">
<div class="column">
<br />
<span style="font-size: small;">
</span></div>
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<span style="font-size: small;">
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Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-24178194108259757752016-05-27T12:34:00.000+02:002016-06-02T12:58:54.832+02:00エルサレムで出会った白い光と、聖母マリア。<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://4.bp.blogspot.com/-5VDFT7je4vo/TGans9tojHI/AAAAAAAAANE/GPMOrLHZ0oEb_n-m_70HDn0lc-4eaXDlw/s1600/santa%2Bmaria%2Bjerusalem-b750.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="446" src="https://4.bp.blogspot.com/-5VDFT7je4vo/TGans9tojHI/AAAAAAAAANE/GPMOrLHZ0oEb_n-m_70HDn0lc-4eaXDlw/s640/santa%2Bmaria%2Bjerusalem-b750.jpg" width="640" /></a></div>
<br />
僕のスピリチュアルな旅は、20代の半ばで訪れたイスラエルから始まったのだと思います。「西洋美術や世界の政治を理解するには、まずは、歴史の交差点イスラエルへ行ってみるしかない!」実は、そんな好奇心だけが旅の動機だったのです。<br />
<br />
古都エルサレムでは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地の距離感が想像以上に近く、ほとんど重なるように存在している事に驚きました。土地のエネルギーがよっぽど強いのでしょうね。例え宗教と言うモノが世界からなくなったとしても、根っからの永遠の聖地なのだと思います。物見遊山でそれぞれの祈りの場を訪ねて体感してみました。<br />
<br />
宗教心もなく興味本位だったにも関わらず、どういうわけかキリスト教の古い教会で不思議な事が起こりました。聖母マリア像の近くにいたのですが、全く突然に、むせび泣く様に泣き崩れてしまったのです。柔らかで暖かな光に四方八方から包まれた様に感じました。<br />
雲のようにフワフワで白く大きな存在と表現しても良いかもしれません。果てしない無限の愛との一体感が嬉しくて、すべての感情が吹き出していた感じでした。5分泣いていたのか1時間泣いていたのか時間の感覚もなく、後にも先にも、あのような100%の幸福感は味わったことがありません。そして、今までの人生のどんな旅も、その白い存在が一緒で、決して孤独ではなかった事も知りました。<br />
<br />
巡礼地の教会というのは、たくさんの旅人が行き交うために騒々しく、清々しい雰囲気などありません。そんなザワザワした人々の動きを涙ごしに眺めながら、異次元の白い光の世界を同時に見ていました。矛盾なく二つの平行世界が同居していたのです。探し求めていたわけでもないのに、多分、僕はある種の神秘体験をしたのでしょう。<br />
<br />
そして、当時住んでいたニューヨークのアパートに戻り、旅の白黒フィルムを現像してみて、また驚きました。聖母マリア像の額の第三の目が光り、目も涙で濡れている様にも見える、不思議で生々しい表情の写真が浮かびあがってきたのです。<br />
<br />
聖堂内のろうそくの光などが、偶然に反射しただけなのだと想像します。撮影時は泣きじゃくっていたせいか、その反射に気がつかなかったのです。とはいえ、聖母マリア像の両目への光の反射が涙をためているような表情を演出し、別の光が額の第三の目のところでバッチリと反射していたことになります。そんな完璧な偶然は、そう簡単には起こらないはずなのです。その後、好奇心で似たような写真を意図的に撮ろうと何度も試みましたが、全く似ても似つかない写真しか撮れませんでした。<br />
<br />
この白い光との出会いの体験をしてから一年以上、この出来事を誰にも話すことができませんでした。何をどう話していいのかわからなかったのです。そして、何年も後になって、その教会がエルサレム聖墳墓教会と呼ばれ、僕が号泣した辺りが、イエス・キリストが十字架で磔刑にされて亡くなったゴルゴダの丘とされている事を知りました。<br />
<br />
聖母マリア像の写真ですが、額の第三の目のチャクラ周辺が光っているために、東洋の仏像のように見える事が長年気になっていました。西洋の聖母マリアでありながら、東洋の観音菩薩にも見える不思議な写真。実際は聖母も観音も、宗教を超えた世界では同じ存在なのかもしれません。ただ単に、西洋と東洋の女神の解釈の違いなのではないでしょうか。いずれにせよ、この写真の偶然を必然と捉え、いつかスピリチュアルな視点で、西洋と東洋の「橋渡し」や、様々な「際」を外していくような仕事がしてみたいと願うようになりました。<br />
<br />
エルサレムへの旅行を境に、少しづつ異次元世界の存在を信じるようになり、人生の目的自体、ひっくり返ってしまいました。号泣した時に目の前にいた聖母マリアを、自分の人生のボスと思うようになりました。地球上のすべてに反抗したとしても、聖母マリアには従順でありたいと思ってしまうのです。<br />
<br />
しかし、あの白い光は、何だったのでしょうか?聖母マリア自身?もしくは彼女から送られてきたメッセンジャーの天使だったのかもしれません。<br />
<br />
この写真を見るたびに思います。一体、聖母マリアは僕に何を伝えたかったのでしょうか?Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-12476346438656307532015-12-29T23:01:00.000+01:002016-02-03T17:48:46.309+01:00矛盾を縫い合わす妙薬としてのエスプレッソ<br />
イタリアも、日本同様に南北に長い地形ですが、「一律の美」を尊ばない人たちだからか、文化の地域差は日本以上に大きいように感じます。<br />
<br />
自分が住んでいるミラノから南下していくと、一番驚くのはなんといっても食事。南へ行けば行くほど、食事にかける時間と量が増えて行くのです。オモテナシ
の食事に呼ばれると、3時間は当たり前、10皿越えなんて事も。しかも、美味しいのでギブアップ気味なのに悲鳴をあげつつ、ついつい食べてしまうのです。
イタリアでも特に南の人は怠け者で有名ですが、食事を見る限りでは、とんでもない。要するに、怠けるポイントが違うという事なのでしょう。考えてみれば、
世界中で愛されているイタリア料理の定番、ピッザもパスタも南イタリアが発祥ですからね。 <br />
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<a href="http://3.bp.blogspot.com/-yOtGmzmdf58/VoLyDYXEl3I/AAAAAAAAA5A/h7S0KTTjaRA/s1600/_DSF0466_Snapseed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="212" src="http://3.bp.blogspot.com/-yOtGmzmdf58/VoLyDYXEl3I/AAAAAAAAA5A/h7S0KTTjaRA/s320/_DSF0466_Snapseed.jpg" width="320" /></a></div>
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そんな食事に付き物なのが、とめどないコミュニケーション。「テーブルでの会話は、棄権がありえない日々の闘いなんだ」とイタリア人の友人が言うのを聞いた事がありました。<br />
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そんなに知らない同士でも、上手に共通の話題を探してきます。例えば、「今年のバカンスはどうだった?」なんて、当たり障りのない、それぞれのバカンス自慢から始まります。「あそこの海は、こんなに綺麗だった」なんて話から、アフリカの砂漠や、日本などのエキゾティックアドベンチャーの話まで幅もあり、とにかく、それぞれがハッピーであれば良しとする感じ。<br />
<br />
僕らガイジン勢がいると、「ところでイタリア人って、どんなイメージがあるの?」と質問されたりもします。「シャツをはだけてカッコつけた男が、赤いオープンカーに乗って、女性に声かけているイメージかな」なんて、我々の一人が答えると、「そんな奴どこにいるんだ?」と大笑い、一気に盛り上がります。イタリア人の一人が、いかにイタリアのエレガンスが勘違いされているかの直感的な議論をぶちつつ、当たらずも遠くない我々の指摘を素直に聞き入れる人もいるカオスな状態になってきます。<br />
<br />
話題は脈絡なく変わっていき、ワインが効いてくると、日本ではタブーとされる「宗教、政治、スポーツ(イタリアでは主にサッカー)」などの話題になる事も。その頃には、それぞれの思想や贔屓チームの、論理なき意見対立が激しくなっていき、コミュニケーションの佳境に入っていくのです。<br />
<br />
地中海文明でも「La Verita ラ・ヴェリタ」、要するに「真理」は一つとされてるらしいのですが、テーブルでの議論ごときが「真理」に到達している事はあり得ないと言う前提なのでしょう。それぞれが自分の意見を直感的に表明するだけで、議論を一つにまとめる気配は全くありません。<br />
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<a href="http://4.bp.blogspot.com/-h_AIZ8Qw80Q/VoLyPcPL5aI/AAAAAAAAA5I/mJjWQEmM3Yc/s1600/_DSC7063%2Bcopy_Snapseed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="960" src="http://4.bp.blogspot.com/-h_AIZ8Qw80Q/VoLyPcPL5aI/AAAAAAAAA5I/mJjWQEmM3Yc/s640/_DSC7063%2Bcopy_Snapseed.jpg" width="640" /></a></div>
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料理と議論でお腹一杯で、いつ、どうやって食事が終わるのだろうかと心配になってくるのですが、そんなタイミングで、食事の最後につきものであるエスプレッソが、意味ありげにうやうやしく登場するのです。これが一応、暗黙の「締め」となり、静かなゴングの合図となります。エスプレッソが、ひと役買ってくれたおかげで、なんとも言えない、ほっと一息の瞬間がやってくるのです。<br />
<br />
ところで、イタリア製の洋服は非構築的で柔らかで色気があるとされています。なぜ、そんな特色がでるのでしょうか?一つ例をあげると、あえて縫いしろの長さが違う二つの布を縫い合わせる事があるんです。布は多少伸び縮みしますので、短い方の縫いしろを引っ張りながら縫うと、帳尻があうのです。そこにアイロンをかけると、布が微妙に引っ張り合い、テンションがかかって、見事な立体感となるのです。要するにイタリア服の秘密の元は矛盾。矛盾を縫い合わせているからこそ、色気があって随一なのです。彼らのコミュニケーションの思考回路にも通じるのが不思議です。<br />
<br />
食事の後のエスプレッソが、殊更美味しい理由がわかりました。過剰なオモテナシで我々がギブアップ状態の食事や、結論も脈絡もない議論など、洋服のように様々な矛盾のパーツを縫い合わす妙薬の役割を果たすのが、最後を締めるエスプレッソなんです。コーヒーの香りを楽しみながら「お前と俺は意見も違うけど、まあ良い奴だし、また今度食事しよう」と言った許し合いで、人間関係までも立体的に縫い合わさるわけ。終わりよければ、すべて良し。恐るべし、コーヒータイムですね。そんなコーヒータイムが、後で来る事を知っているからこそ、安心して食事中は好き勝手な議論になるのかもしれませんね。<br />
<br />
コーヒーの後は、帰り支度を始めるのも自然な流れ。話し足りない場合は、場外乱闘とも言える食後酒へ突入する事も。こちらは棄権が可能だそうで。。。<br />
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<a href="http://1.bp.blogspot.com/-5GGl8YrzIww/VoMAqShhP3I/AAAAAAAAA5Y/ghR0tQXoE9A/s1600/51QzjFVxlOL._SX380_BO1%252C204%252C203%252C200_.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="http://1.bp.blogspot.com/-5GGl8YrzIww/VoMAqShhP3I/AAAAAAAAA5Y/ghR0tQXoE9A/s320/51QzjFVxlOL._SX380_BO1%252C204%252C203%252C200_.jpg" width="244" /></a></div>
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雑誌「珈琲時間 2016年2月号」に掲載した文章を加筆転載させて頂きました。全国の書店、アマゾンなどで販売中です。<br />
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<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0170CLKC2/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B0170CLKC2&linkCode=as2&tag=kimidayo777-22" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img alt="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0170CLKC2/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B0170CLKC2&linkCode=as2&tag=kimidayo777-22" border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/--0BIuzjVfbE/VoMBVJOY4KI/AAAAAAAAA5k/5-MiAAC6ueI/s1600/amazon.png" /></a></div>
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<br />Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-70046638827759394312015-01-29T21:05:00.000+01:002015-02-03T10:37:17.416+01:00「死ぬことを忘れた長寿の島」エーゲ海に浮かぶイカリア島<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;">ギリシャ神話には、ニケやキューピッド、イカロスなど、天使のように羽のある神様が何人かいます。僕が今いるイカリア島はその名からも想像できる通り、イカロスと縁のある土地だそうです。</span></span><br />
<br />
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;">ライフワークのひとつが天使像の撮影でもある僕はそんな島の名前と、「老人が長寿で元気な島」という記事を読んで以来、このイカリア島に興味を持ちました。世界でも数か所しかない特別な長寿地域として、沖縄の一部やイタリアのサルデニア島山間部などと共に研究対象として選ばれているそうです。なんと、この島の長寿率は、欧州平均の10倍とも言われています。 </span></span><br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-HNfuinsU7ZI/VMqKMLjytHI/AAAAAAAAA04/ypcTHQXsB1c/s1600/_DSC1312%2Bretouched.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/-HNfuinsU7ZI/VMqKMLjytHI/AAAAAAAAA04/ypcTHQXsB1c/s1600/_DSC1312%2Bretouched.jpg" height="640" width="422" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-size: small;"><i>スーパームーンの満月の日に海を眺めていて</i></span></div>
<div class="page" style="text-align: center;" title="Page 2">
<div class="section">
<div class="layoutArea">
<div class="column">
<span style="font-size: small;"><i><span style="font-family: "GothicBBBPr5";">「できる限り長生きしたいなあ」と考えたりした。</span></i></span><br />
<span style="font-size: small;"><i><span style="font-family: "GothicBBBPr5";">確かに、そう思わせるくらいの地中海の絶景。
</span></i></span></div>
</div>
</div>
</div>
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-ZOOSkxWWl-I/VMqLspsvGyI/AAAAAAAAA1Y/AQXvWyyQOCQ/s1600/_DSC1773%2Bretouched_up.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/-ZOOSkxWWl-I/VMqLspsvGyI/AAAAAAAAA1Y/AQXvWyyQOCQ/s1600/_DSC1773%2Bretouched_up.jpg" height="209" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i> <span style="font-size: small;">猫のカップルの昼寝姿。</span></i></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-OS0NbIfsduM/VMqL1Z9IFTI/AAAAAAAAA1g/oy5s87mqYWM/s1600/_DSC1863%2Bretouched_Up.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-OS0NbIfsduM/VMqL1Z9IFTI/AAAAAAAAA1g/oy5s87mqYWM/s1600/_DSC1863%2Bretouched_Up.jpg" height="209" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">遠望する山の中腹に養蜂箱が並んでいた。</span></i></div>
<br />
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;">島をクルマで行くと、ヒッチハイクしている島民に頻繁に出会います。島全体にコミュニティー意識がみなぎっている様子。こんな仲間たちに見守られている感覚も、人生を豊かに謳歌するために重要なことなのかもしれません。</span></span><br />
<br />
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;">ホテルの朝食のパンやヨーグルトと共に味わう島内産の蜂蜜は、香りに複雑な深みがあって驚きました。地中海の太陽の恵みでしょうか。</span></span><br />
<br />
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;">ローマ時代には、ここに温泉場があって賑わったそうです。源泉は今でも現役で、公共の蒸し風呂が地元のお婆ちゃんたちの語らいの場になっていました。</span></span><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-GzXfO9pCn-A/VMqK5eDajjI/AAAAAAAAA1A/KPj1TaUTFJk/s1600/_DSC1084%2Bretouched.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-GzXfO9pCn-A/VMqK5eDajjI/AAAAAAAAA1A/KPj1TaUTFJk/s1600/_DSC1084%2Bretouched.jpg" height="640" width="420" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i> <span style="font-size: small;">街の広場にて、蒸し風呂で会話したお婆ちゃんに再会。</span></i></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-WAs1M2ACVyI/VMqL-CWyH_I/AAAAAAAAA1o/pdYM-LJsSTo/s1600/_DSC1809%2Bretouched.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-WAs1M2ACVyI/VMqL-CWyH_I/AAAAAAAAA1o/pdYM-LJsSTo/s1600/_DSC1809%2Bretouched.jpg" height="131" width="200" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"> </span></span><span style="font-size: small;"><i> 豪勢にフェタチーズをのせたギリシャサラダ。</i></span></div>
<br />
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;">島の南側に天然の露天風呂がある事を聞きつけて、早速行ってきました。海岸に摂氏60度近くもある熱い天然源泉が注がれ、海水と混じり合ってちょうどいい湯加減に。波の押し寄せ方によって、多少温度が下がったり上がったり一定でないのが、更に良い感じ。海水のワイルドな揺らぎに身をゆだねつつ、地中海を最高の気分で眺めてきました。</span></span><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-umLwiEELxWM/VMqLDg0cRcI/AAAAAAAAA1I/fjhqpwyzy1Q/s1600/_DSC1116%2Bretouched.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-umLwiEELxWM/VMqLDg0cRcI/AAAAAAAAA1I/fjhqpwyzy1Q/s1600/_DSC1116%2Bretouched.jpg" height="211" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-size: small;"><i>海岸の石が赤いのは、温泉の色。</i></span><br />
<span style="font-size: small;"><i>源泉近くは日本の銭湯並みに熱く、良い湯加減な場所を自ら探す。 </i></span></div>
<span style="font-size: small;"><span style="font-family: inherit;"><br /></span></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-EUJUvOa_TTY/VMqLUL0A9II/AAAAAAAAA1Q/mKKs_SvftPQ/s1600/_DSC1433%2Bretouched.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-EUJUvOa_TTY/VMqLUL0A9II/AAAAAAAAA1Q/mKKs_SvftPQ/s1600/_DSC1433%2Bretouched.jpg" height="262" width="400" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-size: small;"><i>コーヒーの粉の触感も魅力。大概、頼まなくても水がついてくる。</i></span></div>
<br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;">街の広場にはカフェテリアが軒を連ねています。日陰のテーブルに座ってみました。入浴後の心地よい疲労感にギリシャコーヒーのほろ苦さが効きます。
オーダーの際に砂糖の量を聞かれます。フィルターで漉さないので、作る時にコーヒー粉と砂糖を同時に入れてしまうんです。粉がカップの底に沈
むのを悠長に待ってから、のんびりと飲むのです。</span></span><br />
<br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;">読んだ記事によると、老人が元気な地区ではコミュニティー意識の高さや野菜をふんだんに使った食生活、歩行を始めとする運動が自然に生活に組み込まれていることなど、ライフスタイルに一定の共通点があるそうです。</span></span><br />
<br />
<span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;">それに、この島の場合はきっとあの香り高い蜂蜜やほろ苦いギリシャコーヒー、それに温泉や地中海の絶景などの刺激が、長寿に良い影響を与えているのでは・</span></span><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;">・</span></span></span></span><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;">・</span></span></span></span></span></span><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;">・</span></span></span></span></span></span></span></span><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;">・</span></span></span></span></span></span>などと</span></span>僕は想像しています。</span></span><br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<i></i></div>
<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-lYCKeE6sxTA/VMqT-JjzXEI/AAAAAAAAA2A/azdIWL5A9_o/s1600/coffee_201502_l.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-lYCKeE6sxTA/VMqT-JjzXEI/AAAAAAAAA2A/azdIWL5A9_o/s1600/coffee_201502_l.jpg" /></a></div>
<a href="http://taiseisha.jp/">雑誌『珈琲時間』2015年2月号から、転載加筆させて頂きました</a><a href="https://www.blogger.com/null">。</a><br />
<a href="http://taiseisha.jp/">全国の書店、アマゾンなどで販売中です。 </a><br />
<br />Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-84319843534614826022014-09-15T12:34:00.002+02:002020-05-08T22:57:43.687+02:00ヨガ瞑想と、螺旋の蛇「クンダリーニ」<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: large;"><b>螺旋のくねりと瞑想</b></span></span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">僕の場合、ライフスタイルが、趣味とプライベートと仕事で渾然一体と混沌としているからか、熱意をもって習い事などに取り組む事が、どうもなかなか難しい。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">そんな中で、唯一続いているのは「ヨガと瞑想」。15年以上も続いている。さほど上達する訳でもなく、なにか目標があるわけでもないのだが、カラダが欲するので、とにかく続いているのだ。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ニューヨークに住んでいた20代、写真の勉強が一段落した頃、撮影を通して、肉体とその見せ方にも興味があり、ダンススクールに通っていた時期があった。全身を使って表現活動するダンサーに、とかく憧れていたのだ。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ダンサー達の生活を見ていて、彼らがステップを踏む前に、肉体のチューニングに多大な時間をかける事を知った。その頃、ダンススクールで出会ったのがヨガ。多数のダンサーが、単なるストレッチではないヨガの重要性を感じていた様子だった。ダンサー達に混じってのヨガは、ひたすら自分の体の硬さが際立ったものだ。どんなポーズをしてみても、自分の目線が他のダンサーよりも数段高くて、自分が不器用な熊になった様な気分だった。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-3WKWPC6MAwo/VBa_4gsYUuI/AAAAAAAAAz8/q1Yggf13aVU/s1600/img106.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="271" src="https://4.bp.blogspot.com/-3WKWPC6MAwo/VBa_4gsYUuI/AAAAAAAAAz8/q1Yggf13aVU/s1600/img106.jpg" width="400" /></a></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><i><span style="font-size: small;">ウォーミングアップ中のダンサー</span></i></span></div>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ダンススクールのヨガのクラスを何年か続けていた頃、それだけでは物足りなくなり、マンハッタンのチェルシー地区にあったインド系ヨガ道場の門を叩いた事があった。そこは祭壇などもあって、いかにもそれらしい雰囲気があった。特別な呼吸法も教えてくれて、アクロバットなポーズも教えてくれた。元々、ダンススクールのヨガのベースがあっただけに、技の取得は簡単だった。メソッドが確立されていて、先生方に長年の経験がなくても、マニュアルに従って教えられるシステムになっていた。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">そして、僕が、そのヨガ道場の数回目のクラスを終えた後、不思議な事が起こったのだった。帰り道、信号で待っていると、腰の辺りが上から見て時計回りに勝手にくねりだしたのだ。そして、チェルシーホテルの隣のビルにあった写真スタジオに戻るために、エレベーターを待っていた時も、また、同じ様に腰の辺りに時計回りの螺旋のくねりを感じるのだった。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">「なんだ、なんだ?俺は狂ってしまったのだろうか?」</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">と自分を疑った。不動の地に立っているはずなのに、自分一人で勝手に、腰の辺りでバランスを取っている様な感じだった。歩いている時にはなにも感じないのに、信号待ち、エレベーター待ちなど、立ち止まると、その動きを感じるのだった。もの好きで好奇心旺盛な僕は、その時、ひらめいたのだった。静かにすればするほど、その動きを感じるのだから、、、</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">「座ってみよう!」</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">それが初めての瞑想の体験だった。完全に我流で、どこかで見た様な瞑想座禅のポーズで座ってみた。すると、その時計回りの螺旋の動きは、俄然、活発化した。普段は、僕たちが動く時は、脳が命令して筋肉を動かして、何かの目的を達成する事が多い。しかし、その時は、自分の意思はおろか、筋肉さえも使わずに、背骨の一番下辺りから、込み上げるエネルギーを源に動いている感じだった。その螺旋のくねりは、座っていられないほど強烈な動きで、上からみると必ず時計回りだった。そして、反時計回りには絶対に動かないのも不思議で仕方なかった。不思議な体験に、僕は無邪気に歓喜していた。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-uOqLcVvFNOU/VBW1g-rBNFI/AAAAAAAAAy8/T3xCJdigxro/s1600/_DSC4520%2Bcopy%2B2_Snapseed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://1.bp.blogspot.com/-uOqLcVvFNOU/VBW1g-rBNFI/AAAAAAAAAy8/T3xCJdigxro/s1600/_DSC4520%2Bcopy%2B2_Snapseed.jpg" width="320" /></a></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i> ガンジス川のほとり</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>早朝の瞑想者 </i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span></div>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: large;"><b>クンダリーニとは。</b></span></span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">数日後、書店に駆け込んで、ヨガや精神世界の本を探してみた。入門書には全く興味が涌かず、ヨガとチャクラの難解な専門書を買ってみた。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">その本を読み進めるうちに、探していた一行が見つかったのだった。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ーーー生命の根源エネルギーとも言える「クンダリーニ」は、蛇の形をして、背骨の付け根に時計回りにとぐろを巻いて、普段は眠っている、、、、ーーー</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">「なんと、時計回りと書いてあるではないか????」</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-LAmT_gP1rus/VBW2UQ3vSvI/AAAAAAAAAzA/DNohzNVh86Q/s1600/IMG_6213.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://3.bp.blogspot.com/-LAmT_gP1rus/VBW2UQ3vSvI/AAAAAAAAAzA/DNohzNVh86Q/s1600/IMG_6213.JPG" width="640" /></a></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i> よく見ると、ミラノのドゥオモ大聖堂の丸い天窓に、</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>三つ巴にも似た、「時計回り」にまわる勾玉風のデザインを見つけた。</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: x-small;"><i><span style="font-size: small;">この広場を通る度に、つい気になって、魅入ってしまう。</span> </i></span></span></div>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ただ、クンダリーニは鍛錬をして、少しづつ目を覚ますエネルギーであると書いてあった。嬉々として、友人達に自分の体験を語ってみた。みんな面白おかしく「相変わらず、変わり者だなあ」と呆れた感じで話を聞いてくれた。そんな中で一人だけ、「その話、私の瞑想の先生に聞いてみるわ」と言ってくれた友人がいたのだった。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">そして、瞑想の師曰く、「その彼をすぐに連れていらっしゃい」との事。僕も自分の疑問解決の為、すぐに瞑想の師に会いに行き、早速、瞑想を習う事に。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">そこで習った数々の教えと、初期段階で正しい方向に導いてくれた事には、未だに感謝している。師によると、僕の場合、その時計回りの動きは軸を失って、全横方向にブレまくっているので、クンダリーニのエネルギーに「酔っている」状態なのではないかと言う事だった。クンダリーニ覚醒によるエネルギーは、時計回りなのは正解なのだけれども、その動きは、目に見えないくらいに微細であるべきで、しかも天と地に向かって、もっと縦方向に伸びる様なものでなくてはならないとの事だった。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: large;"><b>「書き言葉」と「話し言葉」の教え</b></span>。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ところで、密教と言うのは、相手のレベルによって、教えや話のレベルを変化させて、「口伝え」を重視する教えだ。だから、レベルに合わない書物や教えも、遠ざけなければならない。だから、秘密な部分もあるわけだ。レベルの低い人が、レベルの高い教えを無闇に読んだりすると勘違いを起こす可能性が高いと言うのが密教の「話し言葉」を重視するロジックだ。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">僕が試しに通ってみたインドヨガ道場は、初心者の僕にも呼吸法やアクロバティックなポーズをシステマチックに教えてくれた。指導者に長い経験も必要なく、要するに、マニュアルのヨガポーズのパターンを、養成コースの短い時間で習得して、教えてくれていたのだ。このマニュアル文化は「書き言葉」を重視しているロジックと言えるだろう。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">その時計回りの螺旋のくねりの動きに関しては、そのマンハッタンのインドヨガ道場の先生達にも質問してみた。しかし、</span><span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">彼らのレッスンの後に、その動きを感じたのにも関わらず</span>、誰も納得のいく答えをくれなかった。本当はカラダ全体を少しづつ覚醒していく必要があるのに、いきなり高度な技を教えてもらい、しかも簡単に習得してしまったために、クンダリーニの一部がバランス悪く、一時的に目覚めたと言う事だろう。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">瞑想の師によると、そのまま、時計回りの動きを無闇に楽しんでいたら、心身のバランスを崩していただろうという話だった。振り返ると、その頃の僕は、線が細いまま、感性が尖ってしまっていて、なんとも脆い感じだったのだ。それからと言うもの、自身のアンテナの先は針の様にとんがっていても、円錐の様に底はどっしりとした安定感になるように、地に足が着いたスピリチュアルな感性を鍛える訓練をしていく事とした。早い段階で、方向性を改める事ができてラッキーなケースだったと言えるだろう。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ヨガや瞑想も侮れない。十分にその教えの深さを理解していないと、良い方向にも悪い方向にも作用するだろう。そして、「書き言葉」のロジックの危険性を思い知ったのだった。初心者にもマニュアル通りに高度なテクニックを教えてくれたのが、僕を必要以上に刺激したのだ。「書き言葉」では、すべてを説明する事はできない。そして、書物やマニュアル、単純化したメソッドから勉強するだけでは、絶対に習得できないモノもある。無限の方向性とレベルが考えられるヨガや瞑想などは、師について「話し言葉」のロジックの「口伝え」を通して、学ぶべきだと思うのだ。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ミラノで、とぐろを巻く蛇のデザインを見つけた。自分のカラダが内包していた動きが、
見事にシンボル化されているのだから、初めて気がついた時は、本当に驚いたものだ。救急車には「アクレピオスの杖」、薬局には「ヒュギエイアの杯」と言う
ギリシャ神話に由来するシンボルが描かれているのだ。ギリシャ神話でも、螺旋の蛇のくねりは、「生命の源」と理解されていたのだと、僕は確信している。いにしえの英知が、身近なところに描かれていて、僕は観る度にハッピーになる。日本でも、「アクレピオスの杖」が描かれた救急車があるようだ。救急車を見かけた時は、是非とも注目してみて欲しい。 </span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-54_SRJIT1So/VBW49LDCoFI/AAAAAAAAAzM/Ly7Ng1u8eW4/s1600/IMG_6181.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://1.bp.blogspot.com/-54_SRJIT1So/VBW49LDCoFI/AAAAAAAAAzM/Ly7Ng1u8eW4/s1600/IMG_6181.JPG" width="400" /></a></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>ギリシャ神話に登場する名医アクレピオスは、蛇が絡まった杖を持っていたと言う。</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i> 「アクレピオスの杖」は医学のシンボルとして、</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>WHO(世界保健機関)、軍医や衛生兵、そして、各国の救急車などに使われている。</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>西洋でも東洋でも、生命の源のイメージが似ていると言えるのではないか?</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>僕のカラダにも内包されていた螺旋の動きが、</i></span></span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>ミラノ市街を走る救急車に描かれていたのだ。</i></span></span></div>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-Q8I1-2C5ym0/VBYbbOES2EI/AAAAAAAAAzc/C1MUC8BXMuE/s1600/IMG_6299.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://3.bp.blogspot.com/-Q8I1-2C5ym0/VBYbbOES2EI/AAAAAAAAAzc/C1MUC8BXMuE/s1600/IMG_6299.JPG" width="400" /></a></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i><b> </b> ギリシャ神話で、ヒュギエイアは名医アクレピオスの娘。</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>彼女が持っていたのが「ヒュギエイアの杯」。</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>こちらは薬学のシンボル。</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>ヨーロッパの薬局の看板などに良く使われている。</i></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><i><br /></i></span></div>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><b><span style="font-size: large;">地球とコリオリ。</span></b></span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">螺旋のくねりの動きが、決まって時計回りだったのは、地球の自転が体に影響を与えているのではないかと、僕は勝手に結論づけている。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ところで、我々が日々使っている「時計」が、右回りなのは、北半球の日時計の動きに由来する。南半球では、日時計の影は左回りに回るのだ。我々が毎日使っている時計が右回りなのは、時計が北半球で起こった文化だからだ。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">それとも関係があるのだが、「コリオリ」と呼ばれる物理の法則に、自分の体が反応していたのではないかと思うのだ。例えば、水瓶に水を張って底に穴を開けると、北半球では、水は反時計回りに回りながらに落ちていく。対して、南半球では、その逆に時計回りで落ちて行き、赤道直下では水は回ることなく落ちて行く。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">そんな水の動きにも見られる様に、重力には、多少なりとも回転がかかっているのだ。「空」を体験すると、その重力の微細な回転を感じて、カラダがバランスを取るのではないだろうか?それをクンダリーニエネルギーと呼んでいるのだろう。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">だから、もし、インド文明が南半球で起こったなら、クンダリーニは反時計回りに蛇がとぐろを巻いていたと解釈されていた可能性もある。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><b><span style="font-size: large;">瞑想で束ねられるカラダ、キモチ、アタマ。 </span></b></span> <br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">そして、僕の少ない経験と理解の範囲では、ヨガのエキササイズでのカラダのチューニングが、瞑想の方向性を決定づけている。僕の瞑想は、体を駆け巡るエネルギーを注視しているだけで、その情報があまりに多く、アタマからの雑念が浮かばないと言うタイプだ。ヨガでカラダを動かしていない時期は、瞑想もうまくできない。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">自分を「アタマ」、「キモチ」、「カラダ」と、三つのパートに分けて考えて見る。僕は何かに迷った時は、「アタマ」の論理や「キモチ」の情動よりも、「カラダ」の情報に委ねる事にしている。もし、「アタマ」からの情報に従って動くと、経験上、低次元なスパイラルにはまっている自分にもがく事になる。理想としては、「カラダ」からの饒舌な情報に、まずは「キモチ」を、そして「アタマ」を順応させていく感じだ。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">単純化しすぎかもしれないが、「カラダ」と「キモチ」と「アタマ」を一体化する事が、すなわち幸福の原点なのではないかと感じている。そして、僕の場合は、それらを一体化して束ねる作業が、何を隠そう瞑想なのである。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">個人的にも社会的にも様々な場面で、我々は、「カラダ」や「キモチ」から切り離した、「アタマ」の情報で決断している事も多いだろう。そして、その「アタマ」からの情報は、世をスピード感をもって発展させる事ができても、それを歪んだ形に発展させている原因ではないかと、僕は思っている。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><b><span style="font-size: large;">突然、柔らかくなったカラダ</span></b></span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">あと、もう一つ関連する事で、面白い出来事があった。僕は学生時代から、ダンサーの写真をずいぶんと撮影した経験がある。ある時、ダンスの舞台を撮るだけではなくて、、、自分も振り付けに関わりながら写真撮影をした事があった。要するにダンスの舞台などを客観的に撮影するだけではなくて、僕も積極的に振り付けの指示をだして、撮影のためにダンスしてもらったのだ。撮影しているうちに、ダンサーとの息も完全にシンクロしていく。自分が踊っているかのような錯覚を覚えたりした。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-fzssARjdcFs/VBa0mbXCV1I/AAAAAAAAAzs/LWV0v4ejiuc/s1600/am18.jpeg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://3.bp.blogspot.com/-fzssARjdcFs/VBa0mbXCV1I/AAAAAAAAAzs/LWV0v4ejiuc/s1600/am18.jpeg" /></a></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><span style="font-size: small;"><i>彼が踊ると、なぜだか劇場全体の空気が揺れた。</i></span></span></div>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">不思議だったのは、その撮影の日を境に、僕の体が糸人形の糸が切れたように急に柔らかくなったのだった。日頃からヨガを欠かさない生活をしていたので、自分のカラダの硬さは熟知していた。どんなポーズがどれくらい出来て、どんなポーズがどれくらい出来ないかは、カラダで覚えていたはずなのに、ある日突然、床にべったりとカラダを沿う事ができるぐらいに、柔らかくなってしまったわけだ。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">多分、僕らの生活は必要以上に、アタマが限界を作ってしまっているのではないだろうか?「人生はこんなもんだ」、「人間の能力はこんなもんだ」、、、普段は色々な限界の壁を作って生きているのに、あの時は、その限界の壁を、撮影を通して超えてしまったのだろう。僕は、時に妙に素直な部分があるからか、ある意味では勘違いなのだが、撮影時にダンサーと一体化してしまい、アタマが作っていた限界の糸を、ぷっつりと切ってしまったのだろう。僕らのカラダが硬いのは、筋や腱などのカラダの細部が硬いだけでなく、アタマが硬い事の証拠に他ならないのだ。 </span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">僕らが、スポーツやダンスや音楽などのパフォーマンスを見て、うっとりするのは、そんな限界を少しでも超えようとする、彼らの集中力に感動しているのかもしれない。。。スポーツやコンサートを観る事によって、勘違いでもアスリートやパフォーマーになりきる事で何か、アタマの限界を破ってくれそうな気がするから、僕らは、繰り返し彼らを見に行くのではないだろうか。</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">糸人形の限界の糸をもっと切って、人生のステップを自由に踏みつづけたいと思う。アタマで作られた限界を、自分に押し付けない限り、カラダは、元来とても饒舌なものなのだ<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">。</span>もっと、その声に耳を傾けるべきではないか?<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ただ</span>、重要なのは、カラダの奥から込み上げてくる様な溢れるエネルギー<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">ほど大切なモノはないのに、</span>決してそ<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">のパワーに</span>酔ってしまってはいけないのだ。このバランスは、様々な場面に応用できるような気がしている。</span><br />
<br />Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-14810132642513789952013-07-16T00:10:00.000+02:002013-07-18T01:28:52.915+02:00ストリート観察のすすめ ミラノファッション<br />
あるストリートファッションのブロガーが、最もインスパイアされる街にミラノをあげたと聞いた。世界中の道端で、お洒落さんを追っかけて写真を撮っている人が言うんだから、説得力があるはず・・・・・。それ以来、僕もキョロキョロ観察しながら歩くことにした。<br />
<br />
世界の情報発信の中心地ニューヨークには住んだこともあるし、すべてが小洒落たパリにも何度も行ったことがある。そんな強豪を押しのけて、 我が街ミラノが世界一の座に輝くとは、いかなる所以か?<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-rvQN4ZBgS9g/UeRdk8UIkEI/AAAAAAAAApE/obz39XZmzQw/s1600/Claudia+on+the+bridge.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="http://4.bp.blogspot.com/-rvQN4ZBgS9g/UeRdk8UIkEI/AAAAAAAAApE/obz39XZmzQw/s640/Claudia+on+the+bridge.jpg" width="444" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: small;">乾いた太陽と相性が良いサマードレス</span></span><br />
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: small;">ベルトで腰回りのラインを見せるのがポイント </span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: small;">女優のクラウディア</span></span></div>
<br />
確かに流行の特別な服装をまとっているわけでもないのに、格好の良いミラネーゼが確かに結構いる。僕の観察の成果としての意見は、彼らが格好良い理由は多分、服のサイズが体に合っているからだろうということ。<br />
<br />
そういえば、近所にも、たくさんのお直し屋がある。需要があるからか、歩ける範囲内だけで5〜6軒。自分サイズにきっちり直した服は生地が体に綺麗に落ちて、服が立体的に見える。スーツなんかは当たり前、ジーンズも裾丈どころか幅も。。。ドレスだって絞れるところは絞って、Tシャツまで直す人もいるらしい。まあ、20世紀の大量生産がはじまる以前の時代には、一着ずつ縫っていたわけだから、直すくらい当たり前なのかもしれない。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-mVNgrFvZISI/UeRa_9SdJbI/AAAAAAAAAo0/wfyBudW1eYw/s1600/Saverio@CorsoComo.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="http://2.bp.blogspot.com/-mVNgrFvZISI/UeRa_9SdJbI/AAAAAAAAAo0/wfyBudW1eYw/s640/Saverio@CorsoComo.jpg" width="446" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: small;">新鮮な魚介料理で知られる<a href="http://www.ristorante13giugno.it/sito/">「Ristorante 13 Giugno」</a>の名物オーナー </span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: small;">サヴェリオさん ミラノを代表する伊達男の一人</span></span><br />
<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: small;">お店で自ら歌う事もあるエンターテーナー </span></span></div>
<br />
ちょっとおなか周りに貫禄が出て来たオヤジさんだって、それを隠すためにゆったり目の服を着るよりも、サイズの合った服を着た方がセクシーなのを知っている。対して女性も胸元やウエストを強調した服を来て、視線浴(?)にも慣れている様子。ギリシャ、ローマ文明から続く人間賛美、生の絶対肯定の地中海の思想に根ざしていると考えるのは大げさだろうか。<br />
<br />
そして、見られる感覚を研ぎ澄ませるには、道端の劇場の役割を果たすピアッザ(広場)が、一役買っている。街の中心や教会の前などには、ピアッザがあって、近くにはコーヒーやアペリティーボ(食前酒)を飲むためのバールなどがある。「じゃ、ピアッザにでも行こうか?」「何しに?」「人を見に、そして見せにいくためさ(Per vedere e farsi vedere)」などという言い方もあるとか。<br />
<br />
そんな人生を楽しむ人の生き方が、ブロガーをインスパイアしているに違いない。ミラノに来たら、ショッピングの合間に、ピアッザのバールの席に腰を下ろして、そんなミラネーゼを眺めてみてはどうだろう?<br />
<br />
<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-Pz1yn_cgYfQ/UeRZVYq5M_I/AAAAAAAAAoo/ZnfwsmoSsWU/s1600/988368_p.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="200" src="http://4.bp.blogspot.com/-Pz1yn_cgYfQ/UeRZVYq5M_I/AAAAAAAAAoo/ZnfwsmoSsWU/s200/988368_p.jpg" width="148" /></a></div>
全日空機内誌<a href="http://www.ana.co.jp/mediastation/magazine/new/">「翼の王国」</a><br />
<a href="http://www.ana.co.jp/mediastation/magazine/1305/index.html">2013年5月号</a>の巻頭コラムより加筆転載しました。Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-5172729403749331522013-06-29T10:22:00.001+02:002020-05-08T22:56:43.942+02:00撮影で垣間みたアルマーニの秘密<div class="hdg-type01-container">
<h2 class="hdg-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-weight: normal;"><i><b>想像さえ寄せ付けないバイヤー時代のアルマーニ</b></i> </span></span></span></h2>
<h2 class="hdg-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><span style="font-weight: normal;">モード界の帝王、ジョルジオ・アルマーニ(1934年7月11日生まれ/蟹座、動物占い:物静かなひつじ)は、マルチェロ・マストロヤンニやソフィア・ローレンなど往年の名優や、レナルドダヴィンチやボティチェリなどのルネサンスの芸術家と並んで、世界で最も知られているイタリア人の一人なのではないだろうか?ことファッションに疎い人でも、「アルマーニの名前だけは知っている」と言う人も多い。どうして、彼はこんなにも有名なのか?</span></span></span><span style="font-weight: normal;"><span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"> </span></span></span></h2>
<h2 class="hdg-type01">
<span style="font-weight: normal;"><span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"> </span></span></span></h2>
<h2 class="hdg-type01">
<span style="font-weight: normal;"><span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">驚くべき事に、彼がファッションブランド「GIORGIO ARMANI」を立ち上げたのは40歳を過ぎてからだという。
</span></span></span></h2>
</div>
<div class="block-fix">
<div class="lh-type01">
<br />
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">ミラノのデパート「リナシェンテ」のバイヤーだった頃の彼はどんな若者だったのだろうか?普通のミラノの若者同様に、友達と出歩いたりしていたのだろうか?そんな私たちの陳腐な想像力を全く寄せ付けないくらいに、彼のオーラは完全に「帝王ジョルジオ・アルマーニ」なのである。彼は30年の間にファッション界に大帝国を作り上げてしまった。
</span></span></div>
</div>
<div class="block-fix">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><br /></span></span>
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><br /></span></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-YVw__Hp5h7o/Uc6TFGqbCeI/AAAAAAAAAoI/5eIzHkLeXUs/s614/_1_news_article_center_002.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="278" src="https://4.bp.blogspot.com/-YVw__Hp5h7o/Uc6TFGqbCeI/AAAAAAAAAoI/5eIzHkLeXUs/s400/_1_news_article_center_002.jpg" width="400" /></a></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><i><span class="caption">若者がたむろするミラノの夏(写真:仁木岳彦)</span> </i></span></span><br />
<br />
<br />
<div style="text-align: left;">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><i><b>GiappoでSTILE ARMANIなもの</b></i></span></span></div>
</div>
<div class="lh-type01">
<br />
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">家具、食器、グラフィックデザイン……そしてもちろん洋服でも、とにかくシンプルで上質なミニマリズムを見つけたときに、イタリア人の若者が「GiappoでStile Armaniで格好いいね」と、口にしたりする。「Giappo」は若者のスラングで「日本っぽい」の意らしい。「日本っぽくって、
ちょっとアルマーニスタイルだし、行けてるね」という意味なのだろう。
</span></span></div>
<div class="lh-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">ミニマリズムの美の代名詞といえば、日本とアルマーニなわけだ。そんな言い方がされるくらいに、彼の美の哲学は人々に根付いてしまっている。その明確でダイレクトな美のメッセージは、世界中に受け入れられたと言っても良いだろう。
</span></span></div>
<div class="lh-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">ミラノにある「ARMANI
NOBU」という日本食レストランに行くと、経営者であるアルマーニ自身もたまに食べに来る。私も出くわしたことがあるのだが、彼のお出ましが、なんと言ってもこのレストランの最大のイベントと言っても良いだろう。帝王おでましのときは、客達が控えめにざわめく。しかし、そんなことは気にもせず、辺りを見まわして、曲がっているテーブルなどを几帳面な感じで自分で直していたりする。「実際に知られている通り、几帳面で、完璧主義者なのかもしれない。しかし、案外若い頃には苦労した人なのかもしれないなあ……」などと、私は勝手に思いめぐらしたりしたのだった。
</span></span></div>
</div>
<div class="block-fix">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><br /></span></span>
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><br /></span></span>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-mRY4U6cnvTU/Uc6T7ZylX0I/AAAAAAAAAoU/0cWPByGC1eg/s878/_1_news_article_center.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://1.bp.blogspot.com/-mRY4U6cnvTU/Uc6T7ZylX0I/AAAAAAAAAoU/0cWPByGC1eg/s640/_1_news_article_center.jpg" width="447" /></a></span></span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><i><span class="caption">GIORGIO ARMANI(写真:仁木岳彦)
</span><b>
</b></i></span></span></div>
<br />
<div class="lh-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><i><b>性能の良いラジオ、完璧なポートレート </b></i></span></span><br />
<br />
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">そんなジョルジオ・アルマーニのポートレート撮影のときには、うやうやしく付き人が何人もついてきた。付き人のボスが撮影に関して、細部に渡っていろいろと指図してくるのだが、私は聞くだけ聞いて、あまり気にしない事にした。アルマーニ自身との会話が普通に交されている以上、そちらを優先すべきだろう。なんと言っても、被写体の彼自身が、私の欲していることに、注意深く耳を傾けてくれていたのだから。
</span></span></div>
<div class="lh-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">撮影を始めてしばらくは、いつも通りのお決まりの笑顔を投げかけてくれた。しかし、それがいかにも”アルマーニ・スマイル”だったので、ファインダー越しに「もうちょっと真面目な顔、お願いできますか?」と聞いてみた。「No! No Serious, please!」と付き人が叫んでいる横で、アルマーニは私が正に求めていた、物想いにふける静かで完璧な表情を返してくれた。
</span></span></div>
<div class="lh-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">撮影中に、フォトグラファーの私がエネルギーを吹きかけると、アルマーニの体の中を何のブロックもなしに、そのまま突き抜けて行く感じがした。彼のアンテナは、私が必要としていることを的確に受信していた。そして、そのエネルギーを何倍にも増幅させて、私に返してきたのだ。格段に性能の良いラジオの様だった。今まで何千人ものポートレートを撮って来たのだが、この増幅作業において彼以上の人に会った事はない。撮影は、ほんの数分だったのだが、彼のスタイルを象徴するような静けさの漂うミニマルなものとなった。 </span></span></div>
<div class="lh-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"><br /></span></span></div>
<div class="lh-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">同じようにして、彼はそのアンテナで、市井の人々と時代が渇望しているスタイルを的確に受信することができるのだろう。そして、それを臆することなく最大限に増幅して世界に発信してきたに違いない。</span></span><br />
<br />
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">撮影を通して、そしてまた出来上がったポートレートをしばし眺めて、“モードの帝王”の秘密の一部を垣間みた気がした。 </span></span></div>
<div class="lh-type01">
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"></span></span><br />
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"></span></span><br />
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;"></span></span><br />
<span style="font-family: "georgia" , "times new roman" , serif;"><span style="font-size: large;">(本文は、2009年の集英社ウェブウオモから加筆転載したものです。)</span></span><br />
<br /></div>
</div>
Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-79827245466161611002013-05-09T22:38:00.000+02:002013-06-26T23:55:53.523+02:00ソーシャル ネットワーク ダイアリー<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-bapZxm5n7aE/UYvdQTgg6oI/AAAAAAAAAmg/hGb4fl71r9s/s1600/B+700+Comunicato+Stampa+B+copy.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="426" src="http://1.bp.blogspot.com/-bapZxm5n7aE/UYvdQTgg6oI/AAAAAAAAAmg/hGb4fl71r9s/s640/B+700+Comunicato+Stampa+B+copy.jpg" width="640" /></a></div>
<br />
<div style="text-align: center;">
フランチェスコ仁木岳彦</div>
<div style="text-align: center;">
個展</div>
<div style="text-align: center;">
<b><i><span style="font-size: large;">ソーシャル ネットワーク ダイアリー</span></i></b></div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
オープニング パーティー</div>
<div style="text-align: center;">
2013年5月29日</div>
<div style="text-align: center;">
水曜日 </div>
<div style="text-align: center;">
午後6時半から午後9時くらいまで</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
展示</div>
<div style="text-align: center;">
<strike>2013年7月10日</strike></div>
<div style="text-align: center;">
<strike>水曜日まで</strike><br />
<br />
会期延長</div>
<div style="text-align: center;">
2013年7月18日<br />
木曜日まで<br />
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
ーArte Giapponeー</div>
<div style="text-align: center;">
Vicolo Ciovasso 1(ブレラ地区)<br />
20121 Milano</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
Tel. 02-865138<br />
www.artegiappone.com</div>
<div style="text-align: center;">
</div>
<div style="text-align: center;">
</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
営業時間 </div>
<div style="text-align: center;">
午後2時から午後7時まで</div>
<div style="text-align: center;">
月曜、土日祭日は休み</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-39100840527521180052013-04-26T02:35:00.000+02:002013-04-26T02:35:05.569+02:00大人のヨーロッパ街歩き<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-qBacvVW7tc4/UXnLbxCejXI/AAAAAAAAAl0/ikocyUHJk3E/s1600/45472_10151826345462222_1907359520_n_Snapseed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="http://3.bp.blogspot.com/-qBacvVW7tc4/UXnLbxCejXI/AAAAAAAAAl0/ikocyUHJk3E/s320/45472_10151826345462222_1907359520_n_Snapseed.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<a href="https://www.facebook.com/pages/La-Vecchia-Latteria/164065782221">Photo Courtesy of La vecchia Latteria MIlano's FB page</a></div>
<br />
<br />
BS日テレというチャンネルの「大人のヨーッロパ街歩き」という番組に出演します。4月30日(火曜日)の午後7時から。<br />
<br />
<a href="http://www.bs4.jp/guide/document/e_machiaruki/"> http://www.bs4.jp/guide/document/e_machiaruki/</a><br />
<br />
ネタバレになりますので、ここでは多くは語れませんが。。。2000年からのミラノ生活も13年目に入り、その経験が多少なりともお役に立てればと。。。<br />
<br />
<br />Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-56281039641491571062012-12-20T16:37:00.000+01:002020-05-08T22:55:28.129+02:00行方不明の友人、聞こえて来た声<br />
<b><span style="font-size: large;">同窓会にこないS</span></b><br />
<br />
私が卒業した大学は、伝統的に海外志向が強いことで知られる。海外の大都市には、たいてい同窓会組織があり、私が住むミラノでも、時折ながら会合が開かれる。最近の傾向としては、若い人なども遠慮なく参加する事だろう。それぞれの属する世界の裏話などで盛り上がり、知見や友人の輪を広めるようなものとなっている。先輩に対する大げさなお酌などは必要ない。<br />
<br />
その年の会合は、日本的に言えば、忘年会シーズンに行われた。ミラノの冬は、空気が湿っているせいで太陽の光も届きにくく、暗く寒い。考えようによると、みんながどこかに集まって、美味しいご飯でも食べたり、お酒を酌み交わすには最高の季節とも言える。スカラ座のオペラシーズンが冬なのも、うなずける。こんな冬でも、せめて楽しくやろうよ!と言うミラネーゼの心意気なのだ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-NPIpcmPDWRY/TVLi1SIQxxI/AAAAAAAAAPs/SDGw7b8rP9g/s1600/vittorio+emmanuele+b750.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="444" src="https://2.bp.blogspot.com/-NPIpcmPDWRY/TVLi1SIQxxI/AAAAAAAAAPs/SDGw7b8rP9g/s640/vittorio+emmanuele+b750.jpg" width="640" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i>霧のミラノ。Vittorio Emanuele通り。光が柔らかい。</i></div>
<br />
<br />
このシーズンに抵抗力の落ちる事もある私はその年の忘年会シーズンは、疲れ目が極限に達していたせいか結膜炎気味に目が赤く充血していた。撮影での目の酷使と、コンピュータースクリーンのバックライトが疲れ目に追い打ちをかける。目薬を差しても、目の前が霞んで良くは見えなかったのをよく覚えている。<br />
<br />
その忘年会を兼ねた同窓会は、いつもの中華レストランでのいつもながらの雰囲気だったのだが、ひとつ不可解な事があった。出席するはずのSが来ていなかったのだ。割と律儀な性格のSの事だから、来ないなら携帯で連絡をよこすはずなのだが。。。同窓会の途中に、何度が電話をしてみたが、返事もなし。不思議な事もあるものだ。まあ、そのうち何か言ってくるだろうと、あまり気にせずにいた。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<b><span style="font-size: large;">ルームメートからの電話</span></b><br />
<br />
次の日の朝、、、Sのルームメートからの電話のベルで飛び起きた。Sが行方不明だと言う。いつもは、おおよその帰宅時間なども伝えるSだっただけに、数日帰ってこないのは、絶対に何かがおかしいという話だった。<br />
<br />
確かに、それはおかしい。出席予定だった同窓会に無言で来ないのも不思議としか言いようがなかったのだ。<br />
<br />
バイオリン制作をミラノで学ぶS。彼の主な行動範囲は、バイオリン制作の学校、師匠の工房とアパート。彼のルームメートを中心にして、学校の先生や友人達、我々同窓会の仲間達で、知恵を出し合い手分けして情報などを集める事とした。<br />
<br />
同窓会メンバーの意見で、警察への捜索願いだけでなく、在ミラノ日本領事館にも行方不明捜索願を出そうと言う事になった。それで日本の両親にも連絡が行く事になるだろう。ここは、「なるべく心配をかけない様に」などと心遣いをしている場面ではない。どんな手を使ってでも探す事が先決だろう。<br />
<br />
まずは、共通の友人達に電話をかけまくった。Sの最近の様子、最後に会ったのはいつか?できるかぎり、様々な人たちと話した。しばらくすると、電話が熱くて持てなくなるくらいに加熱していた。だが、特別に不思議な様子は、何一つ見当たらなかった。<br />
<br />
ただ、彼のブログには、「最近、イタリアの銀行の口座関連で厄介な事に巻き込まれている」と書かれていた。東欧の都市で現金が勝手に引き出されていたりしていて、その対応に追われているという事だった。<br />
<br />
同窓会の先輩は、ルームメートにSの部屋へ入って、コンピューターのEメールの内容なども見てもらう様に提案した。まず分かったのは、Sの携帯電話が部屋にあったと言う事だった。私たちが、いくら彼に電話してもつながらなかったわけだ。部屋はいつも通り雑然としていて、片付けられていた様子はなかったと言う。コンピューターのメールのやりとりなども調べてみたのだが、特別な内容はなかった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-FinwNBfnNNc/UNMgDWAxrkI/AAAAAAAAAhY/44q4pr5s6kE/s1600/_DSC0934_Snapseed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="424" src="https://2.bp.blogspot.com/-FinwNBfnNNc/UNMgDWAxrkI/AAAAAAAAAhY/44q4pr5s6kE/s640/_DSC0934_Snapseed.jpg" width="640" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i>Sに修復してもらった私の祖父のバイオリン。</i></div>
<div style="text-align: center;">
<i>バイオリン制作者はイタリア語では「Liutaio」と呼ばれ、</i></div>
<div style="text-align: center;">
<i>ビオラ、チェロ、ベースなどの弦楽器全般の制作と、古い弦楽器の修理修復が仕事となる。</i></div>
<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">行方不明、<span style="font-size: large;">考えられるあ<span style="font-size: large;">ら</span>ゆる</span>可能性</span></b><br />
<br />
どんな可能性があるのだろうか?ルームメートや、同窓会メンバーと話した。<br />
<br />
まずは自殺の可能性。私はそれはないと思ったのだが、人の内面は分からないものだと説得されると、確かにそうかもしれないとも思えて来たのだった。<br />
<br />
北朝鮮の拉致。Sは元々、理工学部の卒業で、カメラメーカーで精密機械の設計をしていた。西洋芸術にも通じているインテリで、今やバイオリン制作者になろうとしている。ある意味では変わり種でもあり、北朝鮮などにとっては、マルチに使える人材なのかもしれない。可能性がないとは言い切れない。<br />
<br />
なんらかの理由で病院に運ばれている可能性。または、なにかの事故で死亡してしまった可能性。いくつあるかわからないミラノ市内の病院などをしらみつぶしに探して歩くのは、現実的に無理で、何週間もかかるだろう。それよりも、警察と領事館に捜索願いを出しているので、もしそうならすぐに出て来ても良いはずだった。<br />
<br />
他殺。例えば、ルームメートなどが殺人鬼で、押し入れに死体遺棄されているとか。。。<br />
<br />
駆け落ち?まあ、それなら良いのだか、そんな粋な奴だったのだろうか?<br />
<br />
そして、彼のブログに書いてあったイタリアの銀行口座が、東欧で引き落とされていると言う事件に本格的に巻き込まれた可能性。東欧マフィアによる誘拐など。<br />
<br />
こういう時は、すべての可能性を考えてしまう。そして、どの可能性も、まったく否定する事はできなかった。インターネットで、「海外 行方不明」と検索すると沢山のページがでてきた。毎年、数百名の日本人が海外で行方不明になっていて、その大部分は未解決のままだと言う。Sも、そんな日本人の一人になってしまうのだろうか?<br />
<br />
なんの手がかりもつかめないまま、時間が過ぎていった。Sが行方不明になって、数日後の日曜日は、日本人学校で毎年12月に行われる年一回のお祭り「La Festa」があった。それは、お茶、尺八、折り紙、書道などの日本の文化や、餅つきやお団子、おでん、お弁当などの食文化にも触れようと、在ミラノの日本人や、親日のイタリア人が大勢来るイベントだった。一度も行った事のないそのイベントにも、初めて訪れてみた。たくさんの日本人の友人とすれ違った。なにかSの手がかりはないかと各友人に聞いてみたのだが、新しい情報はなかった。ただ、たくさんの人が行方不明の事をすでに知っていて心配していた。無事を祈願して、祈りを捧げていると言う話も聞いた。日本人のコミュニティーというのは、普段から、そんなに強い結びつきがあるわけではない。でも実は、我々海外在住者にとって、日本人の友人と言うだけで、お互いをとても近いと感じている事も分かった。Sの行方不明についても、人ごとではない出来事として、みんな親身に思っている様子だった。思えば、家族や親戚もいなく、単身で来ている人も圧倒的に多いわけで、いざと言う時に頼れるのは、同郷人である場合も多い事だろう。<br />
<br />
Sのアパートに立ち寄ると、同窓会のメンバーの一人も来ていた。ルームメートは、自分の携帯とSの携帯を持ち、ひっきりなしになる電話を、2丁拳銃のように両手で対応していた。その丁寧で心のこもった対応に、彼の人柄を見る様な気がした。一つの可能性が消えた。このルームメートが殺人鬼なわけがない。そして、確かにSの部屋の中は散らかっており、自殺の可能性もないと私は踏んだ。自殺するなら、もう少し整理する事だろう。あと、私の知っている限りのSは、思慮深くとも、思い詰めるタイプではない。<br />
<br />
Sが行方不明になってから数日は、スパイ映画の登場人物の様に考えられるすべての可能性を想定しなければならなかった。脳みそのいつもと違う場所を使っているのが、自分でも手に取るように分かった。それは、私の中のなにかが特別に冴えてくるような感覚でもあり、それからくる疲労感は、肉体でも精神でもなく、もっと全体的というか、いつもと違う不思議なものだった。<br />
<br />
結膜炎気味の疲れ目に目薬を差しても、光が強いと眩しすぎてよく見えない状態が続いていたのだが、なんとなくミラノ市内をクルマで走らせてみた。そして、カトリックの勉強を私に授けてくれた、シスターマリアの所に向かった。彼女は日本に20年近く住んだ事のあるカトリックの修道女で、ミラノの修道院で日本語とイタリア語を対比しながら聖書の勉強会をしたり、日本語のミサを企画したりしている。修道院の敷地内はミラノの中心部にありながら、完全な静寂につつまれており、独特な雰囲気がある。お御堂では、いつも世の平和を願う修道女達が、人生のすべてをかけて祈りを捧げている。Sはバイオリン制作を学ぶ身で、バイオリンやビオラなどを奏でる事ができた。彼自身はカトリック信者という訳ではなかったのだが、友人の輪のつながりで、クリスマスの日本語ミサなどで弾いてくれた事があった。それでシスターマリアもSの事をよく知っていたのだ。あと、私もいつもと違う疲労を感じていた事もあり、そんな修道院に行って一息つきたいという思いもあった。シスターマリアはいつもの笑顔で迎えてくれたのだが、Sの行方不明の話も、まったくうろたえる事なく、真剣に聞いてくれた。修道女と言うのは、意外に血なまぐさい話にも慣れているのだ。独裁者や軍部が支配する国などに派遣されている修道女仲間とは暗号でコンタクトを取りながら、なんらかの救済を試みている話も聞いた事があった。一部の修道女は世の闇にも、それなりに詳しいものなのだ。一通り聞いて、東欧マフィアはかなり質が悪いという話にも及んだ。「いずれにしても、祈っておきますから」と言ってくれた。祈りのプロフェッショナルの言葉に、なんとも心強いモノを感じた。<br />
<br />
<div style="text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-M-dvaKkWp_s/UNJaF-tbC7I/AAAAAAAAAhE/q1MunZZnvKo/s1600/foggy.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://3.bp.blogspot.com/-M-dvaKkWp_s/UNJaF-tbC7I/AAAAAAAAAhE/q1MunZZnvKo/s640/foggy.JPG" width="640" /></a><i> </i><br />
<div style="text-align: center;">
<i>朝霧の電車通り。</i></div>
</div>
<div style="text-align: center;">
<i>ミラノの電車の線路は、車道を共有する。</i></div>
<div style="text-align: center;">
<i>線路の上はクルマのタイヤが滑りやすいので、とても注意して運転しなくてはならない。 </i></div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<br />
<b><span style="font-size: large;">先輩との電話を切った後、、、聞こえて<span style="font-size: large;">きた</span>声</span></b><br />
<br />
私達がそれまでに集めたすべての情報をつなぎ合わせると、行方不明になった日の夕方に韓国人の女性のクラスメートが、Sが学校から家に帰る様子をバス停で見かけたのが、彼に関する最後の情報だった。学校がVia Ripamonti、家がPiazza Napoliの近くなので、その日の彼の行動範囲はミラノ市内の南部。普通の住宅街が続く何の変哲もない地域なはずなのだが。。。しかし、一体何が起こったのだろうか?<br />
<br />
その日曜の夜の9時頃、同窓会の先輩と電話で話した。「いち外国人の私達が警察に捜索願いをだした所で、真剣に警察が動くとは思えない。日本の外務省からイタリアの総務省へ掛け合ってもらう方向性で、私たちも動いた方が良いのではないか?それこそ、同窓会組織には外交官もいることだろう」。数日前の同窓会の和やかな会合からは、想像もできないような殺伐とした話の内容だった。そして、会話の最後に、その先輩から「仁木さんって、そう言えばちょっとした霊感がありますよね?どうですか?」と質問をうけた。私は確かにシンクロニシティー(偶然の一致)が頻繁に起こったり、自分が光に包まれるのを見たり、夢などで具体的な言葉や地名などのメッセージを受けとる事はあった。だが、お化けが見えたり、彼らと話したり、人の前世や未来をズバリと言い当てる様な世間一般の霊感とは違うものだった。いわゆる人を驚かす様な当てものではないのだ。「いや、そういう霊感じゃないんすよね」と言って、まずは電話を切った。<br />
<br />
その後「んー、霊感ねえ」と想いながら、何となく居ても立っても居られないような感覚に襲われた。心のこもった対応をしていたルームメート、多分日本で何がなんだか分からないまま心配をなさっているご両親、そして我々ミラノの友人達の無事を祈る気持ちが尊く感じた。そして、悪気のない、人間の良心のエネルギーのカタマリの様なモノが私の中に入り込んで来た。そのパワーが私を突き動かしはじめた。<br />
<br />
先輩との電話を切った後、「Niguarda」というミラノ市の北はずれの地名が聞こえるような気がしていた。それは音として「ニグアルダ」と聞こえるようでもあり、文字としてフラッシュバックのように「Niguarda」と見えるようでもあり。。。<br />
<br />
例えば、バナナを仕事帰りに買わなければならないとしよう。忘れないように、「バナナ」という音を耳の中で反復してみたり、「BANANA」という文字列を頭の中で考えたり、あるいは「黄色いバナナ」を絵として思い返したりする事だろう。受験の勉強などでも何かを覚えようとする時は、そんな感じで脳の中で反復しながら覚えたはずだ。<br />
<br />
とにかく、そんな感じで、「Niguarda」という声が、私の意思とは関係ないところで、頭の中で勝手に反復していた。しばらくすると、それがうるさいぐらいに、こだましてきた。しかし、確かNiguardaと言うのはミラノの北の地域なはずで、Sの行動範囲はミラノの南なので、まったく逆方向だった。理性的にはあり得ないと思ったのだが、興奮状態で体が勝手に動いた。<br />
<br />
この「Niguarda」と言うのは一体なんだんだ。。。「なんて自分はバカなんだろう、そんな事あるわけないのに」と思いつつもコンピュターの前に座り、スペルもよく知らないのにも関わらず、適当に検索エンジンに「Niguarda」の文字を入れてみた。トップにはNiguarda地区の病院のウェブサイトが出て来た。そう言えば、高速道路を降りてミラノ市内に向かっている時などに、病院のマークにNiguardaと書いた標識を見た事があった。Niguarda地区には大きな病院があるのだろう。そして、そのサイトを見てみると、探すまでもなく、すぐに救急病棟の電話番号が目に飛び込んで来た。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-zmC_qctVsSY/UNJBUbabYEI/AAAAAAAAAg0/QsZ4Y5Vtljo/s1600/_DSC1696+copy_Snapseed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="424" src="https://3.bp.blogspot.com/-zmC_qctVsSY/UNJBUbabYEI/AAAAAAAAAg0/QsZ4Y5Vtljo/s640/_DSC1696+copy_Snapseed.jpg" width="640" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i>Niguarda病院の標識</i></div>
<br />
そういえば、救急車でボランティアをしている友人が、病状によっては、病院の得意不得意があり、遠くの病院に運ぶ事もたまにあると言っていたのも思い出した。しかし、病院なら警察か領事館が、まず最初に調べてくれているはずなのだが。。。<br />
<br />
様々な思いや考えがよぎったものの、イチかバチか。とにかく、その勢いで救急病棟の電話番号に電話してみた。<br />
「自分の友人が行方不明なので、ここ数日の間、探している。もしかしたら、そちらの病院に運ばれているかもしれないので、調べてもらえないか?」<br />
私の興奮とは裏腹に、電話の向こうでは、極めて普通の軽い感じの事務的な応対だった。<br />
<br />
そして、Sの名前を口頭で伝えると、なんと「その名前なら木曜日の夕方に、ここの病院に運ばれて来たって記録があるよ」と言う。私の興奮がピークに達した。Sは、ちょうど木曜から行方不明だったのだった。「で、彼は今どうしてるかわかりますか?生きてるのか、死んでるのか?今、どこにいるのか?」と聞くと、「明日の朝にまた電話してくれる?」とそっけない返事だった。もう夜9時過ぎで病院自体は閉まっているし、救急以外は時間外だから、そういう特別な対応はできないらしい。<br />
<br />
しかし、糸口はつかめたのだ。興奮が冷めないまま、すぐに先輩に電話した。「そういう霊感じゃないんすよね」と言って電話を切ってから、15分も経っていなかっただろう。いつも冷静な先輩もその時ばかりは「えー、すごいですね」と声をあげた。「この場面は、日本領事館に連絡するべきだろう」との先輩の即座の判断で、担当外交官にすぐに連絡する事になった。あとは、外交官が、なんとか調べてくれるはずだ。<br />
<br />
そして、一時間もしないうちに、外交官が病院に行ってSの無事を確認してくれて、私達にも連絡が来た。外交官には特別なアクセス権のようなモノがあるらしい。病院が閉まっている日曜の夜だったにも関わらず、Sが寝ていたNiguarda病院の集中治療室まで行って、外交官の携帯電話から直接日本の実家にも電話をして、S自身の声で無事を伝えたと言う。事故に巻き込まれ、右側の肋骨を10カ所折っているものの、内蔵も頭にも全くダメージはなく、まったく命に別状はないと言う事だった。<br />
<br />
まずはバスタブに湯を張り、体を暖める事にした。それは、今までに感じた事のない種類の疲労感だった。人間は普段、自分たちの脳の数パーセントしか使っていないと聞く。我々の普段の生活は、多分、脳みその同じ場所ばかりを使って、グルグルとリピートしながら生きているのだ。その数日間は、普段は使っていない脳みその箇所が作動していたようだ。スパイ映画の様な推理するための脳、そして、直観霊感の脳。オーバーヒートしそうな感じだった。<br />
<br />
バスタブからあがり、Eメールをチェックすると修道女シスターマリアからメッセージが来ていた。「夕飯の後、修道院のシスター全員50人ぐらいで、S君のためにお祈りとマリア様の歌を捧げておきました。彼の無事を心から祈っています。なんらかの奇跡が起きますように」という内容だった。<br />
<br />
私は、興味本位ながら、「シスター、何時頃に祈ってくれたのですか?」と聞いてみた。「夕食の後だから9時ちょっと過ぎかしら」という答えだった。ちょうど「Niguarda」という声がこだましてきて、私が興奮しながらネットで調べたり、電話をかけたりした時間と一致していた。<br />
<br />
先輩の霊感に対する質問と、みんなの良心と、シスター達の聖母マリアへの祈りと、色んな事が味方をしてくれて、私の直観が作動したのだろう。「Niguarda」という声を聞いた通り、Sはその地域の病院にいたのだった。いくつあるか分からない病院をしらみつぶしに電話したのではなく、一本目の電話で彼の居場所を探す出す事ができた。普段の私には、こんな能力はない。<br />
<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<iframe allowfullscreen='allowfullscreen' webkitallowfullscreen='webkitallowfullscreen' mozallowfullscreen='mozallowfullscreen' width='320' height='266' src='https://www.youtube.com/embed/tGnCkUwKKEA?feature=player_embedded' frameborder='0'></iframe></div>
<div style="text-align: center;">
シスター達に、あの日に歌ってくれたアヴェマリアを再現してもらった。</div>
<div style="text-align: center;">
マリアバンビーナ修道院。</div>
<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">Sの良心から出た行為</span></b><br />
<br />
翌朝、面会時間の少し前に病院に着いた。集中治療室の入り口には、すでにSの携帯電話を手にしたルームメートが来ていた。集中治療室と言うからには、Sの怪我もどんな状態なのか、まったくわからない。包帯でグルグル巻きになっているかもしれない。元来、病人や病院が苦手なので、色々と想像してしまった。<br />
<br />
面会時間がはじまってすぐ、ルームメートと集中治療室に向かった。思ったよりも元気そうなSの姿があった。麻酔で頭が多少ボーとしている感じはあるもの意識も普通な感じだった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-hIxnwxEmezg/UNMq1ANqP2I/AAAAAAAAAho/Q1KwJUK0YRA/s1600/_DSC9497_Snapseed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="424" src="https://3.bp.blogspot.com/-hIxnwxEmezg/UNMq1ANqP2I/AAAAAAAAAho/Q1KwJUK0YRA/s640/_DSC9497_Snapseed.jpg" width="640" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
雨の日にクルマの車窓から撮った。</div>
<div style="text-align: center;">
湿気のせいでガラスがくもって、よく見えない。 </div>
<br />
学校から帰る途中、冬の雨が降りしきるPiazza Napoliの十字路で乗り換えのバスを待っていた時に、Sの目の前で交通事故が起こったと言う。Sは雨で濡れる混乱した事故現場の整理を手伝い、事故で倒れていたバイクを立て直そうとしていた。その時に別のクルマが十字路に入って来て、Sの近くまで飛び込んで来た瞬間までは覚えているとの事だった。事故現場で渋滞が起こり、そのイライラがまた別の事故を起こしたと言う事らしい。結局は、救急車が4台も駆けつける大事故だったそうだ。その日偶然、携帯電話を家に忘れたせいで、誰にも連絡ができず。。。バイオリン製作の学校くらいは、調べれば電話番号も簡単に出てくるだろうと考え、看護師やドクターに連絡を取りたいと交渉を試みたそうだ。ただ、集中治療室で麻酔が効いている病人が寝ぼけた感じで言っていたので、「まあそれよりも、今はゆっくり休め」と言う感じだったそうだ。加えて身分証明書を持ってなかった為、名前を聞かれて口頭で答えたのだが、日本人の名前なので最初の記録はスペルが間違っていたとの事だった。それで警察や領事館が探せだせなかったのかもしれない。私が電話した時にはスペルを直した後だったのか、もしくは、彼が運ばれた救急病棟にピンポイントで、しかも口頭で聞いたために、スペルミスがあっても探し出せたのかもしれない。Sの名前を発音する時に、私もS同様に日本語訛りで発音したのが、効を奏した可能性もある。。。いずれにしてもSは生きていた。しかも、淡々と現実を受け入れていて、想像以上にしっかりしていた。<br />
<br />
色々と話している間に昼食の時間になった。「イタリアの病院食は意外に美味いんだよ。イテテ。ちょっと手伝ってくれる?」と、Sがノン気な感じで言った。<br />
<br />
その頃には、私の結膜炎気味の疲れ目の充血も完全に直っていた。<br />
<br />
Sが事故にあった状況は、目の前で起きた事故に手を差し出していたと言う人間の良心が元になっていた。事故そのものや怪我は大変な事だったとは言え、色んな意味で人間の良心がぐるりと一回転した様な出来事だったと、私は思っている。<br />
<br />
退院した後は、マッサージなどのリハビリに励みながらも、バイオリン製作の修行を続けていた。あの頃、体の右側は疲れやすいと言っていた。そんな経験が、その後の制作活動や、バイオリンの音にどんな影響を与えるのだろうか?現在では、そんなミラノでの修行も無事に終え、日本でバイオリン工房を開いている。<br />
<b><span style="font-size: large;"><br /></span></b>
<br />
<b><span style="font-size: large;">偶然の意味を読む解く</span></b><br />
<br />
「Niguarda」しかし、あの声は一体誰の声だったのだろうか?私は、あの声を発していたのは、聖母マリアだと思っている。以前、異次元の扉が開いた時、聖母マリアが話しているのを垣間みた事があった。ただ、その時は話の内容が分からなくて、悔しい思いをした。今回は一言とは言え、重要なメッセージをくれ、理解できた。そして、その声を聞いた同じ時間に、聖母マリアに捧げる祈りの歌「アヴェマリア」を修道女達50人程が歌ってくれていたと言うではないか?単なる偶然かもしれない。ただ、信仰とは、その偶然の意味を読み解くところからはじまる。もしくは、未来の科学は、こういう現象を論理的に説明している事だろう。とんだ災難にあったとは言え、こんなチャンスを私にくれたSにも感謝したい。<br />
<br />
蛇足になってしまうかもしれないが、映画「スター・ウオーズ」で、師匠オビ=ワン・ケノービの「フォースを信じろ」という声を聞いて、ルーク・スカイウォーカーが戦闘機の照準装置をはずす闘いのシーンがある。それが幸いして、見事、ターゲットに命中する。僭越ながら、かつバカにされるのを覚悟で言うと、Sを探していた期間、私は疲れ目が結膜炎気味に充血していて、目がかすんでクリアに見えなかったのを、それになぞらえたい。写真という視覚芸術に携わりながらも、視覚や表層にとらわれていては、物事が的確に見えないという事もあるのではないか?我々は目を使いすぎているのかもしれない。五感どころか、第六感や祈りも駆使して物事を捉えなくてはならないのだろう。我々が普段見えている世界は、とても窮屈に限定された狭い視界にすぎないのかもしれないのだ。<br />
<br />Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-50539191017780619452012-09-26T22:40:00.002+02:002012-09-26T23:04:34.186+02:00楽園帰りを夢見る地中海の夏<div class="hdg-type01-container">
<div class="hdg-type01-container">
<h4 class="hdg-type01">
<b>バカンスでミラノが止まる8月</b> </h4>
<div class="hdg-type01">
8月のミラノの人口は、どれぐらい減るのだろう?通りを行き交うクルマも少なく、異様な静けさが漂う。</div>
</div>
<br />
ミラノでは桜の花が咲く春くらいから、「今年の夏はどうするの?」などという会話が飛び交う。気の合う仲間なら、「一緒に何かしようよ」という話や、他人の経験談がバカンスコンサルタントに発展する事もある。とにかく、会社員でも、平気で2~3週間ぐらいのバカンスに出てしまう。自由業の人や富裕層のバカンスは、もっと長い場合もあるだろう。<br />
8月は、ミラノが止まってしまうと考えて良い。日本の元旦が、ひと月続くという感じだ。今でこそ8月でも営業しているスーパーマーケットは結構あるのだが、ひと昔前は、夏のミラノでは普通の暮らしをするのも大変な状態だったと聞く。 <br />
<br />
まあ、私の知る限りの周りのイタリア人の様子なのだが、バカンスに関しては強迫観念的なこだわりがあるようだ。「良いバカンスを送ることができなかったなら自分の価値がなくなってしまう」という恐怖感さえあるのではないか?バカンスなしではアイデンティティークライシスに陥ってしまうことだろう。要するに、バカンスを誰とどう過ごすかで自分と言う人間を表現し、自分の存在理由を再確認すると言った感じだ。加えて、ここぞとばかりの、見栄の貼りどころでもあるようだ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-ZOmqrjeA5eg/UGNaEjybKWI/AAAAAAAAAe8/b7RbQaEaygc/s1600/_1_news_article_center_002.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="http://1.bp.blogspot.com/-ZOmqrjeA5eg/UGNaEjybKWI/AAAAAAAAAe8/b7RbQaEaygc/s400/_1_news_article_center_002.jpg" width="278" /></a></div>
<div class="lh-type01" style="text-align: center;">
犬捨て防止を呼びかけるポスター。</div>
</div>
<div class="block-fix">
<div class="align-type01">
<br /></div>
<h4>
<span class="caption">ペットを捨ててまでバカンスに夢中</span></h4>
<h4>
<span class="caption"></span></h4>
<div class="align-type01">
<span class="caption">イタリアでは夏のバカンス前になると、銀行からバカンスローンで借金したり、クルマを売って資金をつくったり、ペットの犬を捨ててでもバカンスに行くらしい。借金をしたりクルマを売ってでも、と言うのはまだ可愛い話なのだが、「犬を捨ててでも」というのは信じがたいものがある。ペットと一緒に滞在できるバカンス先は限られており、それが無理な場合、本当に道端などに捨ててしまうとの事。<br />バカンス時期におけるイタリアの捨て犬は6万匹ともいわれ、社会現象にもなっている。市や政府などが「犬を捨てないように!」と言うキャンペーンを実施しており、街の至る所にポスターが貼ってあったりする。<br />バカンス文化をはたから見ると「人生を楽しむことを知っている地中海文化の優雅なライフスタイル」という風に映るだろう。実際にその通りの部分もあるだろうが、捨て犬の実情は、いささか度が過ぎている。バカンスへの執着は、私たちが想像以上のモノで、強迫観念にほかならないと思うのだ。 </span><span class="caption"> </span></div>
<div class="align-type01">
<br /></div>
<h4 class="align-type01">
<span class="caption">失楽園とバカンス</span></h4>
<h4>
<span class="caption"></span></h4>
<div class="align-type01">
<span class="caption">旧約聖書によると、アダムとイブが住んでいたエデンの楽園では働く必要もな く、なに不自由なく暮らしていた。キリスト教を信じるものにとっては、それこそが理想の生活であり、元来あるべき姿なのだ。蛇に誘惑されるまま、触れる事を禁じられていた知恵の木の実「リンゴ」を食べてしまい、彼らは楽園を追われた。この「失楽園」こそが、人類の原罪のルーツである。人類の苦悩はそこからはじまった。そして、働く必要性が出て来たのも、まさにそれが起源なのだ。<br />この聖書にある「楽園の想い出」と、現代イタリア人の「バカンス観」を、私は重ねて見ている。自分たちの遠い祖先と楽園への憧れが強迫観念になっていったのではないか。イタリア人は、8月のバカンスに先祖代々続くその想いを少しでも晴らそうと懸命なのだろう。 彼らにとっては、働かない状態こそが「元来あるべき姿」であって、そこに戻ろうと必死にもがいているような……。楽園帰りを夢見るキリスト教徒の夢。少なくとも、私にはそう見えるのだ。</span></div>
</div>
<div class="block-fix">
<div class="lh-type01">
<br /></div>
</div>
<div class="block-fix">
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-9Qf8JvT_Xk4/SvNZ86qwHKI/AAAAAAAAADk/wKroGGWpJpo/s1600/vacanza02-blog800.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="446" src="http://2.bp.blogspot.com/-9Qf8JvT_Xk4/SvNZ86qwHKI/AAAAAAAAADk/wKroGGWpJpo/s640/vacanza02-blog800.jpg" width="640" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ミラノからさほど遠くないリグーリア地方の海</div>
</div>
<div class="block-fix">
</div>
<div class="block-fix">
<h4>
とは言っても、便乗バカンス!</h4>
</div>
<div class="block-fix">
彼らのバカンスに対するこだわりは、イタリアで十回以上の夏を過ごした私にも到底理解しがたい。強迫観念や過度のこだわりや見栄から解放されて、身の丈にあったストレスフリーなバカンスを過ごすことができたなら、より豊かな夏になることだろう。<br />
<br />
「我々にバカンス文化を完全に理解するのは難しい」などと言いつつも矛盾するようだが、実は、私も多少なりとも便乗バカンスをする事にしている。地中海の夏は確かに美しい。天気が毎日よくて、乾いた空の色や風の匂いも格別に心地がいい。<br />
<br />
夏に楽しまないで、いつ楽しむというのか???とりあえず、海か山に行こうではないか!!!ただし、強迫観念にはとらわれぬように……。 </div>
<div class="block-fix">
<br /></div>
<div class="block-fix">
そして、秋はバカンス自慢の季節。よく、懲りないなあ。</div>
<div class="block-fix">
<br /></div>
<div class="block-fix">
<br />
P.S.</div>
<div class="block-fix">
2009年にWebUomoに掲載した文章に加筆しました。しかし、実はこのバカンス、夏の節電にもなっているんですよね。これって、もしかすると、地中海の知恵なのかもしれない。「暑いならクーラー」じゃ体にも悪いし、心地よくない。それで「暑いなら休みに、そして涼しい場所へ移動」と言う人間の精神と肉体の賛美???が、思わぬ効果を生んでいると言うか。。。南欧のエコロジーは、論理ではなくて、そんな人間主体の気分そのものがリードしているようです。</div>
<div class="block-fix">
</div>
<div class="block-fix">
</div>
Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-13857921376871879022012-07-26T11:03:00.003+02:002012-07-26T11:04:51.489+02:00華麗なカーニバルの中心地、老舗カフェ「フローリアン」<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-kjxTridkOuQ/UBAsps6_sAI/AAAAAAAAAco/eImz5aGuQMw/s1600/b850+VeneziaCarnevale+2012-01.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="http://2.bp.blogspot.com/-kjxTridkOuQ/UBAsps6_sAI/AAAAAAAAAco/eImz5aGuQMw/s640/b850+VeneziaCarnevale+2012-01.jpg" width="446" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
カーニバルの伝統衣装が、最も似合う場所「カフェ・フローリアン<i>」</i><br />
<i>男性の手元に注目。仮装していても携帯電話だけは手放せない?</i></div>
<div style="text-align: center;">
<i><br /></i></div>
ベネツイアのカーニバルを見にきました。キリストの復活を祝うイースターの前には、肉食を断食したり、特別な祈りと節制の40日間があります。その祈り期間に入る直前に無礼御免のお祭り騒ぎをするのがカーニバル。ヨーロッパの晩冬の風物詩です。<br />
中世の頃から共和制をとり、バチカン教皇庁の支配も弱く、東洋にも開かれた港町だったベネツイアは、進取で自由な気風があり、カーニバルも他の街に比べて派手だったのだとか。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-QxKqh9vVU64/UBAthAuNmcI/AAAAAAAAAcw/Oy-9NRxOOmo/s1600/b850+VeneziaCarnevale+2012-04.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="446" src="http://1.bp.blogspot.com/-QxKqh9vVU64/UBAthAuNmcI/AAAAAAAAAcw/Oy-9NRxOOmo/s640/b850+VeneziaCarnevale+2012-04.jpg" width="640" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i>カーニバル期間中の夜更けのサンマルコ広場は、</i></div>
<div style="text-align: center;">
<i>今まで旅した中でも最高のタイムトリップと言えるだろう。</i></div>
<div style="text-align: center;">
</div>
その習慣は、形を変えながらも守られ、現在でも毎年、中世後期かルネサンス期の仮面舞踏会の伝統衣装や仮面をつけた人達がパーティーを繰り広げたり、街をパレードしたり、、、あと衣装のコンテストなども催されているようです。<br />
なんといっても、ヴェネツイアは、巨大な舞台装置のような特別な街。自動車は一台もなく移動手段は歩きか船。リズムも現代社会からかけ離れています。普通の日でさえ、タイムトリップした様な気分になる水の都なわけですから、この仮装者のおかげで余計に、カサノヴァが主人公の映画の中に自分が迷い込んだような気になってくるのです。今回で、ヴェネツイアのカーニバルは二度目ですが、 私が最も好きなのは、夜などに徘徊している仮装の人たちを眺める事です。静まり返った夜のカーニバルは、余計な雑踏が省略されて、なんともフォトジェニックなのです。<br />
そんな一般の観光客が宿に戻ったような夜更け頃には、仮装した男女がサンマルコ広場のカフェ・フローリアンに集い、数百年前の仮面舞踏会の様な異様な雰囲気を漂わせていました。世界最古のカフェとも言われていますが、今でも重厚でクラシックな内装が保たれています。なぜ、彼らがフローリアンに集うかといえば、何と言っても彼らの仮装が最も映える場所だからでしょう。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-YS2m-J-eRQY/UBAuaJuw_6I/AAAAAAAAAc4/PtVuf3Mwmjk/s1600/b850+_DSC5566+copy.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="211" src="http://2.bp.blogspot.com/-YS2m-J-eRQY/UBAuaJuw_6I/AAAAAAAAAc4/PtVuf3Mwmjk/s320/b850+_DSC5566+copy.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i>カフェ・フローリアン前に集う仮装者たち。</i></div>
<div style="text-align: center;">
<i>フランス語を中心に、ヨーロッパ中の言語が飛び交っていた。 </i></div>
<br />
店内は小さな部屋に分かれており、綺麗な衣装をまとった人達は、何気に特別な部屋に通されていました。これも心遣い。その部屋の窓には報道カメラマンなどがへばりついていました。そんな写真が、世界に配信されているんでしょうね。<br />
「最も伝統的」とメニューに書かれた珈琲をオーダーしてみました。現在イタリアで一般的なエスプレッソとは違い、軽くフィルターにお湯を通したものでした。この珈琲から想うに、当時は抽出の掟みたいなものも少なく、今よりもっと自由に珈琲を楽しんでいたのでしょう。<br />
<br />
国際的な港がある街と言うのは、基本的に世界中どこでもオープンマインドを持ちあわせているもの。最古のカフェということは、当時は最新のものだったはずです。オリエント急行の発着点でもあり、かつての東西文化の交差点ベネツイアで、往時の進取で自由な気風に思いをはせてみました。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-2C6E78BR8cM/UBAzkpJteOI/AAAAAAAAAdE/IMfIXDs5Ycg/s1600/%EF%BD%82%EF%BC%98%EF%BC%95%EF%BC%90VeneziaCarnevale+2012-02.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="http://4.bp.blogspot.com/-2C6E78BR8cM/UBAzkpJteOI/AAAAAAAAAdE/IMfIXDs5Ycg/s320/%EF%BD%82%EF%BC%98%EF%BC%95%EF%BC%90VeneziaCarnevale+2012-02.jpg" width="223" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i>カサノヴァや、ゲーテ、ワーグナー、プルースト、ニーチェなどが</i></div>
<div style="text-align: center;">
<i>座ったかもしれない席で飲むドリップ式コーヒー</i></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-UUsHBnB9Wks/UBA2WJV-EhI/AAAAAAAAAdQ/Bv7Ov9Haqik/s1600/b850+_DSC5795+copy.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="131" src="http://4.bp.blogspot.com/-UUsHBnB9Wks/UBA2WJV-EhI/AAAAAAAAAdQ/Bv7Ov9Haqik/s200/b850+_DSC5795+copy.jpg" width="200" /></a><a href="http://1.bp.blogspot.com/-g9S6s1U38Mc/UBA2c22d29I/AAAAAAAAAdY/Z__jp03dUoM/s1600/b850+_DSC5981+copy.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="131" src="http://1.bp.blogspot.com/-g9S6s1U38Mc/UBA2c22d29I/AAAAAAAAAdY/Z__jp03dUoM/s200/b850+_DSC5981+copy.jpg" width="200" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
昼間はちびっ子仮装者も参加。</div>
<div style="text-align: center;">
ともあれ、期間中のベネツイア旅行の現実は人の波。。。</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: left;">
<br />
雑誌「珈琲時間」2012年8月号から転載加筆させて頂きました。 </div>
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<a href="http://www.amazon.co.jp/%E7%8F%88%E7%90%B2%E6%99%82%E9%96%93-2012%E5%B9%B4-08%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B0085BIQ16/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1343245770&sr=1-2">掲載誌は全国の書店、アマゾンなどで販売中。</a></div>
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<a href="http://1.bp.blogspot.com/-d-smJk4cSuQ/UBA4k-CoqNI/AAAAAAAAAdg/BUqR9tRzqUQ/s1600/315306_426001040771540_661274005_n.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="200" src="http://1.bp.blogspot.com/-d-smJk4cSuQ/UBA4k-CoqNI/AAAAAAAAAdg/BUqR9tRzqUQ/s200/315306_426001040771540_661274005_n.jpg" width="153" /></a></div>
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<br /></div>Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-76616041369349631392012-07-24T17:54:00.001+02:002020-05-08T22:53:38.325+02:00奈っちゃんより「いつから写真を始めたの?」「フォトグラファーになろうとしたキッカケって?」などと聞かれることも多い。<br />
<br />
一眼レフのカメラを使いだしたのは高校時代。その頃は、詩や散文を書いたり、ビデオカメラで、友人達のバカ騒ぎを写したりするのも、心底楽しいと思ったものだ。その当時、なんとなく文章を書く事や映像世界に興味の方向性を見い出しはじめていた。先生と言うのは生徒の事をよく見ているもので、高校3年の春に担任の教師に放課後呼び出され、「お前、卒業文集か卒業アルバムの編集委員をやれ」と唐突に言われたのを覚えている。そして、フィルムと現像費が使い放題になると言う一声で、アルバム編集委員を選んだ。思い返せば、あの頃から大量の写真を撮っていた事になる。<br />
<br />
映画などのメディア芸術や、報道やテレビ、広告業界などのマスコミなどに漠然と憧れ、大学はジャーナリズム学科に進んだ。<br />
<br />
偶然だったのだが、その頃の私の大学では、バブル景気に浮かれたサークルの中で、写真部のレベルが飛び抜けて高く見えた。実際に紛争地帯に入っていって雑誌に発表している先輩や、海外志向の高い先輩の深い洞察とニュアンスがある海外スナップ、人間の奥底にまで入り込んだストリートポートレートなどに、正直心を打たれた。要するに取り組んでいる内容が、全く学生のレベルではなかったのだ。最初は、こんな先輩たちに何か教わってみたいと軽い気持ちで思ったのだった。そして、じきに私も暗室で写真のプリントに熱中するようになった。そんな素敵な先輩たちとの出会いが、写真に取り組むキッカケになった。<br />
<br />
ただ、それでも、写真には憧れはなく、すぐに自分の仕事にしたいと思ったわけではなかった。<br />
<br />
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<a href="http://1.bp.blogspot.com/-0OW_7JCx9RM/UAXV-DZSIWI/AAAAAAAAAbc/Xjok1JnYzxQ/s1600/b850+From+Natsuko.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="447" src="https://1.bp.blogspot.com/-0OW_7JCx9RM/UAXV-DZSIWI/AAAAAAAAAbc/Xjok1JnYzxQ/s640/b850+From+Natsuko.jpg" width="640" /></a></div>
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<i><span style="font-size: small;">ミラノのスタジオの写真集の本棚から 「奈っちゃんより」三田奈津子写真集</span></i></div>
<br />
ジャーナリズム学科は、70人ぐらいしかいない小さな学科で、都内の大学では珍しく学科内で仲が良かった。「珍しく」というのも、私が知る限りの友人の都内の大学生活は、サークル活動やバイト先などのつながりの方が濃く、学科の友人は教室で会うだけだったりする事が多い様子だったからだ。<br />
<br />
私の大学のキャンパスのメインストリート沿いには、学食と購買の横に屋根のついた。雰囲気の良いオープンスペースがあった。入学後、割りとすぐから、そこにいつも学科の友人が大勢集まるようになっていた。いつしか、そこを「陽だまり」と呼ぶようになり、他にこれといって忙しい活動のない学科の友人達にとっての常時ミィーティングポイントとなった。<br />
<br />
なぜ、あんなに学科内のつながりがあったかと思い返すと、なにかにつけて取りまとめてくれた「奈っちゃん」がいたからだろう。<br />
<br />
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<a href="http://4.bp.blogspot.com/-qGVKpSyDh5o/UA1hZ_hhKKI/AAAAAAAAAb0/TymlfX5XOjo/s1600/b850+natsuko01.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://4.bp.blogspot.com/-qGVKpSyDh5o/UA1hZ_hhKKI/AAAAAAAAAb0/TymlfX5XOjo/s400/b850+natsuko01.jpg" width="281" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">8頭身なんて言い方があるけど、奈ちゃんは、たぶんそれ以上。</span></i></div>
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<i><span style="font-size: small;">高校時代は、シンガポールのジュニアゴルフチャンピオンだったそうだ。</span></i></div>
<br />
奈ちゃんは、シンガポール育ちの帰国子女で、180cm近くも背丈があり、びっくりするほど顔の小さい女の子だった。ファッションセンスも抜群で、長い足で照れることもなく、大股で堂々とキャンパスを歩くタイプだった。とにかく、この世のものとは思えない圧倒的な存在感を持ち合わせていた。<br />
<br />
そんな見た目に加えて、英語の授業では帰国子女らしく、ぶっちぎりな英語で話し始めるのだった。我々は、男女問わず彼女に尊敬と憧憬の念を抱いた。<br />
<br />
奈っちゃんは、シンガポールの南国育ちのせいか、笑顔にためらいがなく、人との距離感を縮めるのが究極的にうまかった。私にも積極的に話しかけてくれて、陽だまりに打ち解ける事ができた。私以外にも、そんな風にして、彼女に話しかけられた人がたくさんいた事だろう。言わば、奈っちゃんを媒介として、陽だまりが一つのコミュニティーになっていったのだ。第一印象では近づき難いくらいの「格好良さ」があっただけに、その人懐っこい性格とのギャップが魅力的だった。我々は、そんな友人がいるのを、誇らしく思ったものだった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-sKy1X4eI20I/UA1jidu8WfI/AAAAAAAAAb8/LJg0oSG0kgI/s1600/B850+natsuko04.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://2.bp.blogspot.com/-sKy1X4eI20I/UA1jidu8WfI/AAAAAAAAAb8/LJg0oSG0kgI/s320/B850+natsuko04.jpg" width="320" /></a></div>
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<i><span style="font-size: small;">陽だまりにて。</span></i></div>
<br />
ジャーナリズムを学ぶ我々の多くはマスコミ志望で、変わり者だったり、派手だったり、意味もなく元気だったりした。そして、なんといっても看板娘の奈っちゃんが目立ちまくっていて、、、陽だまりのコミュニティーはキャンパス内でも、知られた存在となっていった。<br />
<br />
当然の成り行きで、学園祭のミスキャンパスコンテスト候補に奈っちゃんが選ばれた。惜しくも、後にフジテレビのアナウンサーとなる女性にミスキャンパスの座は奪われたものの、、、奈っちゃんは、準ミスキャンパスの座を得た。<br />
<br />
バブルが弾ける直前の華やかな時代だった。奈っちゃんはモデルの仕事をはじめるようになり、時折テレビでも見かけるようになった。「クラスメートが、テレビに出ている!!!」という衝撃的な出来事の後も、奈っちゃんや陽だまりは、いつものままだった。<br />
<br />
人懐っこい性格で、知り合いの多かった奈っちゃんは、キャスティングと言う仕事をはじめた。テレビか雑誌か映画か、よく分からないのだが、、、必要な場面にドンピシャの人材を見つけてきては、現場に送り込むという仕事だったらしい。とにかく、人を取りまとめる事には天賦の才があったのだ。<br />
<br />
ルックス、性格、語学力や頭の良さも圧倒的なのに、それに嫉妬を持つ者はいなかった。<br />
「そのうち、奈っちゃんは有名になるだろう。世界を駆け巡って何か伝えるレポーターの様な仕事につくのではないか?」<br />
実現可能な射程内にいるのも、明らかだった。そして、<br />
「我々は、そんな奈っちゃんの友人なのだ!」<br />
というだけで、誇りと満足を覚え、嫉妬の念までは起こらなかった。最初から比べる対象ではなかったのだろう。<br />
<br />
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<a href="http://1.bp.blogspot.com/-Kk1qHRtteKY/UA1kADiTKcI/AAAAAAAAAcE/Vs4zBZAVvH8/s1600/b850+natsuko02.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://1.bp.blogspot.com/-Kk1qHRtteKY/UA1kADiTKcI/AAAAAAAAAcE/Vs4zBZAVvH8/s640/b850+natsuko02.jpg" width="449" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">圧倒的な存在感。陽だまりの看板娘。</span></i></div>
<br />
その頃、私は陽だまりの友人達の写真を撮っていた。身の回りの人の写真を撮るのが何もよりも好きだったからだ。もちろん、奈っちゃんの写真も撮った。陽だまりで撮るだけでなく、女性のポートレートとして撮る機会も何度かあった。<br />
<br />
「仁木くんも、知らない人に話しかけるのがとても上手よね。あと、プロの人に撮ってもらうよりも、仁木くんの写真の方が好きだし、、、本当に、カメラマンになれるんじゃないかな?」<br />
と、奈っちゃんが励ましてくれたのを覚えている。彼女の声色まで思い出すくらいに。私はまだ白黒写真の現像を覚えたばかりで、趣味の写真が楽しくはなってきたものの、まだ暗中模索していた時期だった。<br />
<br />
大学3年の初夏に、奈っちゃんに頼まれて写真を撮った事があった。「モデルの宣伝用のポートフォリオに入れる写真が欲しいんだけど、、、出来れば仁木くんに撮って欲しい」との事だった。二つ返事でオーケーして、学校内を徘徊して写真を撮った。20年前の出来事なのだが、、、、その時の奈っちゃんの様子も忘れる事ができない。奈っちゃんは、元々写真を撮られる事に関しては多少戸惑いがあったのだが、その時は、まったく戸惑いがなく、自然にオープンで、そして、何よりもエネルギーの置き方が中庸だった。この中庸は、今まで何千人もの人を撮ってきたのだが、そう簡単にできるものではない。出ても引いてもいない稀な在り方だったからこそ、いまだにあの時の事を鮮明に覚えているのかもしれない。そして、時折ふと寂しそうな表情を見せた。その時はモデルになると変わるものだなあと感心したのだが、、、今では、無意識下に自分の運命を悟っていたのかもしれないと、思うようになった。<br />
<br />
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<a href="http://1.bp.blogspot.com/-TyC61jPPiBE/UA1kpPjeeuI/AAAAAAAAAcM/tnmf-lXWN-E/s1600/b850+natsuko03.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://1.bp.blogspot.com/-TyC61jPPiBE/UA1kpPjeeuI/AAAAAAAAAcM/tnmf-lXWN-E/s400/b850+natsuko03.jpg" width="280" /></a></div>
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</div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">奈っちゃん、22才の初夏。</span></i></div>
<br />
その時は何かいい写真が撮れたという感触があった。ただ、私の技術で撮れたというよりかは、奈っちゃんが、わざわざ機会を作って撮らせてくれたと言うような感じだった。<br />
<br />
その初夏の奈っちゃんは、ちょっと病気がちで、風邪をこじらせたりしていた。<br />
<br />
そして、長い夏休みから帰ると、奈っちゃんは帰省先のシンガポールから戻って来なかった。白血病の治療中だと言う。<br />
「白血病と言っても、骨髄移植などで、じきに治るだろう。俺らよりも、よっぽど将来有望な奈っちゃんが死ぬわけがない」<br />
そんな事を思っていたのもつかぬま、そのニュースを聞いたひと月後には、奈っちゃんが亡くなった事を伝える電話がなった。日本でも葬儀が行われる事を聞いた。<br />
<br />
入院中も周りを気遣い、モデルエージェンシーにも、軽い冗談と笑いを交えつつ、夏休み後のすべての仕事のキャンセルを、淡々と自分で電話で伝えていたという。<br />
<br />
すぐに私は奈っちゃんの写真のネガを持って、暗室に篭った。葬儀には、大きく引き伸ばした写真を持っていった。その時に私にできる事は、それしかなかったのだ。<br />
<br />
20代になったばかりの我々にとって、こんなショックなことはなかった。<br />
「そんな簡単に人って死んでしまうものなのか?それも、よりによって奈っちゃんが。。。」<br />
まだ、バブルの訳の分からない陶酔感が漂う90年代はじめの都心のキャンパスの中で、そんな不思議な思いを陽だまりの仲間達と共有した。人生というのは、なんとも理不尽なものなのだ、、、悪い奴が長生きして、良い人が早死にする事だってあるのだ。若い私達は、心では理解できないのに、受け入れなければならない厳然とした事実に、打ちひしがれた。<br />
<br />
私は、自分が撮った奈っちゃんの写真と、友人達の奈っちゃんに関する文章や詩を合わせて、写真文集を出版したいと思うようになった。中には友人の死を利用して、それを表現活動に昇華する事に反対する友人もいた。いつもの陽だまりで、学生らしく議論に至ったりもした。ただ、私は、ジャーナリズムを学ぶ自分たちにしかできない使命だと思った。<br />
<br />
写真文集のために、私は改めて暗室に篭った。<br />
「なんと私は写真がヘタなのだ!!!」<br />
撮り直しが効かない写真なだけに、余計にそう思った。写真のネガは完璧ではなかった。露出も狂っていて、ちょっとピンぼけの写真も多く、構図もいまいちだった。そのネガから階調の良い美しい写真をプリントを作るのは、至難の技だった。写真を一から、勉強すべきだと痛感したのはその時だった。瞬間瞬間、最高の技術で撮っておかないと、後では撮り返しがつかない事を身にしみて分かったからだ。<br />
<br />
それらの苦労してプリントした写真と、友人達の愛情のこもった文章や詩を組み合わせてみると、奈っちゃんという人間が浮かび上がってきた。あと、ヘタではあるけれども、貴重な瞬間を撮り続けていた私の写真も、自分ながら評価したいと思った。「実際に、奈っちゃんが、この世にいた」という証拠として、写真の役割がとても大きなものに感じたからだ。<br />
<br />
そんな作業を通して、写真という表現メディアに更なる可能性を感じ、それを仕事にしたいと思い始めた。その頃までには、過去の写真家の作品にも触れる機会もあり、フォトジャーナリストやポーレート作家の伝説のヒーローも知る事となった。そして、私は大学卒業後の進路を写真の勉強に充てたいと決めた。<br />
<br />
その写真文集は、「奈っちゃんより」とタイトルをつけた。陽だまりの友人たちとの会話で、「自分たちの力で、奈っちゃんに捧げるという意味合いよりも、、、奈っちゃんが我々に置いていってくれた贈り物と言う意味合いがあるのではないか?」という話になったからだ。そんな仲間たちに協力してもらって、自分たちの在学中に、出版にこぎつける事ができた。大学の購買の本屋に直接交渉して、平積みしてくれる事になった。そして、誰が買ったのか想像できないくらいに、予想以上な冊数が売れ、しばらくすると刷った分がすべて売れ切れとなった。利益も出て、骨髄移植関連のNPOに募金した。<br />
<br />
私は大学を卒業して、ひと月後には写真の勉強を目的にニューヨークに旅立った。それから、今までずっと海外暮らしをしており、奈っちゃんの励まし通りに本当に写真の仕事にも、ありつけるようにもなった。その間、偶然にも海外在住や海外出張中の日本人の中で、写真文集「奈っちゃんより」が家にあるという女性に三人ほど出会った。<br />
<br />
彼女らに聞く所によると、学内の奈っちゃんの友人達などが、何冊も買って、それを友人達に配っていたらしいのだ。彼女らは、「こんな本当の話があるんだよ」と何かのキッカケにプレゼントされたり、見せてもらったりしたそうだ。その3人は、年代的に同じか、すこし下の年代だった。食事の時などに、なにげに大学でジャーナリズムを勉強していた話などから、「あの年代で、あの大学で、ジャーナリズムなら。。。」と、彼女らから、突然、奈っちゃんの話に飛ぶような感じで、その話題に及んだ。卒業後、かなりたってから謎がとけた。そうか、それであんなに売れたのか。奈っちゃんの友人達が何冊も買っていたとは。。。「やっぱり、奈っちゃんは、すごいなあ」<br />
<br />
奈っちゃんは今でも色んな意味で、たくさんの人の心の中で生き続けているとも言えるだろう。若くして亡くなったとは言え、思い残すことなく、天国で安眠していることと、私は信じている。<br />
<br />
奈っちゃんの写真を最後に撮ったのが、大学3年の初夏で、ちょうど今から20年前。先日、ミラノの気持ちの良い初夏の風に打たれながら歩いていて、ふとあの日の事を思い出した。<br />
<br />
天国にいる奈っちゃんへ。<br />
「そういえば、報告遅れたけどさ。。。まあ一応、”フォトグラファー仁木岳彦” なんて呼ばれるようになったよ。学生の時は励ましてくれて、ありがとう!」<br />
<br />Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-78965940210923890322011-11-08T16:18:00.010+01:002020-05-08T22:57:31.989+02:00マヤ暦の滅亡論とは程遠い、水瓶座(アクエリアス)の革命について<b><span style="font-size: large;"> </span></b><br />
<b><span style="font-size: large;">このブログを始めたキッカケ</span></b><br />
<b><span style="font-size: large;"> </span></b> <br />
2009年に約1年程、集英社のWEBUOMOと言うネットマガジンの片隅にブログの連載をさせてもらっていた。「お前の文章は、なんだか難しいから、あんま読んでねえよ」と悪友から罵(ののし)られながらも、月に数回、自分が選んだテーマで書いていた。その連載が終わり、実はそれをキッカケに、私はこの個人ブログ「ミラノ徒然フォトエッセー」を始めたのだった。ブログ内のいくつかの文章は、ネットマガジンに書いたものを、そっくりそのまま転載したものである。<br />
2009年の11月の<a href="http://milanophoto.blogspot.com/2009/11/global-brain.html">「水瓶座の時代、Global Brain, 2012」</a>の回も、そのまま転載したものだ。2年前の文章なのだが、今、読み返してみて改めて、その新鮮な内容に驚いている。ただ、悪友の罵り(ののしり)は謙虚に受け止めたい。文章の一部は太字で引用しつつ、もう一度、分かりやすく噛み砕いて考えてみようと思う。<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">滅亡はない。マヤ暦の終わりは、人類の次元上昇のサイン</span></b><br />
<br />
まずは、1996年頃にニューヨークで瞑想の師から聞いた話。<br />
<div style="font-family: Verdana,sans-serif;">
<i><b>ー</b></i><i><b>「2000年辺りから、たくさんのショックな事が起きるから心配しないように。戦争、自然災害、疫病などで地球が揺さぶられるはず。それで、嘘とか闇があぶり出され
るの。2012年前後に、地球がアセンション(次元上昇)して、人類の内面レベルが一つあがる。その移行期は、大変かもしれないけれど、あなた達は、
その変化を準備する要員になっていくのよ。水瓶座の時代がはじまっていくのを見届けたいわ。。。。。。」ー</b></i></div>
マヤ暦が2012年12月22日で終わるために、 人類の滅亡や世の終わりを意味する終末論を聞くことがある。しかし、その区切りは、実際には新しい時代の幕開けのサインとなるらしいのだ。地球と人類が成長して、もう一つレベルの高い未知の世界に入って行くと言う。終末論どころか、むしろ、歓迎すべき出来事なのだ。西洋占星術の区切りで言うと現在の地球は、紀元0年あたりから2000年間続いた魚座の時代が終わって、次の2000年間続く水瓶座の時代に入る移行期間となる。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-qtWQawpicy4/TYEGwo3cm7I/AAAAAAAAAQQ/QkD6Fzk4t_U/s1600/shibuya+crossing+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="375" src="https://2.bp.blogspot.com/-qtWQawpicy4/TYEGwo3cm7I/AAAAAAAAAQQ/QkD6Fzk4t_U/s400/shibuya+crossing+b850.jpg" width="537" /></a></div>
<div style="font-family: inherit; text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">私たち無名市民の一人一人が目覚める事がキーとなるらしい。</span></i></div>
<br />
2011年、確かに日本でも大きな地震と津波がおきて、おおいに揺さぶられた。3月11日以前と以後では、人生の価値観が変わってしまった人も多いだろう。そして、原発事故とインターネットを行き交う情報のおかげで、良くも悪くも、政界や財界などの嘘が、あぶり出されている。それも、私たち人類のレベルが一つあがるための準備と言えるのかもしれない。今は亡き瞑想の師が、生前に真剣に語っていた事が、今更ながら心に迫って来る。<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">魚座の時代から、水瓶座(アクエリアス)の時代へのシフト。</span></b><br />
<br />
友人の話によると、、、<br />
<b><i><span style="font-family: "verdana" , sans-serif;">ー</span></i>地球と人類の次元上昇によって、人類の意識の革命が起こると言うのだ。例えば、点で1次
元を、平面で2次元を、立体で3次元を表す。3次元とはすなわち、私たちが住んでいる世界である。加えて、私たちが自由にコントロールできるのは、この次
元まで。それに時間軸を加えて4次元となる。ここまでは簡単に意識できる。さて5次元、6次元とは、どんな世界なのだろうか???アセンションによって、
そんな未知の次元が、これからはもっと身近になって行くだろうと言うのが、友人の説だった。「最近、シンクロニシティー(共時性、偶然の一致)や、テレパ
シー、直感などが、冴えてきてない?」と私に聞くのだった。実は、年々、自分の直感は研ぎすまされてきている様な感覚があった。いわゆる見えない世界の事が「分かる人」と「分からない人」の差も、これから激しく「2極化」して行くらしい。ー</b><br />
<br />
この「愛」と「怖れ」の二極化は地球上に二つのパラレルワールドをつくる程になると言う。<br />
<br />
個人的体験では、1990年代の後半ぐらいから、偶然が不思議に重なるようなシンクロニシティーが頻発するようになった。2000年代に入ってからは、直観がさえるようになり、時にはテレパシーのようなものを感じたり、別次元からのメッセージの様なものを受け取る事も出て来た。あと最近、ごく稀にではあるが、嘘をつく人と言うのが、その人の発するムードで分かるような感覚を感じる事がある。これらの体験が、私の単なる個人的体験ではなくて、人類の次元上昇と関係があるのだとしたら、世の中の仕組みそのものが変わってもおかしくない。例えば、政治家などの欺瞞も、市民がみんなムードで分かってしまうのだから、自然と放っておけなくなってくるだろう。極論だが、世の中を変えたかったら、政治などに直接働きかけるよりも、市民一人一人が心を開いて愛情の直観能力を磨くのが最短なのかもしれない。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-eSktTQIHWtc/TrLFmQne_dI/AAAAAAAAAV8/-UAA2_bfOUQ/s1600/B850-Fish+in+a+Church.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://3.bp.blogspot.com/-eSktTQIHWtc/TrLFmQne_dI/AAAAAAAAAV8/-UAA2_bfOUQ/s400/B850-Fish+in+a+Church.jpg" width="278" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">ミラノのある教会で見つけた魚の図柄。</span></i></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">十字架がキリスト教のシンボルになったのは4世紀頃で、</span></i></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">その前までは魚の絵(イクトゥスフィッシュ)がシンボルだった事も。</span></i></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;"><a href="http://www.blogger.com/">http://ja.wikipedia.org/wiki/イクトゥス </a></span></i></div>
<span id="goog_1478992672"></span><br />
<br />
<div style="font-family: Verdana,sans-serif;">
そして、魚座の時代と水瓶座の時代の違いはと言うと。。。</div>
<div style="font-family: Verdana,sans-serif;">
<b><i>ー</i>魚座の時代(西暦0ー西暦2012)は物質文明に加えて、精神文明が深まって行った時代であった。「愛、許し、献身」に人類が気がついた時代とも言える。
「愛、許し、献身」で、私はキリストを思い出した。彼の出現が魚座の時代と関係あるのかもしれない。しかし、自分の属するグループへの「献身」が行き過ぎ
て、排他的に他のグループと反目しあう面も強調された。それぞれのグループが、男性的なピラミッド型の縦社会を形作り、他のグループを自分のグループの傘
下に納める競争さえも、献身の目的になってしまったのだと言う。情報も上から下へ縦の一方向に流れる社会を形作った。</b>
<b><br />
それに対し、水瓶座の時代(西暦2013ー西暦4000年???)は、魚座の男性的な縦社会から女性的な横社会にシフトして行く。競争から協調のネット
ワーク社会に変わって行くとも言える。情報も魚座時代のように上から下へと言う縦の一方向ではなくなり、もっと自由に横からも下からも流れるようになる。
「博愛、平等、自由」がキーワードである。水瓶座の時代の革命は、カリスマなリーダーを必要としない。目覚めた一般市民達が横のネットワークのつながり
で、物事を決めて行く。そして、5次元、6次元を意識した直感的な市民が一般化していくと言うのだ。そして、女性的な横社会の中で、女性性が重要な役割を
担って行く様になって行く。ー</b><br />
<br />
女性性という意味では、「アラブの春」革命のネットワークでは、意外にも若いアラブの知的女性がアクティブに活動しているとも聞いた。彼女らは、ネット上で、新聞などで使われる正式なアラブ語の文語体ではなく、平易な口語体で議論するのだそうだ。もう一つの例としては、日本の脱原発運動では、ママさん層が何と言っても原動力だと言う。東日本に住む子を持つママさん達の母性の苛立ちこそ、現在の日本の精神的マグマとも言えるかもしれない。<br />
今、魚座の時代から水瓶座の時代へ移行していると考えると、2年前に書いた文章の説明が、現状に見事に符合していく。<br />
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-pHxFDGrqrPI/Tqc5dfE0oHI/AAAAAAAAAVI/T4W-400uvoY/s1600/36dd8e00d03f43a2a33426fceb8ad95f_7.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://4.bp.blogspot.com/-pHxFDGrqrPI/Tqc5dfE0oHI/AAAAAAAAAVI/T4W-400uvoY/s320/36dd8e00d03f43a2a33426fceb8ad95f_7.jpg" width="320" /> </a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">プラカードには、スペイン語で「資本主義 =(イコール)人災 」。</span></i></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;"> </span></i><i><span style="font-size: small;">何万人もの人が集まったマドリッドのソル広場のデモ。</span></i></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">デモは反社会的で暴力的な人達がするものと</span></i></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">思っていた私には拍子抜けするぐらいに穏健なものだった。 </span></i></div>
<br />
<b><span style="font-size: large;">今、世界中で起こっている事を一つ文脈として考えてみる。</span></b><br />
<br />
ここの所、追いきれない程に次々に大きな出来事がニュースを賑わしている。中東各国の情勢。アメリカの金融政策や、連鎖的な崩壊を怖れている危うい通貨ユーロと経済格差デモ。日本の地震と津波、原発事故。そして、日本以外でも頻繁に起こる地震に、火山、洪水も含めて、休みなしに起こる世界中の自然災害。どれもこれも、一見、とてもネガティブな事象である。そして、当事者にとっては、想像も絶する大きな傷となっている事だろう。そんな痛みを噛み締めつつも、しかし、冷静な大きな視点でみると、これらは我々が次の時代に移行するために必要な事なのかもしれないのだ。<br />
今、世界中で起こっている様々な事を、この一つ大きな文脈で考えても良いのではないか?と言うのが私の提案なのだが、どうだろう。<br />
<br />
例えば、もし、日本で原発事故が起こらなかったとしたら、今程に日本の市民の意識が目覚める事もなかったはずだ。<br />
生物の遺伝子に異変を起こす可能性のある事故がおきているのにも関わらず、事故の詳細さえ発表されない。縦社会のピラミッド上部では、情報のトップダウンで、すべてを今まで通りに進めたいのだろう。なんといっても、この旧体制的な縦社会のシステムの限界について、我々が議論を始めた事が、ある意味では、なんともポジティブな事なのではないかと私は思うのだ。<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">志のある者は、ピラミッドの頂点ではなくて、ネットワークの強い結び目に</span></b><br />
<br />
世界中でも、同じ様に市民が結束し始めている動きがある。キッカケは、自然災害だったり、経済の行き詰まりだったり、独裁制だったりと、様々とはいえ。。。「インターネットを道具」にし、「カリスマのあるリーダー無し」で、「市民同士のつながりを強さ」にしていている点で一致している。<br />
これからは志のある者は、人に影響を与えるピラミッドの頂点を目指すのではなく、人に共感を与える、縦横無尽の編み目状ネットワークの、強い結び目になっていく事を望むべき時代なのかもしれない。 <br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-Fb_rXJ-5t-k/Sw1k-ZMeb2I/AAAAAAAAAE4/BQcmCNflLF4/s1600/Che+Guevara-blog750.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="223" src="https://3.bp.blogspot.com/-Fb_rXJ-5t-k/Sw1k-ZMeb2I/AAAAAAAAAE4/BQcmCNflLF4/s320/Che+Guevara-blog750.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">チェゲバラの様なカリスマが</span></i></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">懐かしいと思える時代が来るかもしれないと2年前に書いた。</span></i></div>
<div style="text-align: center;">
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-iBXGkSaNOf4/TrQeCX-zKhI/AAAAAAAAAWM/5EVtc7lhSnU/s1600/b850+Network+Ambition.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="223" src="https://4.bp.blogspot.com/-iBXGkSaNOf4/TrQeCX-zKhI/AAAAAAAAAWM/5EVtc7lhSnU/s320/b850+Network+Ambition.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">「懐かしい彼方のカリスマ」と、「ネットワークの強い結び目」のイメージ</span><span style="font-size: small;">で</span></i></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">私の頭に浮かんだのは、双方とも2009年の</span></i></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">ヴェネツィア美術ビエンナーレでの写真だった。</span></i></div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">新しい時代の感覚は、まず芸術家によって表現される。</span><span style="font-size: small;"><br />
</span></i></div>
</div>
<div style="text-align: center;">
<i><span style="font-size: small;">彼らの超高感度なアンテナを侮ってはならない。</span></i></div>
<br />
<b><span style="font-size: large;">Global Brain(地球の脳内)を駆け抜ける</span></b><br />
<br />
ところで、インターネットのネットワークは、我々の脳のネットワークを模していると言われている。脳は体の司令塔と信じられいる。しかし、注目すべき事に脳内のネットワークには司令者はいない。複雑な脳内ネットワークが共同で答えを導きだす。今の現象は、地球そのものが脳になってきているとも言える。生まれて間もない、まだ歴史の浅いインターネットだが、最近、Twitterや、Facebookなどのソーシャルネットワークを使っていると、時にそんなGlobal Brain(地球脳)を体験しているような錯覚を覚える。他の人が発信した情報に喚起されて自分もアイディアを発信し、自分自身が脳の神経シナプスの一つとして、地球の脳内を駆け抜けているような感覚だ。<br />
もしかすると錯覚ではないのかもしれない。実際にソーシャルネットワークは、チュニジアやエジプトなどの旧体制を倒すこととなった革命において情報伝達の武器となった。この情報の横方向の流れは、Global Brain(地球脳)そのものと言えるだろう。<br />
<br />
このインターネットの情報の流れと同じイメージで、電力などのエネルギーなども、現在の大会社から市民への一方的なトップダウン方式ではない新しい方式のものが、一刻も早く発明される事を期待している。なんらかの形で、みんなが自家発電して共有できるような方式が世に出て来た時には、ピラミッド型の縦社会に依存しなければならない理由がなくなってくるだろう。<br />
<br />
歴史は繰り返す。しかし、もっと長いスパンで見てみると、ターニングポイントがあり、歴史は繰り返さない。そして、2000年以上前の事になると、歴史学ではなく、考古学の世界になってしまう。そこまでさかのぼると、推測するしかない位に謎だからだ。魚座の時代の前にあたる、紀元前の牡羊座の時代は、我々は考古学の知識しかない。要するに、我々が歴史と呼んで大切に語っているのは、高々2000年間の話で、それはそのまま魚座の時代の歴史に過ぎない事を忘れてはならない。議論中などに「歴史をみてみろ」と、この2000年間の例を持ち出したり、ちっぽけな自分の体験の過去を振り返ったりする愚者にはなりたくないものだ。未来は過去の続きとは限らないからだ。<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">究極的にはとてもポジィティブな事なのだから、、、 </span></b><br />
<br />
この魚座の時代から水瓶座の時代への移行も、すべてがスムーズには行かないだろう。変化の過程では揺り戻しもあるに違いない。移行した所で、別の問題も出て来るはずだ。しかし、変化の方向性は明確なのではないか。<br />
水瓶座の時代は、これから永き2000年間続くと言う。私たちは今、シフトのさなかにいる。完全にシフトが終わるには、何十年もかかると言う説もあり、まだまだ先かもしれない。2012年12月のマヤ暦の終わりで、世の中が大転換するわけではなく、一つの緩やかなターニングポイントになって行くと信じている。だいたい、マヤ暦は終わる訳ではなくて、一回りして、単に次のクルーがはじまるのだけなのだ。次の次元に移り行く世界を、この目で見て行きたい。その過程では、暗黒やカオスが表出する事もあるだろう。しかし、怖がる必要もない。この変化を、出来る限りみんなで楽しんでいこうではないか。。。今、起こっている事はすべて、究極的にはポジティブな事なのだから。世界の被災、戦災犠牲者の死を無駄にしないためにも、そんな心意気を大切にしたい。彼らも、別次元から私たちが歩を進めるのを見守ってくれているに違いないのだ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-JcF2cd08pww/TrO_-tZ4aYI/AAAAAAAAAWE/MtO5girn_Xs/s1600/b850+madonina.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="375" src="https://3.bp.blogspot.com/-JcF2cd08pww/TrO_-tZ4aYI/AAAAAAAAAWE/MtO5girn_Xs/s640/b850+madonina.jpg" width="537" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
<i>地球や宇宙にも、</i></div>
<div style="text-align: center;">
<i>私たち生物と同じ様に、気分やバイオリズムがある。</i></div>
<br />
<b><span style="font-size: large;">宇宙のバイオリズムに身を任せようではないか。</span></b><br />
<br />
私たち市民の意識が、愛情を持って新次元の直観の世界に素直に心を開けば、シフトは穏健に進み、市民の多くが怖れで心を閉ざせば、シフトをこじ開けるために劇的な要素が加わるのではないかと言うのが、稚拙ながらも私の仮説だ。ちっぽけな既得権益を守る事など、所詮、無駄な抵抗なのだ。星の配置と、宇宙のバイオリズムに、ゆったりと身を任せてみようではないか。<br />
「愛情」と「怖れ」の二極化のパラレルーワールドができるとするならば、出来るだけ多くの人が、新次元やすべてを受け入れて「愛情や直観」の世界を感じられますように。そして、そんな仲間ができるだけ増えますように。そして、自分もそこに参加できますように。<br />
<br />Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-79869639386367599482011-11-05T00:52:00.006+01:002014-09-16T12:16:39.812+02:00復興の祈り<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
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</div>
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</div>
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</div>
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</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-1FmQLi4Kx2E/TrR3cA65CkI/AAAAAAAAAWw/MgEfeL940xE/s1600/Fukkou.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><br />
</a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-1FmQLi4Kx2E/TrR3cA65CkI/AAAAAAAAAWw/MgEfeL940xE/s320/Fukkou.jpg" height="320" width="228" /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
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</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-WN_hgammuxE/TrRtZo92yZI/AAAAAAAAAWY/8upPJoa9xnQ/s400/06303d00066c11e180c9123138016265_7.jpg" height="400" width="400" /></div>
<br />
<h6 class="uiStreamMessage" data-ft="{"type":1}" style="font-family: Verdana,sans-serif; font-weight: normal;">
<span style="font-size: small;"><span class="messageBody translationEligibleUserMessage" data-ft="{"type":3}">「復興の祈り」(国民みらい出版)が発売。石原慎太郎知事、千葉<wbr></wbr>麗子さん、乙武洋匡さん、片岡鶴太郎さん、西田敏行さん、吉永小<wbr></wbr>百合さん、渡辺謙さん、いしだ壱成さんはじめ、300人のメッ<wbr></wbr>セージを掲載。機会を頂き、26番目のメッセージ(59ページ)は、私からの祈<wbr></wbr>りです。</span></span></h6>
<h6 class="uiStreamMessage" data-ft="{"type":1}" style="font-family: Verdana,sans-serif; font-weight: normal;">
<span style="font-size: small;"><span class="messageBody translationEligibleUserMessage" data-ft="{"type":3}">推進派や反対派、ナショナリストやアナーキスト、たとえ思想や主義主張が対立していても、復興を祈っていると言う想いは一緒なのかもしれません。本がミラノに送られて来て、何気にページをめくっている時にそんな事を思いました。</span></span><span style="font-size: small;"><span class="messageBody translationEligibleUserMessage" data-ft="{"type":3}"> </span></span></h6>
<h6 class="uiStreamMessage" data-ft="{"type":1}" style="font-family: Verdana,sans-serif; font-weight: normal;">
<span style="font-size: small;"><span class="messageBody translationEligibleUserMessage" data-ft="{"type":3}">もし、書店などで見かけるような事があったら、ひと時でも手にとって頂けると幸いに思います。</span></span><span style="font-size: small;"> </span></h6>
<h6 class="uiStreamMessage" data-ft="{"type":1}" style="font-family: inherit; font-weight: normal;">
<span style="font-family: inherit; font-size: small;"> </span></h6>
<span style="font-size: small;"><span class="messageBody translationEligibleUserMessage" data-ft="{"type":3}"></span></span>Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-76361626902385806752011-10-19T00:26:00.020+02:002011-10-25T00:04:57.635+02:00パリのカフェからの手紙ー天使探しの旅最近の私の撮影のテーマは「天使」。天使像を撮るためにミラノの自宅を離れ、パリへと旅してきました。キリスト教美術に溢れるヨーロッパに居を移して10年以上の時が経ちました。そんな美術を丹念に見て行くと、多種多様な天使達が至る所で登場するのを見るたびに、いつかテーマにしたいと思っていたのです。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-njZEl-8ppFw/Tp3vf81tHmI/AAAAAAAAAT8/bQbBNzSf2MI/s1600/b850+small+angel.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="537" src="http://3.bp.blogspot.com/-njZEl-8ppFw/Tp3vf81tHmI/AAAAAAAAAT8/bQbBNzSf2MI/s400/b850+small+angel.jpg" width="375" /></a></div><div style="text-align: center;"> <span style="font-size: small;"><i>パリ最大の墓地、ペレラシャースの天使像。</i></span></div><div style="text-align: center;"><span style="font-size: small;"><i>小さいけど有名な天使。</i></span></div><div style="text-align: center;"><br />
</div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-THm9IV3-2kI/Tp3tmIzvRgI/AAAAAAAAAT0/5rRISUH3gBg/s1600/b+850+oscar+wilde%2527s+tomb.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="278" src="http://3.bp.blogspot.com/-THm9IV3-2kI/Tp3tmIzvRgI/AAAAAAAAAT0/5rRISUH3gBg/s400/b+850+oscar+wilde%2527s+tomb.jpg" width="400" /></a></div><div style="text-align: center;"><i><span style="font-size: x-small;"> <span style="font-size: small;">作家のオスカーワイルドのお墓にはファンのキスマークが。</span></span></i></div><div style="text-align: center;"><span style="font-size: small;"><i>死んでも、これだけ愛されれば、作家冥利につきるのでは?</i></span></div><div style="text-align: center;"><br />
</div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-JYf2ehV27oE/Tp3xq0p8_gI/AAAAAAAAAUM/0ig8lEgg1xU/s1600/b850+chopin.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="222" src="http://4.bp.blogspot.com/-JYf2ehV27oE/Tp3xq0p8_gI/AAAAAAAAAUM/0ig8lEgg1xU/s320/b850+chopin.jpg" width="320" /></a></div><div style="text-align: center;"><i><span style="font-size: x-small;"> <span style="font-size: small;">作曲家ショパンのお墓は花で溢れ、記念撮影するグループも。</span></span></i></div><div style="text-align: center;"><span style="font-size: small;"><i>優れた芸術は何世紀も生き延びる事を再確認してしまった。</i></span></div><div style="text-align: center;"><span style="font-size: small;"><i>芸術家のお墓の愛され方は特別だった。</i></span><br />
<div style="text-align: left;"><br />
</div><div style="text-align: left;">調べてみると、教会や美術館だけでなく、パリの墓地には立派な天使像が多いと分かりました。墓地とは最初は意外でしたが、地図を片手にした観光客もかなりいました。作家のオスカーワイルドの墓にはたくさんのキスマーク。作曲家ショパンの墓では花が飾られ、記念撮影に興じるグループ。湿った感じはあまりなく、静かな彫刻公園という印象。趣向を凝らしたお墓を脇目に「天使を探す旅」もなかなか楽しいものです。</div><div style="text-align: left;"><br />
</div></div>ちなみに今日はお墓ではなく、セーヌ川左岸のある教会に映画スターの様な大天使がいると聞き、かなり探し歩きました。やっと見つけたものの、光の状態は刻一刻と変化するし、彫像だけにポーズの指示はできないし、なかなか根気のいる撮影でした。ただ、動かないのに、撮る角度でまったく違う表情をみせるので、人物撮影とは違う面白さもありました。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/-lMpakxnBHOo/Tp3wODt3AfI/AAAAAAAAAUE/RuFIAAlW44k/s1600/b850+6_Paris+St.Sulpice+01c+.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="http://2.bp.blogspot.com/-lMpakxnBHOo/Tp3wODt3AfI/AAAAAAAAAUE/RuFIAAlW44k/s640/b850+6_Paris+St.Sulpice+01c+.jpg" width="446" /></a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><span style="font-size: small;"><i>噂の映画スターの様な天使は圧倒的な存在感だった。</i></span></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><br />
</div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/-lMpakxnBHOo/Tp3wODt3AfI/AAAAAAAAAUE/RuFIAAlW44k/s1600/b850+6_Paris+St.Sulpice+01c+.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"></a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-5XnqNUHzYr8/Tp31JBqlrPI/AAAAAAAAAUc/bcj4zUteDak/s1600/b850+modern+girl.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="223" src="http://1.bp.blogspot.com/-5XnqNUHzYr8/Tp31JBqlrPI/AAAAAAAAAUc/bcj4zUteDak/s320/b850+modern+girl.jpg" width="320" /></a></div><div class="" style="clear: both; text-align: center;"> <span style="font-size: small;"><i>かつてはヘミングウェイが原稿を書いていたかもしれないテーブルで、</i></span></div><div class="" style="clear: both; text-align: center;"><span style="font-size: small;"><i>現代のパリジェンヌは携帯電話を使って情報交換したり、</i></span></div><div class="" style="clear: both; text-align: center;"><span style="font-size: small;"><i>おしゃべりに興じたりしていた。</i></span></div><div class="" style="clear: both; text-align: center;"><br />
</div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-psXm14Wv9i0/Tp30mPNgFUI/AAAAAAAAAUU/p32H9sUIwVc/s1600/b850+cafee.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="223" src="http://3.bp.blogspot.com/-psXm14Wv9i0/Tp30mPNgFUI/AAAAAAAAAUU/p32H9sUIwVc/s320/b850+cafee.jpg" width="320" /></a></div><div style="text-align: center;"> <span style="font-size: small;"><i>コーヒーとミルクが惜しげもなくたっぷりと別々の瓶に。</i></span></div><br />
ようやく、今ひと仕事終えて、カフェで一服しています。サンジェルマンデプレ地区の「レドゥマゴ」。サルトルやボヴォワールが根城にし、ピカソやヘミングウェイも足繁く通った名店です。彼らの議論を想うだけでも刺激的。何しろ世界的な文学や哲学が、ここで生まれたのですから。<br />
<br />
カフェオレはここでは、Cafe’ Cremeと呼ぶそうです。コーヒーとミルクが別々の瓶にたっぷりでてきて、これまたオシャレ。と言うか、その佇まいが長居しても良いというサインにすら思えます。要するに、議論したり、原稿を書いたりするには、まさに最高の場所なのです。<br />
<br />
屋外席の椅子がみな通りの方を向いていて、それも気に入りました。道ゆく人や隣の客を眺めているだけでも、彼らそれぞれの物語を感じ、全然飽きません。パリのカフェ文化が生まれた地とあって、興奮気味です。<br />
<br />
値段もさほど高くなく、観光客だけでなく、パリッ子たちも使っています。文学や哲学の妖気が今も漂っているのは、そのあたりの絶妙なさじ加減かもしれません。さずがはパリ。Cafe’ Cremeは成熟した大人の薫りがしました。<br />
<br />
この一杯が効いたのか、天使の写真に添える文章などが浮かんできそうです。では、また。 <br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-TIYNfFLA-Zc/Tp32DCkZkmI/AAAAAAAAAUk/fdWXzNppn70/s1600/b850+dumago.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="222" src="http://4.bp.blogspot.com/-TIYNfFLA-Zc/Tp32DCkZkmI/AAAAAAAAAUk/fdWXzNppn70/s320/b850+dumago.jpg" width="320" /> </a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <span style="font-size: small;"><i>現在でもカフェが主催する文学賞があるそうだ。</i></span></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"><i><span style="font-size: x-small;"><br />
</span></i></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"><a href="http://www.blogger.com/goog_1947972041"><br />
</a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"><a href="http://taiseisha.jp/">雑誌「珈琲時間」2011年11月号の記事を転載させて頂きました。 </a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"><a href="http://taiseisha.jp/">掲載誌は全国の書店、またはAmazonなどにて現在発売中です。</a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"><br />
</div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://taiseisha.jp/" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="200" src="http://4.bp.blogspot.com/-G-jM66eZyhE/Tp39zsrepwI/AAAAAAAAAU0/pG8ACR_QJfs/s200/51oWVReYWoL._SL500_AA300_.jpg" width="200" /></a></div><br />
<a href="http://www.amazon.co.jp/%E0%DB%E0%E8%8E%9E%8A%D4-2011%94N-11%8C%8E%8D%86-%8EG%8E%8F/dp/B005HQK5ES/ref=sr_1_4?s=books&ie=UTF8&qid=1317194778&sr=1-4"></a>Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-62586691036953201272011-07-28T22:25:00.020+02:002020-05-08T20:56:11.193+02:00ミラノで垣間みたチャリティー精神、日本人としての自分震災の数日後、その訪問者は昔ながらの方法で、私の家にやって来た。互いの携帯番号やメールアドレスを知らないのだから、仕方がない。アパートのドアベルを、いきなり鳴らして来たのだった。近所の教会の日曜ミサで会う人だった。会う度に挨拶を交すのだが、それ以上の間柄でもなかった。イタリア空軍に働くお父さんで、たまに制服を来て、子供と歩いているのを良く見かけた。なんの用事かと思ったら、神妙な面持ちで伝えて来た内容は「地震のニュースを聞いたのだが、家族は大丈夫か?何か、助けられる事があったら言って欲しい。もし、チャリティーのイベントなどもあったら、それも教えてくれないか?」と言う事だった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-pgs9V0CxhHc/TjGOIoZ73sI/AAAAAAAAASo/ygkVkeMi5nE/s1600/_DSC4330+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://1.bp.blogspot.com/-pgs9V0CxhHc/TjGOIoZ73sI/AAAAAAAAASo/ygkVkeMi5nE/s640/_DSC4330+b850.jpg" width="420" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
近所のキオスクで見かけた「復興」の文字</div>
<br />
彼以外にも、沢山のイタリア人の友人達や、知り合いが、日本の事を心配してくれた。電話やメール、または道端で、家族の安否や日本の状態について気遣ってくれた。遠い日本での出来事を、こんなに身近に感じてくれている。そして、出来る範囲で、何かをしたがっている人がたくさんいるのだ。なんと有り難い事だろう。<br />
<br />
震災から数日後にはカトリック系の新聞が、震災について私に取材をした。それが<a href="http://milanophoto.blogspot.com/2011/03/blog-post.html">紙面</a>に載ったその日、ミラノ郊外の教会の神父が私にコンタクトをしてきた。「是非、私達の教会に来てスピーチをしてくれないか?」と言う。こんな時に、日本人と対話を持ちたいと言う人達がいて、それを断る理由は何もない。4月の初旬に、彼らの教会に行って来た。スイス国境にも近いであろうミラノ郊外の田舎町までは、車で小一時間程かかった。その集まりは、復活祭前のお祈りを兼ねていた。神父は、十字架の道行きというお祈りを早めに切り上げて、私を紹介した。何から話して良いかよく分からなかったが、彼らが次々に質問してくれたので、それに答えていくだけでも、ある種のスピーチになった。私がどうして信仰に至ったかの話と、震災後の日本の状況が話題の中心だった。日本では、カトリックが、かなりのマイノリティーである事に、みんなまずは驚き、そんな中で私が聖母マリアとの出会いを通して信仰に至った経過を話した。そして、震災については、ニュースそのものはみんな知っていたわけだから、日本の友人達がメールなどで私に知らせて来た話を中心に話した。出版業界の紙やインク不足など、災害地以外の被害についての話も結構新鮮に響いたようだった。都心の飲食、娯楽業界も大打撃を受けている事も、熱心にうなずきながら聞いてくれている人も見受けられて、救われた感じがした。そして、彼らはすでに、募金を集めてくれていて、それを渡したいがためにも、私を呼んだ事も分かった。田舎街の小さな教会のわりには、その募金がかなりの額で、とても驚いた。日常生活では見た事がない高額紙幣も何枚も入っていた。額はともかくとしても、そんな彼らの気持ちがとても嬉しかった。日本人の友人がいないカトリックコミュニティーが、日本人の私にわざわざコンタクトをとり、その新しい友人である所の私を呼んでまで、助けとなりたいと願ってくれたわけだ。募金を預かるなんて経験は私にとっては初めてで、預かった後、とても緊張した。他人の良心を預かったようなものだからだ。色々と調べて、カトリックの<a href="http://www.caritas.jp/">ボランティア支援組織カリタスジャパン</a>に送る事にした。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-rEazXFk6gEs/TjGLGsmYAlI/AAAAAAAAASk/gJdWJ_10PyM/s1600/_DSC4100+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="263" src="https://4.bp.blogspot.com/-rEazXFk6gEs/TjGLGsmYAlI/AAAAAAAAASk/gJdWJ_10PyM/s400/_DSC4100+b850.jpg" width="400" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
レオナルドダヴィンチ科学博物館で行われたイベント『Arte e Natura』</div>
<div style="text-align: center;">
日伊の芸術家の講演会冒頭で、震災被害を想い、黙祷を捧げる参加者 </div>
<br />
その他にも春から夏にかけて、チャリティーイベントが目白押しだった。草の根で自発的にたくさんのイベントがあり、そのすべてに参加するのは到底、無理だった。そのすべてをここで紹介できないのも残念だ。ただ、普段通りの生活が負担にならない限りは、とにかく参加する事にした。<br />
<br />
まずは、3月末には私も作品で協力したARTE GIAPPONEが企画したグループ展とコンサートがあった。在ミラノの日本人アーティストや音楽家の賛同と協力を得て実現した。イタリア人も大勢、押し寄せて来て大成功。アート作品の売上金と募金箱の義援金すべてが、被災地に送られた。Luce per Giapponeと言う有志が企画した別のコンサートも、ミラノ市内の中央で開かれた。その義援金は南三陸町の幼稚園の再建に使われるという事だった。ミラノがアートやオペラの中心地と言う事の地の利を活かしたイベントだった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<object class="BLOGGER-youtube-video" classid="clsid:D27CDB6E-AE6D-11cf-96B8-444553540000" codebase="http://download.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=6,0,40,0" data-thumbnail-src="http://2.gvt0.com/vi/l_XEIuk005Y/0.jpg" height="266" width="320"><param name="movie" value="https://www.youtube.com/v/l_XEIuk005Y&fs=1&source=uds"><param name="bgcolor" value="#FFFFFF" /><embed width="320" height="266" src="https://www.youtube.com/v/l_XEIuk005Y&fs=1&source=uds" type="application/x-shockwave-flash"></embed></object></div>
<div style="text-align: center;">
Arte Giapponeで行われたコンサート</div>
<div style="text-align: center;">
いつ聞いても感動を誘ってしまう「ふるさと」</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
<iframe allowfullscreen='allowfullscreen' webkitallowfullscreen='webkitallowfullscreen' mozallowfullscreen='mozallowfullscreen' width='320' height='266' src='https://www.youtube.com/embed/6UN5KAY1cEI?feature=player_embedded' frameborder='0'></iframe></div>
<div style="text-align: center;">
Luce per Giapponeという有志が集まって実現した</div>
<div style="text-align: center;">
ここでも、コンサートの最後の方で、<br />
オペラ歌手達が歌う「ふるさと」</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
世界中のデザイン界が集まるお祭り、ミラノサローネ(家具デザイン見本市)の時期にも、知る限り、『チャリティーボックス展』と『For Smiles Japan』と言う二つのイベントがあった。<br />
<br />
『チャリティーボックス展』と名付けられたイベントでは、工業デザイナーや建築家などにいわゆるチャリティーボックス(募金箱)をデザインしてもらって、それを展示すると言う試みだった。見に来た人は、自分が気に入ったチャリティーボックスに募金し、それが則ち震災救援募金になると言う粋なアイディアだった。ミラノサローネの期間は4月の中旬。よくも、あそこまで準備できたと思う。 <br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-AxF0ZVnyWhw/TjGQGnlCjMI/AAAAAAAAASw/Vc1OfFUPFG4/s1600/_DSC3215+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="263" src="https://2.bp.blogspot.com/-AxF0ZVnyWhw/TjGQGnlCjMI/AAAAAAAAASw/Vc1OfFUPFG4/s400/_DSC3215+b850.jpg" width="400" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
『チャリティーボックス展』の様子</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-uoWQXfs9zRw/TjGQgxvAHqI/AAAAAAAAAS0/Gn7YXZDmvDY/s1600/_DSC3178+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="212" src="https://3.bp.blogspot.com/-uoWQXfs9zRw/TjGQgxvAHqI/AAAAAAAAAS0/Gn7YXZDmvDY/s320/_DSC3178+b850.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
チャリティボックスの一つに真剣に寄せ書きをする子供</div>
<br />
『For Smiles Japan』では、震災直後に被害地に入った在東京のイタリア人写真家ジャンニ・ジョスエ氏(<a href="http://www.giannigiosue.com/">www.giannigiosue.com</a>)の写真を飾り、 寄せ書きコーナーがもうけられた。写真家自身も実際に来てくれて、スライドショーと講演をしてくれた。現地の声をイタリア人から聞くと言う不思議な体験だった。ミラノのトルトーナ地区と言う、ミラノサローネの期間では最高に人通りの多いゾーンが会場だったせいか、意図せず、なにげに入って来る人も多かったようだ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://2.bp.blogspot.com/-NYsm3Lp9tZo/TjGOtg8UagI/AAAAAAAAASs/PQ32t9CQcUI/s1600/_DSC3558+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="263" src="https://2.bp.blogspot.com/-NYsm3Lp9tZo/TjGOtg8UagI/AAAAAAAAASs/PQ32t9CQcUI/s400/_DSC3558+b850.jpg" width="400" /> </a></div>
<div style="text-align: center;">
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<object class="BLOGGER-youtube-video" classid="clsid:D27CDB6E-AE6D-11cf-96B8-444553540000" codebase="http://download.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=6,0,40,0" data-thumbnail-src="http://2.gvt0.com/vi/B0TjZ_A7M8o/0.jpg" height="266" width="320"><param name="movie" value="https://www.youtube.com/v/B0TjZ_A7M8o&fs=1&source=uds"><param name="bgcolor" value="#FFFFFF" /><embed width="320" height="266" src="https://www.youtube.com/v/B0TjZ_A7M8o&fs=1&source=uds" type="application/x-shockwave-flash"></embed></object></div>
『For Smiles Japan』での、ジャンニジョスエ氏の講演会の様子</div>
<br />
元々、ここ数年、イタリアでは、日本の存在感が上がって来ている。まずは空前の和食ブーム。9割が中国人経営とはいえ、ミラノには300軒もの和食レストランがあるとも聞く。私がミラノに来た10年前からくらべると10倍以上の数になっている計算になる。MTVでは日本のマンガをオシャレ文脈で放送し、キティーちゃんグッズを街で目にしない日はまずない。ミニマリズムのシンプルな家具や空間の事を、「ジャッポー(日本的?)で、アルマーニスタイルよね」と若者のスラングにも絡んでいる。「日本や日本人が、もしかしたら、オシャレで格好良いのではないか?」と、若者たちは意識している様だ。ファッションブログのページでも、日本人が被写体として、かなり食い込んでいるのも、彼らは決して見逃さない。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-ChqlgWOImJo/TjGsFAoKkMI/AAAAAAAAATA/0k0tLR7Qpt0/s1600/_DSC2017+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="213" src="https://4.bp.blogspot.com/-ChqlgWOImJo/TjGsFAoKkMI/AAAAAAAAATA/0k0tLR7Qpt0/s320/_DSC2017+b850.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ミラノのブティックで見つけた日本向け募金箱</div>
<br />
そんな意識の高まりの中で震災でみせた日本人の落ち着きに、イタリア人は自分達にはないものを感じ、惹かれてたようだ。私が日本人なので、元々、日本に興味のある人達が寄って来る。しかし、震災後はそれ以上の何かを再確認させてくれた。彼らがチャリティー精神を発揮する時、お返しが欲しいわけではない。友情のような、なんらかの連帯感さえ感じる事ができれば、それで満足している。今回のこの場面では、日本は全面的に助けを求めても良い局面だったはずだ。<br />
<br />
大抵のチャリティーイベントは、日本人が企画をして、それにイタリア人が絡んで来る形を取っていたが、完全にイタリア人が企画したイベントもあった。Camera 16という画廊の写真展は、「<a href="http://www.camera16.it/artist.php?a=AA.VV.-KOKORO">KOKORO</a>」と言うタイトルをつけて、80人の写真家が参加した。ミラノの写真界のネットワークが、この写真展を成功に導いたようだ。参加している写真家の中には、有名な名前もいくつかあった。イタリア人独自でも、日本のためのチャリティーをしようとしてくれていたのだ。彼らの行動力に、ひたすら感謝したい。彼らイタリア人に誘われ、<a href="http://www.milanodabere.it/milano/mostre/kokoro_23937.html">私も写真で参加した</a>。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-D7VCBwveDEw/TjGReAzS24I/AAAAAAAAAS4/lcpUm0-ubsI/s1600/_DSC4276+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="265" src="https://4.bp.blogspot.com/-D7VCBwveDEw/TjGReAzS24I/AAAAAAAAAS4/lcpUm0-ubsI/s400/_DSC4276+b850.jpg" width="400" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
完全にイタリア人主導で企画されたチャリティー写真展『KOKORO』</div>
<br />
この時期、私はミラノのロータリークラブでも講演する機会に恵まれた。「日本人がイタリアから学んでいるものと、イタリア人に学んで欲しい日本的なコミュケーション」について、話した。私たちが勝手にイタリアから学んでいる「ちょいワル」や「ミラノマダム」という概念を説明したり、イタリア人が惹かれている我々日本人のコミュケーションの空気感についての謎を解き明かしたりしてみた。ロータリークラブの友人から最初に講演の話があったのは去年だったので、当初はただ自分の写真の世界観を見てもらおうと思っていた。ただ、日本の存在感が、震災後色々な意味で高まっている以上、日本人の私は日本の事を語る必要性を感じた。。。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-Xn5U0iD1mcc/Ti9ZSFrZA5I/AAAAAAAAASg/VwIM6bHd0uw/s1600/Rotary_DSC4294+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="263" src="https://3.bp.blogspot.com/-Xn5U0iD1mcc/Ti9ZSFrZA5I/AAAAAAAAASg/VwIM6bHd0uw/s400/Rotary_DSC4294+b850.jpg" width="400" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ミラノのロータリークラブでの講演。</div>
<br />
理想論として、人の事を国境で分けたりしたくない。ただ、外国に住む私は自分が日本人である事を、時には無視できない場面がある。まずイタリア人から見ると、私が日本人であると言う事実はかなり重要らしく、何かと日本の事を聞いて来る。彼らにとっては私は日本という国と文化を代表する存在なのだ。そして、この外国人の私を暖かく迎え入れてくれている。それどころが、助けてくれようとしている。<br />
<br />
日本の文化と人間性を磨いて来た先人達に、ただただ感謝している。しかし、逆を返せば、放射線や放射性物質を地球にまき散らしている国の一員としても、堂々と矢面に立たなければならないのかもしれない。我々が過去の世代に感謝するように、未来の日本人は、我々世代に感謝してくれるのだろうか?果たして、今、我々がするべき事を遂行しているのだろうか?<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-en9zS_Xkm54/TjGSXj4TkpI/AAAAAAAAAS8/VFxKckw8JF4/s1600/_DSC4185+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://3.bp.blogspot.com/-en9zS_Xkm54/TjGSXj4TkpI/AAAAAAAAAS8/VFxKckw8JF4/s320/_DSC4185+b850.jpg" width="211" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ミラノのコーラスグループが企画した</div>
<div style="text-align: center;">
チャリティーコンサートの会場前には</div>
<div style="text-align: center;">
イタリアと日本の国旗が。</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-30345633865719844462011-03-22T13:16:00.009+01:002020-05-08T17:24:50.576+02:00震災とインタビュー<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<b><span style="font-size: large;">ミサの告知記事の隣に</span></b></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
震災について、カトリック系の新聞のインタビューの受けた。被災者でもないので、私には語る資格などないようにも一瞬思えたのだが、とにかく在ミラノカトリック教徒の日本人に日本の話を是非とも聞きたいと言う趣旨だったので、喜んで協力した。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
インタビューなので、自分の意見などは封印し、なるべく質問に答える事にした。多少の脱線は記事に動きを与える事があるものの、大きく脱線し過ぎても書けない事が多い。3月20日の日曜日にはDUOMO(ミラノの大聖堂)で、震災の日本人の為に祈るミサが予定されていた。私自身もジャーナリズムに関わるゆえ、そのミサの告知記事の隣辺りに私の記事が来る事も何となく予想できた。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://lh3.googleusercontent.com/-dLeJEzyYv94/TYeIQT6WCCI/AAAAAAAAAQo/wHuT0ur3pN4/s1600/AvvenireMilanoSette+b850.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://lh3.googleusercontent.com/-dLeJEzyYv94/TYeIQT6WCCI/AAAAAAAAAQo/wHuT0ur3pN4/s640/AvvenireMilanoSette+b850.jpg" width="446" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
(3月20日版のAvvenire。Giapponese(日本人)の文字が。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
ミサをの告知と、私のインタビュー記事)</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
家が津波で流された友人の家族の話や、暖房や食料もままならないのに、被災地で風邪を引いている友人の話をした。日本は豊かな国だが、今、日本は現実的な助けを必要としている。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
私は、遠くミラノに住んでいて、震災には関係ないようだが、仕事や用事のない時間の多くは震災関連のニュースをネットで集めている。海外ニュースと国内ニュースで温度差があり、その差の理由などを、またネット上で漂流して探すといった具合だ。のめり込みすぎて、吐き気を感じたりする事もある。共感疲労と呼ぶらしい。記事のタイトルには、「Sto male , ma devo essere forte (具合が悪くなったりもするけど、しっかりしなくてはならない)」と書いてあった。被災者ではない私たちも、なんらかの形でサポートに関わらなくてはならないのだから。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
東京の友人達が、なるべくいつも通りに働こうとしていると言う話は、とてもリアルに感じたようだ。海外トップニュースは、津波や地震のハイライトが多いからだろう。現時点で東京が止まってら、日本全体が止まってしまう。 みんなパニックを起こさない様に、落ち着いて暮らす様に心がけている様だ。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
インタービューの日は静岡でも地震があったばかりで、それについても触れる事となった。私は、その日、ネット上で震源地の地図と日本の地図を重ねたものを見た。震源地は、ほぼ富士山だった。「富士山を震源」と言わず、「静岡県で強い地震がありました」と伝えるニュースに、私は却って不安になってしまった。富士山は地理的にも日本の中心だが、精神的にも中心だから、富士山はぜひとも無事であって欲しい。静岡県には浜岡原発もある。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<b><span style="font-size: large;">原発についてはとりあえず一行</span></b></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
原発については、今年イタリアで市民投票がある関係で、そのテーマだけで、イタリアでもゴールデンタイムに1時間程の特別TV番組を組むぐらいの大問題と捉えられている。だから、この記事では深く入るのを避けたのだろう。「体を張って働いている無名の志士に、我々は祈りを向けている」事が、一行触れられていただけだった。原発に関してはヨーロッパの世論が、大きく揺れ初めている。地球温暖化問題と原発推進は両輪で連動していただけに、これからも議論が続くだろう。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
日本人なら、この苦難を超えられる。そう、みんな思っている。神は超えられない苦難など与えないのだから。でも、今、我々は助けを必要としている。そして、世界は日本の事を助けたいと思っているのだ。カトリック系の新聞社も、私へのインタビューでそれを再確認したかったのだろう。どう助けたら良いのかは、彼らもオファーしてくるだろうし、我々から頼んでも良い。もう、具体的な方法を探りはじめている段階に来ている。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
記事が新聞が載った日、ミラノ郊外の教会の見知らぬ神父から早速メールが来た。日本のコミュニティーと対話を持ちたいという申し込みだった。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
何かと忙しくなりそうだ。もしかすると、震災の影響で日本の媒体の仕事は減るかもしれない。それは、ちょうど良い。「日本の文化とか、今の状況とか、じっくり対話してやろうじゃないか。。。」ついでに、募金も集めてこよう。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
イタリア人の日本への興味は、ここ数年かなりのものだ。空前の日本食ブーム、おしゃれなクールジャパン、教育水準の高さ、他人を尊重する態度。それに震災で見せた落ち着きとカミカゼ魂、、、、興味がつきないのだろう。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
今朝は、電話で起こされてチャリティー美術展覧会の企画の連絡があった。メールにはテレビ局がインタビューに答える日本人を探していると言うメッセージが。。。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
海外在住17年。たまにしか帰国もしないけど、日本人として産まれた自分に相変わらず感謝。 </div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://lh4.googleusercontent.com/-cYPNIes99gI/TYiRIwDsI9I/AAAAAAAAAQ0/-4YPVBM7hbI/s1600/sto+male%252C+ma+devo+essere+forte.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://lh4.googleusercontent.com/-cYPNIes99gI/TYiRIwDsI9I/AAAAAAAAAQ0/-4YPVBM7hbI/s400/sto+male%252C+ma+devo+essere+forte.jpg" width="108" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
(L'articolo in Italiano. Clicca l'immagine per ingrandire)</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-74176384034876669052010-08-15T00:10:00.011+02:002010-08-21T00:51:03.449+02:00エルサレムの聖マリア20代、許す限り旅をした。数ある訪れた場所の中で二カ所、また必ず戻ってきたいと強い縁を感じた場所があった。一つがイタリア。思った通りに、戻ってくる事ができた。それどころか、現在こうして住んでいる。<br />
<br />
もう一つの場所は、イスラエルだった。十年以上前に一度訪れたきり、再訪の機会は、まだない。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/TGbHxkV74gI/AAAAAAAAANc/f-z8w73zs8U/s1600/israelian+kissing-b750.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="http://2.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/TGbHxkV74gI/AAAAAAAAANc/f-z8w73zs8U/s400/israelian+kissing-b750.jpg" width="278" /></a></div><div style="text-align: center;"> [徴兵前の抱擁]</div><br />
イスラエル行きを決めたのは、知的好奇心からだった。多くの戦争の火種が、そこから来る。なぜ、イスラエルなのか?そんな漠然とした疑問があったのだ。<br />
<br />
まずは、飛行機の窓から見えるエジプト領の紅海沿いのシャルマシェイク空港に驚いた。滑走路が見えなかったからだ。砂漠に直接降りて行くように見えたのだ。徐々に飛行機が高度を下げて、着陸しようとすると飛行機の風が砂を舞い上げて、滑走路が顔を出した。滑走路がうっすらと、砂に覆われていたのだった。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/TGbHcOtzy_I/AAAAAAAAANU/O5X1IoZGy_o/s1600/redsea+road-b750.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="278" src="http://4.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/TGbHcOtzy_I/AAAAAAAAANU/O5X1IoZGy_o/s400/redsea+road-b750.jpg" width="400" /></a></div><div style="text-align: center;">[行き来する車は、みんなの交通機関となる]</div><br />
<b><span style="font-size: large;">エデンの園があってもおかしくないと思わせる場所</span></b><br />
<br />
そこからはエジプト人のトラックの荷台や、行き来する乗用車に乗せてもらって、ゆっくりと北上した。紅海沿いのビーチのいくつかに滞在しながら、私は旧約聖書を読んだ。<br />
神が六日間で地球を作って七日目に休んだ話や、アダムとイブが蛇にそそのかされて禁断の木の実「リンゴ」を食べて楽園を追われてしまった話など、都会で読んだなら、おとぎの世界のような話が、紅海に浸りながら読むと現実感のあるものとなった。砂漠と紅海には、普段の論理的な思考をさえぎる様な雰囲気があった。人の少ない紅海沿いのビーチの向こう側に、エデンの楽園があっても、決しておかしくないとさえ思ってしまった程だった。そして、うむも言わせない強い存在、言うなれば「神」が存在しているような空気があるのだ。<br />
<br />
地中海は一神教生誕の地。砂漠の自然は厳しい。アラブ語もヘブライ語も、人々はノドをかき鳴らして話す。風にかき消されて、自分の声さえ響かないような場所なのだ。アジアの様に、観察したり触ったり、跳ね返って来る自分の声で、相対的に自分の存在と位置を確認できる豊かな優しい自然とはまったく異なる。砂漠では自分の存在や位置を確認したり、次に行く場所を決める時、空をあおぐしかないのだ。それが、概念としての「神」を必要としたと言う説があるようだが、おおまか納得できる。<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">人生最高のキブツの食事、誰もが欲しがる土地</span></b><br />
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更に北上して、エジプトからイスラエルに入った。モーゼに導かれたユダヤの民も似た道筋を通ったのかもしれない。まずは、死海の近くのキブツに泊まる事にした。塩分のせいで体が浮く事で有名な死海も体験してみたかったからだ。キブツとはイスラエル各地に、ユダヤ人が形作った自給自足コミュニティーの事である。いわゆる共産主義が、完璧に機能している。リーダーは持回り制で、それぞれは、土地財産などの所有物をほとんど持たない。なにより一人一人の教育レベルが高く、意識的に農作業などの仕事に励むのだそうだ。子供たちは、行きたければアメリカの大学に行く事もできるし、コミュニティーが支援する。なのに将来、コミュニティーに帰ってくる必要もないのだそうだ。いわゆる宗教的なコミュニケティーでもない。共産主義は、コミュニティーが小さくて、個々の目的意識が高い時には、機能するものらしい。<br />
<br />
そして、その死海のほとりのキブツの食堂で食べた食事は、今までの人生で食べたものの中で、最も美味しいものだった。私は感動しすぎて、泣きそうになった。その食事は、パン、ヨーグルト、野菜サラダ、卵焼き、肉のグリル、果物のような至ってシンプルなものだったが、何かが特別だった。地球のエネルギーが、ダイレクトに体に入って来て、体中の細胞のすべてがビックリして目を覚ましたようだった。<br />
<br />
キブツのメンバーと一緒に、死海にも行ってみた。老若男女がケラケラ屈託なく笑いながら泥を塗り合っていた。海水の10倍の塩分を含むという塩湖に体を浮かべてみた。心身ともに、生き返った気がしてきた。食事といい、死海といい、それ以上のものは、何も必要と感じないであろう。私は体の芯から、満ち足りてしまった。英語で「The Promised Land(約束の地)」と言えば、イスラエルの事を指す。私は、そこが特別な場所だと、確かに体で感じた。こんなに特別な場所なら、誰もがこの土地を欲しがって、戦争するのも不思議はない。。。戦争の火種は、そんな土地の特別な磁気から来るのかもしれない。とにかく、とてつもない土地の恵みを感じた。他のどこの場所でも、こんな感覚は感じた事はなかった。<br />
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/TGaoj3MgonI/AAAAAAAAANM/fih2uhugDGY/s1600/prayer+jerusalem-750.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="537" src="http://4.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/TGaoj3MgonI/AAAAAAAAANM/fih2uhugDGY/s640/prayer+jerusalem-750.jpg" width="375" /></a></div><div style="text-align: center;">[階段の踊り場で祈る修道僧]</div><br />
<b><span style="font-size: large;">エルサレムでの神秘体験、聖マリアとの出会い</span></b><br />
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南の砂漠地帯、北の森林地帯、イスラエル各地を色々と回った。しかし、イスラエルの旅のメインイベントはエルサレムへの巡礼だろう。ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の巡礼地であり、戦争や人類の歴史の舞台の中心地である。宗教的には完全にニュートラルだった私は知的好奇心で、各巡礼地を普通に見物するつもりだった。。。<br />
<br />
イエスキリストが十字架に掛けられたゴルゴダの丘があったされる場所には、聖墳墓教会というキリスト教の聖堂がある。何世紀にも渡って、ローマカトリック、ギリシャ正教会など6つの教派により共同管理されていると言う。有名な教会のわりには、入り口が極端に小さかった。それは、教会を守ると言うのが、命がけだった証拠でもある。<br />
<br />
聖堂の右の階段を上がった所が昔のゴルゴダの丘にあたり、そこにも小部屋があり聖マリア像があった。細かな記憶が曖昧なのだが、その部屋にいた正教会系の神父と、短い会話を交した後、確か聖マリア像のちかくに座った。そして、私は、何の前触れもなく突然泣き崩れたのだった。五分泣いていたのか、一時間泣いていたのかも、分からない。まったく時間の感覚が麻痺していたからだ。泣くと言っても、シクシクと涙がこぼれると言う泣き方ではなくて、声をだして激しく嗚咽していた。そして、どこからともなく無限の白い光がやってきて、優しく私を包んだ。その白い光の存在は、とてつもなく暖かい愛のエネルギーだった。私は今まで一人で旅してきたと思っていたのだが、それが完全な誤りだった事に気がついた。その存在は、常に私と共にいてくれていたのだ。そして、すべてが許されることも知った。あれ以前にも以後にも、あの時の様な100%の幸福感を感じた事はない。その白い光は、空に浮かぶ白い雲のようにフワフワしていて、360度すべての角度から、まるごと私の体をすっぽりと包んでくれた。嗚咽している間も、巡礼者や観光客がひっきりなしに、その部屋に入ってきたり出て行ったりしていた。観光地の教会というのは、人がたくさんいて騒々しく、清々しい雰囲気などないものだが、そこも例外ではなかった。私は目をつぶっていたわけではないので、そんなザワザワした人々の動きを涙越しに見ながら、平行して同時に、その無限の白い光を見ていた。自分が、矛盾なく、連続した二つのパラレルな世界に存在していた。<br />
<br />
私は、探し求めていたわけでもないのに、いきなりそんな神秘体験をしてしまったわけだ。聖マリア像の近くに座っていたせいか、その暖かく無限の白い光の存在を聖マリアだと思うようになった。その体験以降、その白い光の存在だけには従順でありたいと思うようになった。例え、地球上のすべてのものに反抗したとしても。。。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/TGans9tojHI/AAAAAAAAANE/YUIxfQSIsm4/s1600/santa+maria+jerusalem-b750.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="375" src="http://4.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/TGans9tojHI/AAAAAAAAANE/YUIxfQSIsm4/s640/santa+maria+jerusalem-b750.jpg" width="537" /></a></div><div style="text-align: center;">[第三の目のチャクラが発光し、目に涙をためているようにも見える聖マリア像]</div><br />
嗚咽の後、帰り際に私は、聖マリア像の写真を撮ったようだ。ニューヨークの自宅で白黒フィルムのネガを現像して、また驚かされた。その彫像が生きているような表情をしていて、しかもうっすらと涙を浮かべているように見えたからだ。「マリア様も泣いているではないか?」更に額の第三の目の所が、なぜか発光していて観音像のようにも見えた。私は写真を撮った時には、その額の光には気がつかなかった。実際、そんな光はあったのだろうか?<br />
まあ、ろうそくか、なにかの光が反射したに違いない。ただ、二つの光が聖マリア像の両方の目に反射して、涙をためているような表情を演出し、もう一つの光が観音像のように額の第三の目のところで、ばっちり反射していた。そんな三つの光の完璧な偶然が起こるのは、とても稀な事だ。そんな偶然が、この写真の不思議な雰囲気を醸し出していた。<br />
<br />
今では、この偶然が必然だったと解釈する事にしている。そして、あの白い光は普遍的な女神の愛の現れだと思うのだ。あの白い光を、仏教徒とは観音様と呼び、キリスト者は聖マリアと呼び分けているのではないか?東洋でも西洋でも、古代から同じ様に女神のエネルギーが降り注いできたに違いない。この写真には、西洋の聖マリアの向こうに東洋の観音様が透けてみえていると言うのが、自分なりの結論としている。<br />
そして、現在、ヨーロッパに在住している事もあり、なんらかの形で東洋と西洋の橋渡しを担いたいと思う様にもなった。<br />
<br />
今なら、軽く話せるのだが、当時は一年以上も私は誰にも、その神秘体験の一部始終を語る事はなかった。どう語って良いか分からなかったからだ。<br />
<br />
旅が、人の人生を変える事もある。どう変わるかは予測できない。イスラエルへの旅行の後、世界中の宗教の比較や、仏教の密教を勉強してみたり、ヨガ、瞑想などを実践してみたりした。しかし、あの白い光の存在が、すべての私の行動の規範となっていた。堅苦しい事はなにもない。すべては許されるのだから。ただ、あの存在を裏切る事はできない。それだけは絶対な事となってしまった。そして、神秘体験から約十年後、私はカトリックの洗礼を受ける事となった。<br />
<br />
次にイスラエルに行くとしたら、知的好奇心だけでなく、カトリック信者としても巡礼に行く事になるだろう。前回のように自由な身で行くのも楽しいだろうが、、、今の様に、自分の立ち位置がはっきりした上で見てみると、もっと深い事が分かるかもしれない。自分の信じている宗教が他よりも優れているなどと偏狭な想いを持たない限り、まだまだ面白い情報が入って来ると信じている。<br />
<br />
戦争の火種がある場所だからこそ、「許しのテーマ」を背負って、キリストが、かの地で登場したのかもしれない。ただ、そのテーマを人々が理解したとは言い難い。Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-7509790212040638354.post-24931607868243575832010-03-22T00:25:00.000+01:002020-05-08T22:58:38.547+02:00ミラノのマドニーナとの出会い<div class="hdg-type01-container">
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-size: x-small;"><span class="caption"> </span></span><a href="http://2.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/S6asHtc_RnI/AAAAAAAAAKc/7d-_GXdq4rM/s1600-h/0902-01s.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="446" src="https://2.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/S6asHtc_RnI/AAAAAAAAAKc/7d-_GXdq4rM/s640/0902-01s.jpg" width="640" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-size: small;"><span class="caption">[ミラノの中心のドゥオモ広場]</span></span></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<span class="caption"><b><span style="font-size: large;">マドニーナとは</span></b></span></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<br /></div>
</div>
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ヨーロッパの冬は暗く長い。住み始めて初めて知ったのだが、“太陽の国”と思われているイタリアも例外ではなかった。イタリアの文化は冬に育み、夏に開花する。華やかさと深みが両立する、ここの文化の秘密だ。 </div>
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イタリアの街の中心には、必ず「ドゥオモ」と呼ばれる教会あり広場がある。まず、中心を定めて、そこから放射状に道を配置するのが、イタリアの街の作り方のセオリーである。ミラノのドゥオモ教会はマリア様に捧げられ、その突端では黄金に輝くマリア様が街を見下ろし、いつも見守っている。ミラネーゼ達は、 この街の守護聖人である聖母マリアを「マドニーナ」と呼び親しんでいる。 </div>
<div class="lh-type01">
<br />
2002年の冬のある日、私は道端で写真用の三脚を見つけた。なかなか大きくて丈夫なプロ用のものだった。人通りの多いその歩道に横たわる三脚の周りを、歩行者達が避ける様に歩いていた。それは不思議な光景だった。こんな大きなものを道端に忘れるとは、どういう事だろう。そのフォトグラファーは、撮影の後、よほどの急ぎの予定があったに違いない。一週間前から約束していた親戚とのディナー、もしくは新しい恋人とのオペラ鑑賞の約束だったのかもしれない。 </div>
<div class="lh-type01">
人通りの多いその歩道で、その三脚は明らかに邪魔な存在で、歩行者達の障害になっていた。立ち止って一瞬ためらったものの、私はその三脚を拾う事にした。 </div>
<div class="lh-type01">
その日、私はファッションショー関連の撮影の仕事をしていた。毎年2月に行われるレディースのミラノ・コレクションの時期だったからだ。連日の仕事で神経を多少すり減らしていたものの、スポーツをした後の心地の良い疲労感のような感触もあった。そし て、その三脚を片手にボーッっと何も考えずに歩いていた。</div>
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<br /></div>
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<b><span style="font-size: large;">はからずも揃った機材 </span></b></div>
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<br /></div>
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ミラノの中心のドゥオモ広場にさしかかった時、その日が満月である事に気がついた。そして、広場の真ん中ぐらいに来た時に、その満月がドゥオモ教会の突端にある金色のマリア様の真後ろにあって、後光を差しているように見えた。しばらく、あっけに取られて、ただ見ていた。しばらくすると、雲がマリア様の周りを避ける様に動きはじめていた。マリア様のオーラが雲をコントロールしているようだった。 </div>
</div>
<br />
<div class="lh-type01">
ふと我にかえった。ファッションショーの為に使っていたカメラにはすでに望遠レンズがついていた。フィルムも高感度のものが入れてあった。しかし、夜の風景は光量が低く、8分の1秒か、もっと遅いシャッタースピードで切らなくてならない。望遠レンズとの組み合わせだと大きく手ブレが出てしまって良い写真にならない。 ファッションショーの仕事では邪魔になるので私は三脚を使わないのだが、その日は、直前に偶然手に入れた三脚があった。はからずも、拾った三脚のおかげで、機材はすべてそろっていたのだ。 </div>
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<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/S6aqYSS_K5I/AAAAAAAAAKU/Xndn49u-Oh4/s1600-h/maddonina+milano+retouched+last-s.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="640" src="https://1.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/S6aqYSS_K5I/AAAAAAAAAKU/Xndn49u-Oh4/s640/maddonina+milano+retouched+last-s.jpg" width="446" /></a></div>
<div class="lh-type01" style="text-align: center;">
<span style="font-size: small;"> </span><span style="font-size: small;"><span class="caption">[</span></span><span style="font-size: small;"><span class="caption">2002年の冬に撮影した、</span></span><span style="font-size: small;"><span class="caption">ドゥオモ教会のマドニーナ]</span></span></div>
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<br /></div>
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<span class="caption"></span><span class="caption"></span></div>
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</div>
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拾ったばかりだったので、まだ慣れない三脚だったが、慌ててそれを広げて、その上にカメラをのせた。この三脚のおかげで、手ブレが防げたわけだ。ファインダー越しに見るマリア様は,とてつもない無限のエネルギーを発散していた。カメラを覗いていると、雲の動く速度は普通に目で見るよりも、とても早いのが分かった。 </div>
<div class="lh-type01">
満月の月の光が、雲に反射して、その力を増幅させていた。みるみるうちに、マリア様が放つオーラをかたどる様に、そこだけ雲が裂けていった。見事にマリア様のオーラを月光と雲が表現していた。もしくは、月、光、雲、空気などがマリア様への尊敬の念をあらわにして いたようなようにも受け取れた。仏教画で言う後光と、キリスト教美術で言う聖人頭部の正円のアイデアを混ぜた様だった。映画の特殊効果の様な光景が、現実の目の前で繰り広げられていた。 </div>
<div class="lh-type01">
ミラノのゴシック様式のドゥオモには、金色のマリア様が中央の突端に、その他の多数の聖人たちの彫像が、その周りにある。その聖人達が、マリア様の言葉を静かに聞き入っている様に見えた。マリア様のメッセージを一言一句、全身全霊で彼らは受け止めていた。 </div>
<div class="lh-type01">
「そうか、マリア様は他の聖人達よりも一つ高い位置にいる」 </div>
<div class="lh-type01">
マリア様はドラマチックに女性エネルギーを顕現させ、世の中を慈悲の心で包んでいた。私も聖人達同様、試しにマリア様の言葉に聞き入ってみた。 </div>
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ファインダーを、息をのむ様に丁寧に覗き込み、自分の心臓の鼓動を押さえ込みながら、シャッターをたくさん切った。しばらくして、マリア様は何かを言い終わって、自分の気配を、いつも通りに戻した。そして、あっという間に厚い雲が満月を覆ってしまった。マリア 様の後光も消えて、いつも通りの風景に戻った。ほんの数分のスペクタクルだった。 </div>
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マリア様が話していて、周りの聖人達が、それを熱心に聞いていた所までは理解できたのだが、マリア様が何について語っていたのかまでは分からなかった。私はマリア様の言葉を理解する能力が決定的に欠けていたからだ。何か大事な事を言っているのに、言語能力のせいで理解できないのは、なんとももどかしかった。マリア様の言葉を、もっと理解したいと思ったのは、その時からだった。<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">偶然居合わせた二人のミラネーゼ</span></b><br />
<br />
ふと、目をカメラから上げると、たくさんのミラネーゼ達が足早にどこかに向かっていた。夜の7時半くらいだった。ドゥオモ広場には、家路に急ぐ人や、食前酒を飲みに行く人もいたことだろう。群衆はいつもの様に忙しくしていた。このドラマチックなシーンを見ていたのは、私以外には、たったの2人しかいなかった。2人とも、私の近くにいた。そこが広場の中でも最も良く 見えた地点だったからだ。 </div>
<div class="lh-type01">
私たちは目を合わして、「 Bellisima!見ましたか?」「 Incredibile!こんな不思議な光景、初めて見ました」などと言って、その信じがたい出来事について興奮して話した。彼らは、その体験を共有した仲間だった。もし、写真がよく撮れていたら、是非連絡をくれないかと、その初老の紳士達は、二人とも彼らの名刺を私に手渡した。 </div>
<div class="lh-type01">
それは、小さな奇跡、大いなるものからのメッセージとでも呼ぶべきなのだろうか。それ以来、ミラノのドゥオモのマドニーナを見上げる度に、感謝を含んだ謙虚な気持ちが沸き起こるようになってきた。 </div>
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<br /></div>
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その数ヵ月後、カフェのテーブルで友人達と私が撮りためていた作品を見ていた時に、その場に居合わせた1人から「ミラノの冬の夜の風景で写真展をやらない か?」と持ちかけられた。その頃、私はミラノに来てまだ日が浅く、自分の住む街に敬意を表し、自己紹介の挨拶のつもりで、その話にすぐ乗る事にした。 </div>
<div class="lh-type01">
ミラノの冬は湿気が多く霧がちで、光が空気の中をゆっくりと進む。ひたすら夏と海が好きなイタリア人たちは、 ミラノの厳しい冬に文句を言うのが定番なのだが、私はそんな冬の光を眺めながら歩くのが大好きだったのだ。ミラノの夜の風景がテーマなので、当然ながらマリア様の写真も、その一つとして飾る事にした。 </div>
<div class="lh-type01">
ドゥオモ広場で一緒にスペクタクルを見ていた二人にも招待状を送った。マリア様の良い写真が撮れていたら、個人的に連絡を取ろうと思っていたのだが、偶然にも展覧会に招待できる運びとなってしまったのだ。 </div>
<div class="lh-type01">
彼らは二人とも初日のオープニングパーティーがはじまる時間の前に、すでに会場に現れて、あの写真はどこだ?とまっ すぐにマリア様の写真の前に歩いていった。数ヵ月たったのに、まだ全く興奮が冷めていない様子だった。すぐに写真を買うことに決めてくれて、オープニングを待たずに、お買い上げの赤丸がついた。彼らは、あの写真が合成写真でもデジタル加工したものでもないことを証明する証人でもある。<br />
<br />
<b><span style="font-size: large;">写真にまつわる小さな奇跡</span></b><br />
<br />
私の小さな奇跡的な出来事と写真を人に分かってもらいたいとは思うものの、これらの事は分かる人には分かるし、分からない人には分からないものらしい。合成写真と思う人は、そう思えばいいし、写真にまつわる奇跡を信じ られない人がいても、それは私にはどうにもできない。しかし、私には人の評価などはどうでも良い事に思えた。マリア様とのコンタクトの方に、気がとられていたからもしれない。 </div>
<div class="block-fix">
<div class="lh-type01">
ある友人は、「仏教とキリスト教が高い位置で交差しているように思えた」という感想をくれたし、別の友人は「マリア様のメッセージを聖人達が聞いているんだね?」と言ってくれた。むしろ、驚いたのだが、分かる人には的確に伝わっていたのだ。 </div>
<div class="lh-type01">
イタリアのメジャー新聞の一つである「リパブリカ」に写真評論家が、とても良い論評を書いてくれた。「un giapponese:sotto la luna di Milano」(ミラノの月の下の日本人)というタイトルでミラネーゼ達が見落としているミラノの美しさを日本人が見つけてくれたという内容だった。私にとって、イタリアで最初の写真展は盛況に終わった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/S6asd8pnWMI/AAAAAAAAAKk/R-Tx7U_goUU/s1600-h/0902-02s.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="444" src="https://3.bp.blogspot.com/_IHYfmcGE1fU/S6asd8pnWMI/AAAAAAAAAKk/R-Tx7U_goUU/s640/0902-02s.jpg" width="640" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
[忙しく行き交うミラネーゼ達]<b><span style="font-size: large;"> </span></b></div>
<br />
<b><span style="font-size: large;">落とし物、メッセージ</span></b><br />
<br />
しかし、あの三脚は誰が忘れたものなのだろうか?三脚が道端に落ちている風景を私は、あれ以来見た事がない。あの三脚がなければ、写真が撮れなかっただけに、あの落とし物の価値が、私の心に迫ってくる。 </div>
<div class="lh-type01">
「マリア様は一体何を伝えようとしていたのだろう?」 </div>
<div class="lh-type01">
メッセージを発していたのに、私はその言葉を解する事ができなかった。どうやって、彼女の言語を覚えれば良いのだろうか? </div>
<div class="lh-type01">
とりあえず、マリア様に感謝の気持ちを伝えてみた。そんな私の小さな試みが、信仰という人類の壮大な試みにつながって行くのかもしれない。なんといっても今では、そんな私の妄想が、帰依の心を作り出し、人生の支えとなってしまったのだから。 </div>
<div class="lh-type01">
あの日、あの光景を見ていたのは、私以外には、たったの2人しかいなかった。夕方のドゥオモ広場にはたくさんの人が行き来しているのに。私たちが普段、気がつかないだけで、あんな光景が毎日どこかで繰り広げられているのかもしれない。</div>
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<br /></div>
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<br /></div>
</div>
Francesco Takehiko Nikihttp://www.blogger.com/profile/03545437196514291214noreply@blogger.com1